穴掘建柱車による電柱撤去工事
我が家の近所で各家庭に配電している電柱を交換する工事がありました。一連の工事の最後に古い電柱を撤去する工事があり、詳細に見学させてもらいました。6600Vの電気が来ている電線の近くで大きな重い電柱を撤去するのは大変な工事です。それを手際よく作業しているのには感心しました。
古い電柱撤去の為にワイヤーを電柱に掛ける
我が家のすぐ前の古い 電柱楽天 (コンクリート電柱)を新しいものに交換する工事が何日もありました。新しい電柱を立ててから機器の新設や高圧電線の移転を済ませて、古い電柱を撤去していました。中国電力の関連会社(有限会社セトデンアクセス)が工事をしていました。(2020年6月)
この写真のように、古い電柱を撤去する為に、電柱にワイヤーを掛けます。そして普通ならそのままクレーン車(穴掘建柱車)を使って電柱を引き抜くだけです。
しかし、この古い電柱は、真上に6600Vの高圧線が通っています。その上、古い電柱の南北の両側にはCATVのケーブルや電話ケーブルや光ケーブルが通っているのです。更に、東側には新しい電柱があり、西側には我が家に引いているCATVの光ケーブルが横切っているのです。
つまり、南北側には全く余裕がなく、東側と西側と上側にわずかにスペースがあるだけなのです。
今回、一番難しい工事だったらしく、ここの電柱撤去がこの日の最後の工事になりました。
電柱を切断して短くする
どのようにするのかと見ていたら、電柱の中程をクレーン車(穴掘建柱車)で吊り上げたまま、作業員が電柱の下の方を大型の鉄のハンマーで叩き始めました。
鉄ハンマーで叩いただけで壊れるのかと思いきや、簡単に壊れてしまいました。
コンクリート電柱に車が衝突して電柱が折れて倒れたニュースを見たことがあるので納得しました。
この写真のようにハンマーで3分程叩いたら、電柱はこの下の写真のように中の鉄筋だけになりました。
電柱の中の鉄筋をバーナーで焼き切る
電柱のコンクリート部分が壊れたら、次に、 ガスバーナー楽天 で鉄筋を焼き切り始めました。これにはけっこうな時間が掛かっていました。
私は、この作業ならサンダーで鉄筋を切る方が速いと思いましたが、発電機は用意していないのでしょう。
各作業をする毎に、黒板に作業内容を書いてスマートフォンで現場と黒板の写真を撮影していました。
この作業が終わる頃になると、電柱にロープを掛けて電柱が急に動かないようにロープを引っ張っていました。
最初のクレーンで吊る時、上側の電柱の重心の位置にロープを掛けないと大変な事になります。この作業では、クレーンの吊り位置が少し下だったようです。
クレーンで吊ったまま電柱をゆっくりと倒す
クレーン車(穴掘建柱車)で電柱を吊り下げたまま、慎重に高圧線やケーブルや新しい電柱を避けて、ゆっくりと倒していきます。
この電柱の上の先端部分には黄色い絶縁物が巻かれています。これは、万一高圧線に触れた時の用心の為です。
この写真を見ても二人の作業員が必死でロープを引っ張ったり、電柱を支えているのがわかります。もう少し上の重心近くを吊っていたらこのような事にはならなかったと思われました。
もし、もっと下をクレーンで吊っていたら、大事故につながっていたかも知れません。吊る位置を目視で判断するのではなく、正確に吊り位置を測定して決定するべきだと私は思いました。
古い電柱を地上に降ろしてこの作業は終了です。
残った下側の電柱を引き抜く
次に、残った下側の電柱をクレーン車(穴掘建柱車)で引き抜きます。
これは、電柱がテーパー状になっていて下側が太いので、なかなか引き抜くのが難しいようでした。クレーン車で左右に揺らしながら引き抜くのですが、地上に出ている部分が少ないのでうまく揺れてくれないのです。
やっと引き抜いたのがこの写真です。電柱の下の方には、土が固くこびりついていて、スコップでは落とせない感じでした。鉄のバールで叩いて落としていました。
この後、この電柱の中に大量に水が溜まっていて、逆さにして水を出してからトラックに積んでいました。この下の写真を見ると道路が水で濡れているのでわかります。
最後に電柱の穴を土で埋めて、ここでの作業は終了です。
古い電柱をトラックに積む
この写真は、引き抜いた古い電柱をトラックに積んでいるところです。この時は3本の古い電柱を積んで運びました。
やはり、この日、電柱を切断したのはここだけのようでした。
このような作業には、ここで使われた穴掘建柱車が必須だと思いました。クレーンと穴掘り機が一体になっていて、とても便利に使っていました。