分電盤の働きと使い方

分電盤は家庭の電気配線の元に設置されています。普通は主幹ブレーカーと分岐ブレーカーとで構成されています。主幹ブレーカーは漏電保護と過電流保護と過電圧保護機能などを持っています。分岐ブレーカーは過大な電流を検知して電気回路を遮断する安全装置です。

分電盤の機能と動作(特徴)

我が家の分電盤の外観

一般家庭用の分電盤は商用電源の入り口に取り付けられていて、この写真のような外観をしています。これは、我が家の分電盤で、中国電力管内のものです。

左の端に主幹ブレーカーとなる漏電保護機能を持った配線用遮断器(75A)があり、その右側に電気の用途や部屋別に別れた、各回路用の分岐ブレーカー(20A)が22個あります。予備が2個あります。

主幹ブレーカーの働き

この主幹ブレーカーは、単3中性線欠相保護付 漏電ブレーカー楽天 となっていて、ELCB(Earth Leakage Circuit Breaker)とか、ELBとも呼ばれる漏電遮断機能と過電流保護機能と過電圧保護機能との役目も持っています。

一般の家庭で屋内配線されている電気回路から、電気製品や人体を通してアース(大地)に向って漏電が発生した場合に、この漏電電流を検出して電気回路を遮断するようになっています。

この動作は、電気回路の行きの電流と帰りのわずかな電流の差を高感度で検知してこれが一定の値以上になると、異常と判断して電気回路を遮断する動作をしています。

分岐ブレーカーの働き

分岐ブレーカーは、各回路で、電気の使い過ぎやショートなどで過大な電流が流れた時、その回路だけを遮断するようになっています。

分電盤の内部と各部品の動作

我が家の分電盤の内部写真

分電盤の内部はこの写真のように、電柱の上から配線された電気のケーブルが 積算電力計楽天 を通って、この分電盤の主幹ブレーカーに接続されています。

左上に配線されている赤色と白色と黒色の電線がそれに相当します。

主幹ブレーカーを出た電気は、右側の多くの分岐ブレーカーに接続されています。分岐ブレーカーを出たケーブルは、各部屋などへ配線されています。

主幹ブレーカー(漏電保護機能と過電流保護機能と過電圧の保護)

漏電遮断器の原理

この図は漏電遮断器の原理を説明したものです。電気回路の2本の電線では負荷回路に流れて行く電流と負荷から帰ってくる電流が等しいのが普通です。

もし、この電流値が異なっている時は、配線のどこかで漏電したということです。

この電流が異なると漏電遮断器の漏電検知コイルに電圧が発生します。このコイルの電圧を制御回路で増幅して、ある一定以上になると漏電遮断器のスイッチを遮断します。

これは、 クランプメーター楽天 で漏洩電流を測定する時に、2本の電線を同時にクランプするのと同じ原理です。3本の電線でも動作は同じです。

過電流保護機能は、家庭全体で、決められた以上に電気を使い過ぎた時、元の(主幹の)回路を遮断する機能です。

また、過電圧の保護は、単3中性線欠相保護機能です。単3中性線欠相保護機能は、単相3線式200Vの配線の真ん中の電線が切れたり接触不良などになった時、回路を遮断して100Vの回路へ100V以上の電圧が掛かるのを防止する機能です。

分岐ブレーカー(配線用遮断器の機能)

電気ストーブやアイロンなどを他の電気製品や照明器具と同時に使っている時、電気が切れるのはこの働きです。一般的にはその部屋だけ電気が来ない状態になります。

漏電ブレーカーが落ちた時の対処方法(修理方法)

主幹の漏電ブレーカーが落ちた時は、あわてずに対処しましょう。素人でも、次のようなことを行えば、修理するまでに電気を使うことができます。

1、漏電箇所のブレーカーを特定します

まず、全てのブレーカーのスイッチを落とします。つまり、レバーを下に下げます。次に、主幹ブレーカー(メインブレーカー)がある場合はこれと、漏電ブレーカーのレバーを上げます。この場合は、まだ各コンセントに電気は来ていない状態です。

漏電した場合に作動した漏電ブレーカーは、レバーを一度下に下げてから上に上げないと、動作しないものもありますので注意してください。このような場合は、ただ、上に上げただけでは電気は入りません。

次に右側や下のたくさんあるブレーカーのレバーを順番に1個ずつ状態を確認しながら上げていきます。もし、漏電ブレーカーが落ちたら、最後に上げたブレーカーによって供給されている部分が漏電していることになります。そのブレーカーの位置を覚えておきます。

2、特定された漏電箇所を除いて電源を入れて使います

次に、今入れた右側のブレーカーのレバーを全て下に降ろしてやります。そして、今切れた漏電ブレーカーのレバーを上に上げます。この順番が重要ですので、この通りに操作してください。

次に、先程覚えておいた、ブレーカー以外のブレーカーのレバーを上に上げて電源を供給します。つまり、漏電していない機器の電源を入れてやります。

漏電している箇所は、今、電気が来ていないところです。どの部屋に電気が来ていないかを確認します。その部屋のすべての家電製品のコードをコンセントから抜きます。

最後に、漏電している箇所のブレーカーを上に上げて電源を供給してみます。何事も無ければ、今、コンセントから外れている機器のどれかが漏電していることになりますので、それらの電気製品を点検修理します。

もし、ここで、漏電ブレーカーが働けば、2に戻って、漏電箇所のブレーカーだけ電源を供給しないようにして、電気工事店に連絡します。この場合は、配線や、コンセントから外せない機器の漏電や漏電ブレーカーそのものの故障が考えられます。