電動ハツリ機の使い方とメンテナンス
住宅の壁やコンクリートに丸い穴を開けるにはハンマードリルでも可能ですが、コンクリートに大きな穴や長方形の穴を開けたり、溝を掘ったりするには電動ハツリ機が必要となります。はつり機はハンマードリルよりも破壊力が大きく取り扱いも慎重にしなければなりません。
ハツリ機(ハンマードリル)とは
ハツリ機楽天 とは、建設現場などでコンクリートで作られた基礎や壁や土間などの構造物や石や岩を壊したり、コンクリートや岩の形を整えたりする機械のことです。斫り(はつり)と書くこともできますが、通常使わない漢字なので、普通はハツリ(はつり)又は破つりと書きます。
ヒルティのハツリ機TE-500-X
この写真は、ヒルティ製(HILTI、本社リヒテンシュタイン公国)のハツリ機TE-500-Xです。
ヒルティの製品は一般的に値段が高いのですが、性能は抜群です。他社に比べていちばん優れているのは、耐久性があることです。またヒルティのトレードマークは赤色の本体と赤色のケースです。
写真のシャンクはハツリ専用のチゼルと呼ばれるものです。これでコンクリートや岩を破壊していきます。SDS-maxシャンクの物が使えます。
ハツリ作業をすると振動で健康を害することがあります。白ろう病などの労働災害病を引き起こすことがありますので注意が必要です。
打撃力は7.5J[ジュール]で、打撃数3,180回/分となっています。消費電力は1,100Wで、重量は5.6kgです。
この機種には付いていませんが、ヒルティではAVRシステムと言って反動をカットする機構が付いている機種もあります。
BOSCHのハツリ機GSH5 Professional
この写真はBOSCHの破つりハンマーGSH5 Professionalです。私はこれを中古で入手して使っています。やはり、破つり専用機はパワーが違います。
シャンクタイプはBOSCHの特許のSDS-maxというワンタッチで交換可能なものです。
打撃力は12J[ジュール]で、打撃数:2,850回/分となっています。消費電力は1,100Wで、重量は5.6kgです。
よく似た機種にGBH5という品番のものがありますが、これは、 ハンマードリル楽天 と破つりの兼用タイプです。ドリルのように穴あけもできます。
ハツリ作業の例
私は電気店を経営していた頃、床下換気扇の取付け工事をしたことが何回もあります。普通は、床下換気口にそのまま床下換気扇を取付けるだけで良いので、ハツリ作業は必要ないのです。
しかし、床下換気口の全く無い家で工事をしたことがあります。床下の基礎は強固に作ってあり、鉄筋もΦ13mmの大きなものが多く使ってありました。最初は、ハンマードリルを使って穴を開けていたのですが、全く刃が立ちませんでした。
その時、小型の電動ハツリ機を借りて床下の基礎に穴をあけてみました。ハンマードリルよりも能率は格段に上がりましたが、電動ハツリ機でも、てとも時間が掛かりました。このように基礎に沢山の大きな穴を開けるには、もっと大型の電動ハツリ機のような大掛かりな道具が必要かも知れません。
ヒルティのハツリ機TE500-X、TE500-AVRの特徴
- 他社製に比べて価格が一般的に高いのですが耐久性に優れています。
- 打撃部とギア部が独立して密閉構造になっているので、内部の損傷を防止できるとのことです。
- 独自の空冷システムと特殊強化外装で高温によるダメージを回避しています。
- ピストン部が直接打撃を伴わないエレクトロニューマティック構造になっているので、チャック部が熱くなりにくく、長時間の作業ができます。
- AVRシステムという反動を抑制する機構が付いた機種もあります。
- ヒルティのシャンクの取り付け方法はSDSまたはSDSプラスと呼ばれる独特な方式で、ワンタッチで取り付けることができます。
ハツリ機のメンテナンス
故障の少ないヒルティのハツリ機でも、メンテナンスは必要です。SDS-maxビットを取り付ける部分には毎回注油が必要です。全く注油しないと前後の動きが悪くなります。
もちろん、使った後の各部の掃除は必要です。不具合があれば、早めに修理するなり、手入れするなりして対処しましょう。でも、使いっぱなしでも故障することはほとんど無いのが良いところです。