放射温度計の特徴と使い方

放射温度計は離れた所から物体の温度を測定できる優れものです。例えば電柱の上に設置された柱上トランスの温度を、電柱に登ることなく、地上から簡単に測定することができます。しかし、真っ白の物や光る物や透明な物の温度測定では、光学的に測定しているので正確ではない可能性があります。

放射温度計の特徴

放射温度計の画像

この写真のような放射温度計(赤外線温度計)を使えば熱くて触れない物の温度を簡単に測定することができるのが特徴です。

これは物体から放射される赤外線を応用した電子機器で、放射温度計や 赤外線温度計楽天 などとも呼ばれています。

この写真はシンワ測定の放射温度計で(機種73010)、トリガーを引くだけで離れた所から物体の表面温度を測定できます。

モーターやトランスなどの温度測定のような電気工事関係に限らず、陶芸などの窯の温度などの測定や薪ストーブの温度測定などにも使えます。料理などの時の鍋や食材の温度測定にも有効だと思います。

放射率が0.95に固定されているものがあります

安価な放射温度計には放射率が0.95に固定されていて、放熱板などのアルミニウムの地金などの白い色の物では誤差が大きいものがありますので、注意してください。

でも、中国製などの安価なものでも、それなりな精度で測定できるものもあるようです。用途によっては十分に実用になると思います。

シンワ測定の放射温度計73010の主な仕様や使い方

上記の写真のシンワ放射温度計73010の主な仕様は次の通りです。

レーザーポインター楽天 がついているので測定位置が一目でわかります。バックライト付、測定物から離れていても瞬時に温度を測定することができます。

測定温度範囲(℃):-60~500、温度最小表示(℃):0.1

精精度:±2%または±2℃(数値の高い方を適用)、質量(g):240、電源:単4乾電池×2本(別売)

幅×奥行×高さ:46×143×185mm、放射率:0.95(固定)、距離対測定範囲比(D対S):12対1

この機種の放射率は0.95に固定されています

この機種の放射率は0.95固定なので、黒っぽい物体の温度測定では問題ありませんが、白い色や明るい色の物体の温度測定には、誤差が大きくて注意が必要です。

放射温度計の良い点や悪い点や注意事項

信頼できるメーカーの価格の高いものは、それなりに便利なのですが、価格の安いものや、中国製のものなどはその特徴に特に注意してください。

離れた場所にある物体の温度測定に便利

電気関係では、工場内のモーターや電気機器の温度測定や屋根の上のソーラーパネルの温度測定や電柱の上の柱上トランスの温度測定に便利だと思います。

測定する物の放射率に注意

安価な放射温度計には放射率が0.95に固定されていて、アルミニウム製の放熱板などの白い色の物を測定する場合は誤差が大きくなりますので、注意してください。

レーザーポインターの精度に注意

特に安価な中国製の放射温度計の中には、レーザーポインターの位置が正確ではないものがあります。レンズの調整ができていないものがあるようですので、注意してください。できる人は自分である程度の調整が可能な場合がありますので挑戦してみてください。

温度の測定範囲や精度に注意

価格だけでなく、必要な温度の測定範囲が備わっているか、その精度が必要な範囲に入っているか、などに注意して購入してください。それらは、買った後で変更することはできません。

料理などの時には便利

料理をする時の鍋やフライパンの温度を測定するのは便利だと思います。離れた所から触ることなく、汚れることもなく、温度がそこそこの精度で測定できるのですから。

食材の温度も、手も測定器も汚れることなく測定できるので、料理での温度管理には最適だと思います。

体温の測定は正確ではありません

体温計ではないので正確ではなくて当然ですが、放射温度計なので、表面の温度しか測定できません。しかし、沢山の人や動物の体温を比較する用途なら、ある程度は使えるかも知れません。