検相器の特徴と使い方
3相誘導電動機は3相3線式の電源に接続するだけで回転します。その回転方向は接続する電線の位相の順番で決まります。この為、電源に接続する前にあらかじめ、電源の位相順を測定する必要があります。この目的で使用する測定器を検相器と呼んでいます。
検相器の特徴
検相器とは3相3線式配線の位相の順番がRSTの順に120度ずつずれている(正相)かどうかや、欠相しているかどうかを測定するものです。
3相3線式の誘導電動機(インダクションモーター)は3本の電線の位相が120度ずつずれている事を利用して回転しています。この為、電源への接続を間違えると意図した方向とは逆方向に回転することがあります。
もし、モーターが逆に回転すると、機械によっては破損するものもあります。この為、あらかじめ、回転方向を合わせる必要があるのです。モーター単体で動作させられるのであれば、一時的に動作させて、もし、逆回転したら2本の電線を入れ替えても問題はありません。
誘導電動機の配線UVWに3相3線式のRSTの電線がこの順番に接続されている時、回転方向は正回転(正転)するように決まっています。正回転とはモーター側から負荷側を見た時に右回転(時計回り方向)になる方向を言います。
検相器の種類
検相器は大きく分けて、比較的安価で構造が単純な接触型と電子回路を使った非接触型があります。
接触型の検相器
この写真は接触型の検相器の一例です。検相器本体の中には小さな3相誘導モーターが入っていて回転方向を確認できるようになっています。
接触型の検相器は3本のリード線(R.S.T)を3相電源に直接に接続する必要がありますが、価格が安いのが特徴となっています。
分電盤などの狭い場所で、感電やショートに注意して確実に接続する必要があります。
非接触型の検相器
この写真は 非接触 検相器楽天 の一例です。非接触型の検相器の特徴は、検相器から出た3本の電線(R.S.T)を電源に直接接続するのではなく、電線の被覆の上からクリップで挟むだけで測定できるようになっています。
非接触型検相器では、非接触部分で検出した微小な電圧波形を増幅したりして、電子回路を駆使して作られているので、機械的な誘導モーターは内蔵されていません。
この為、感電やショートなどの危険性が少なく、安全性が向上しています。しかし、価格は比較的高価で乾電池などの電源が必要です。
非接触型なので安全であり、電圧は200Vから400V程度に対応していて、使い方も簡単なのでお勧めです。
検相器の使い方
検相器の種類に従って、検相器からのリード線(R.S.T)を3相電源に直接接続又は非接触で接続します。正回転ならば、リード線(R.S.T)の接続先の電源は(R.S.T)順ということになります。
もし、逆回転の場合は、任意の2本の電源の電線を入れ替えれば正相になるということです。
電源(R.S.T)に、モーターからの電線(U.V.W)をこの順番に接続すればモーターは正回転になります。もし逆回転が必要なら電源の任意の2本の電線の接続を入れ替えます。