クランプメーターの特徴と使い方

クランプメーターは測定する回路を切断することなく電流の測定ができます。この為、測定することによる回路への影響がほとんどないのが特徴です。また、複数の電線の合計電流の測定も簡単に行なえますので、漏洩電流(漏電電流)の測定もできます。最近は直流電流も測定できるものもあります。

クランプメーターとは(特徴)

クランプメーター、STRAIGHTの Art 15-148

電気回路の電流を測定する場合、一般的には回路の一部を切断して電流計を回路に直列に挿入しなければなりません。電圧に比べて電流を測定するには簡単にいかないのが普通です。

電流計楽天 を回路に挿入すると、電流計の内部抵抗の分だけ回路の直列抵抗が増加するので、厳密に言うと回路に流れる電流と負荷に掛かる電圧が変わってしまいます。

これに対してクランプメータによる電流の測定では回路を切断しなくても、クランプ部分で測定しようとする部分の電線を挟む(はさむ)だけで電流が測定できます。

電線をクランプメーターで挟むだけで、回路を切断しなくて済むので回路への影響がほとんど無いと言えます。また、充電部分に直接触れないので、安全に大きな電流を測定することができます。

クランプメーターの例

上の写真は、私が使っているAC/DCデジタルクランプメーター、STRAIGHTの Art 15-148です。安価でも交流電流も直流電流も測定できて、漏洩電流の測定も可能です。

フルスケールはAC/DC共、2A/80Aの4桁表示で、2Aの時は1mAまで表示が可能ですが、表示が安定しないので、実質は10mAの桁までしか測定できません。それでも、漏電の探査には十分使えます。

電源を切った状態で非接触で検電器としても使えます。バックライトもLED懐中電灯も付いています。電源の電池は単4が2本使われています。欠点と言えば、クランプ部分が小さいことでしょうか。

直流電流が測定できるクランプメーターもあります

このクランプメーターは直流電流も測定できます。2Aレンジの時は、最小1mAまで表示が可能ですが、表示が安定しないので、実質は10mAの桁までしか測定できません。

しかし、車のバッテリーの暗電流が測定できますので便利だと思います。直流電流を測定する時は、零点調整が必要です。

私は電気・電子回路の実験で、回路の直流電流を測定するのに、回路を切り離す事なく、回路に影響を与えないで測定できるのでこれを便利に使っています。

クランプメーターの使い方

一般的なクランプメーターの使い方は、電源スイッチを入れて、測定する電流に合わせて交流、直流(AC/DC)と測定レンジを切り替えます。

レンジ切替が電源スイッチと共用になっているものもあります。電池などを使わない、電源スイッチの無い製品もあります。

直流電流を測定する場合は零点調整をします。機種によって違いますが、零点調整ボタンを押すか零点調整ツマミで行ないます。

次に、電流を測定する電線をクランプ部分で挟みます。クランプ部分が完全に閉じていることを確認します。計器の指示を読めばそれが測定する電流値となります。

クランプメーターで漏洩電流(漏電電流)を測定する

漏洩電流を測定する原理(漏電ブレーカーの原理)

この図は 漏電ブレーカー楽天 (漏電しゃ断器)の動作を説明した原理図ですが、クランプメーターでも同様の原理で漏洩電流(漏電電流)を測定できますので、これで説明します。

負荷への行き帰りの電流が同一なら、高いに電流が相殺されて合計の電流は零となります。

もし、行きと帰りの電流が異なれば、電流がどこかで漏れた(漏電した)ということになります。

2線式の電気回路の場合は2本線を、3線式の電気回路の場合は3本線をクランプメーターのクランプ部分で同時に挟めば、回路の漏洩電流を測定できます。

クランプメーターを使う時の注意事項

クランプメーターを使う時、クランプ部分のコアが完全に閉じていることを確認してください。コアが少しでも開いていると正確な電流が測定できません。

クランプメーターのクランプ部分はわずかな磁気の影響で測定値が変化することがあります。クランプ部分の隙間部分が金属などに近くなっていると誤差を生じますので、できるだけ近くに何も無い所で測定してください。