感電防止に効果的な接地方法とは
電気製品のアース(Earth)接地は感電の防止には非常に効果があります。接地抵抗が低ければどのような接地方法でも効果が同じとは限りません。効果的な接地方法と効果の低い接地方法があります。感電防止効果の大きい具体的な接地方法について解説しています。
感電防止効果の小さい接地方法
感電楽天 防止効果の小さい接地例として
- 柱上トランスのB種接地抵抗を Rb = 50 Ω
- 電気製品のプラグの電圧側(ホット側)と外装金属部との間の絶縁抵抗を Ri = 100 Ω
- 電気製品のD種接地抵抗を Rd = 100 Ω
- 人体の抵抗と人体の接地抵抗の和を Rp = 10 kΩ
- 電気製品の接地点が電気製品を置いた場所より水平に10m以上離れているものとします
電位を計算する為、便宜的に電源の電圧側(ホット側)を100Vとし、電源の接地側(コールド側)を0Vとします。
そうすると、この図のように人体の接地は電気製品の接地とは独立したものになります。この為、感電していない時の人体の電位は地球の深部の電位の20Vになりますが、電気製品の外装金属部は60Vになり、人体には40Vの電圧がかかります。そして人体には4mAの電流が流れて少し感電しますがこの場合は危険なほどの電流ではありません。
もし電気製品にアース(接地)が無い場合は人体には100Vの電圧が掛かります。またこのように電気製品のアースが離れている場合は電気製品の接地抵抗が小さい程、感電の程度が軽いことがわかります。
最近は漏電ブレーカーが設置されているのが一般的です。この例のように漏電電流が400mAも流れなくても、15~30mA程度の漏電で電源が切れるようになっているので安全です。
感電防止効果の大きい接地方法
次に感電防止効果の大きい方法の例として
- 柱上トランスのB種接地抵抗を Rb = 50 Ω
- 電気製品のプラグの電圧側(ホット側)と外装金属部との間の絶縁抵抗を Ri = 100 Ω
- 電気製品のD種接地抵抗を Rd = 100 Ω
- 人体の抵抗と人体の接地抵抗の和を Rp = 10 kΩ
- 電気製品の接地点と人体の接地点とがほぼ同じ位置とします
電位を計算する為、便宜的に電源の電圧側(ホット側)を100Vとし、電源の接地側(コールド側)を0Vとします。
そうすると、この図のように人体の接地抵抗は電気製品のアース点(外装金属部と同じ)に接続されたようになります。この為、人体の電位は60Vになりますが、外装金属部も60Vになり、人体に電流は流れません。
この例の場合は電気製品の接地抵抗は100Ωより少し位大きくても感電を防止できることになります。
一般的な場合は前記の場合と後記の場合の中間の状態になると考えられます。そうすると一般的に感電を防止する為には、できるだけ電気製品の接地抵抗を下げておく必要があります。
感電を防止する具体的な接地方法
結論として感電を防止する具体的な接地方法は次のようにしたら良いと思います。
- 電気製品は個々に最短距離でアース(接地)工事をします
- それらのアース(接地)を全てアース線で並列に接続して接地抵抗を下げます
- 更に敷地の四隅にアース(接地)を設置して、それらを全て並列にすると更に接地抵抗が下がり、敷地内のアース電位を均一にすることができます(敷地内のどこでも感電しません)
私はいつもこれに近い方法で接地工事をしています。個々の接地工事は簡単でも、容易に接地抵抗を100Ω以下とすることができて感電も防止できます。