照明器具の明るさ比較
インバーター照明器具は「明るくて省エネ」「チラツキが少ない」「すぐ点灯する」「騒音が低い」と宣伝されていますが、本当にそうなのでしょうか。長年私は疑問に思っていました。今回電力計と照度計を入手したので普通の安定器の物(グロー式)と比較測定してみました。
照明器具の明るさ比較、測定結果
設定 | 明るさ [Lux] |
電源電圧 [V] |
電源電流 [A] |
力率 |
消費電力 [W] |
Lux/W | Lux/Wの比較 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
インバーター式照明ナショナルHD8823T | 32W+30W 明るい設定 |
2100 | 101 | 0.93 | 0.80 | 75 | 28.0 | 1.20 |
32W+30W 暗い設定 |
1300 | 101 | 0.69 | 0.79 | 55 | 23.6 | 1.01 | |
32Wのみ 明るい設定 |
1080 | 101 | 0.53 | 0.78 | 42 | 25.7 | 1.10 | |
グロー式の照明ナショナルHD925 | 32W+30W | 1850 | 101 | 1.31 | 0.60 | 79 | 23.4 | 1.00 |
32Wのみ | 920 | 101 | 0.70 | 0.60 | 42 | 21.9 | 0.94 |
この結果から、 インバーター照明器具楽天 は普通の安定器の照明器具(グロー式)に比べて同じ消費電力なら約20%明るいことがわかります。しかしインバーター式の器具を明るい設定ではなく暗い設定で使った時は、普通の安定器の物と効率は変わらないと言えます。
省エネの為と思って、いつも暗い方の設定で使っていらっしゃる方はあまり能率の良い使い方ではないと思ってください。まあ、明るい方で使うよりは省エネにはなりますけどね。
照明器具の明るさ比較、測定方法
インバーター照明器具はナショナルの和風吊り下げ型のHD8823T-R76で、32W+30Wです。比較用の普通の安定器の照明器具(グロー式)はナショナルの和風吊り下げ型のHD925で、32W+30Wです。
- セードの影響をなくす為に、セードは外します。器具の外形はほぼ同じ大きさです。
- 明るさは蛍光管から下方に50cm離れたところで測定しました。室内の明るさは約20Luxでした。
- 蛍光管はナショナルのFCL32EXN30とFCL30EXN28で同じ物を使用し、それぞれ測定前に約5分間エージングをしました。
- 電力計---METEXのM-3860M
- 照度計---MASTECHのMS8209 デジタルマルチメーター
考察
インバーター照明器具はカタログに書いてある通り、普通の安定器の照明器具(グロー式)に比べて同じ消費電力なら、約20%明るいことがわかりました。しかしこれは一番効率が良い時であって、明るさを暗い設定にした時は、ほとんど変わらないことがわかりました。
この程度の明るさの差なら実際は比較してもわからない程度です。インバーターの照明器具は故障が多く、修理代も高くつきます。製品の価格も高く、他のメリットを考慮してもあまり良い製品だとは言えないと思います。省エネだと言われていますが、照明器具の寿命が短いとなると最終的に省エネにも、省資源にもならないと思います。