長門峡(山口県立自然公園内の美しい渓谷)

長門峡(ちょうもんきょう)は山口県立自然公園となっている渓谷です。阿武川ダム、佐々並川ダムを含めた帯状の公園です。大正12年(1,923年)に国指定の名勝となった景勝地で阿武川中流の巨岩や奇岩、急流、滝、深淵と周辺の植物群とが一体となって美しい渓谷を形成しています。

長門峡遊歩道の写真

読売旅行が募集した日帰りバス旅行で津和野と長門峡の紅葉狩りに行きました。(撮影 2009年11月15日)

長門峡は国および山口県の「名勝及び 天然記念物」に指定されています。

この写真は竜宮淵から長門峡駅へ向かって少し行った付近のものです。川下から川上に向かって川の西側(左岸)を歩きました。

巨岩や奇岩がごろごろしています。約2日前の雨の後なので水量が多く、見応えのある渓谷でした。

長門峡(山口県立自然公園)へのご案内

所在地

山口県の山口線長門峡駅から北北西へ延びた峡谷で、阿武郡阿東町側の入口はJR山口線長門峡駅近くにある道の駅「長門峡」です。

萩市側の入り口は阿武川ダム上流の竜宮淵です。

交通

JR山口線、新山口駅より、列車かSL山口号(新山口~津和野間)で「長門峡駅」へ(60~90分)、駅から竜宮淵まで徒歩約90分(約5.5km)

中国自動車道の山口ICから国道262号経由、国道9号を津和野方面へ約22km(約30分)

駐車場

長門峡駅付近と竜宮淵付近にあります(無料)が、竜宮淵へ車で行くには細い道を通ることになります。運転に自信の無い人は避けた方が良いでしょう。トイレは駐車場にしかありませんので、必ずトイレには行っておきましょう。

紅葉のシーズン中は、竜宮淵から長門峡駅までの間はシャトルバスが運行されています。私達も大型バスが行かないので、シャトルバスに乗りました。

電話

長門峡観光協会 08395-5-0011

地図 長門峡付近の地図

長門峡(山口県立自然公園)の写真と説明

北海洞門、高島洞門

長門峡遊歩道の写真

長門峡は石英斑岩の浸食谷です。この 洞門楽天 は竜宮淵より550m程上流に行った所の、「北海洞門」という大きな岩をくり抜いたトンネルです。

この洞門を掘るのは大変だったろうと思え、先人の苦労が偲ばれました。

洞門はもう一つここから上流に1,150mの所にも「高島洞門」というのがありました。

これらの洞門の名前は、長門峡探勝道路の基礎作りに多大に貢献した南宗画家で、地質学者の「高島北海」に由来しています。この写真は私です。

紅葉橋

長門峡遊歩道の写真

これは竜宮淵より約600m上流の「紅葉橋」という吊り橋です。

急流をまたぐ赤い橋は、周囲の紅葉とマッチしてひときわ美しいものです。この辺りが長門峡の中で一番の見所だと思いました。

紅葉橋を渡って行くと、「生雲渓遊歩道」や「暗がり淵」や「生雲ダム」に続いていますが、通行止めなっていました。

切り立った岩壁

長門峡遊歩道の写真

この対岸(右岸)の垂直に切り立った大きな岩は紅葉と共に見応えがあります。高さはどの程度かはわかりませんが、数十~百メートルはあるように見えました。中国の水墨画に出て来るような風景でした。

散策している人の話によると、「ここは奥入瀬渓谷より良い」と言っていました。私は奥入瀬には行ったことがありませんが、景色が見事なことは確かです。

紅葉の遊歩道

長門峡遊歩道の写真

この写真は途中の紅葉ですが、もみじの季節は少し過ぎたのか、黄色い葉が多いようでした。

このような遊歩道を散策するのはとても気持ち良いものです。今回行ったのは11月中旬で、この日の最高気温は約10度で、最初は肌寒い感じでした。歩いていると体が温まってきて、ちょうど良い感じでした。夏に来ればどこも暑くて、この峡谷はとても涼しいのではないかと思われました。

途中に「手すりきけん」の立て看板があり、「危険だから手すりを持て」という意味かと思ったら、「手すりが壊れているから、手すりを持つな」という意味でした。手すりが錆びて壊れていました。


長門峡遊歩道の写真

案内には紅葉シーズンまっただ中(11月上旬~下旬)のように書いてありました。しかし、たまにはモミジの紅葉も見られましたが、シーズンをちょっと過ぎたのか色は少しくすんで見えました。

でも、どこを見ても絵になるような風景に心が癒されました。適度な運動との相乗効果で、快適な一日でした。

ほぼ遊歩道の真ん中付近に「鈴ヶ茶屋」という茶屋があり多くの人で賑わっていました。鮎の塩焼きや焼き芋のいいにおいをさせていました。多くの人が並んで買っていました。

せり出した岩壁部の遊歩道

長門峡遊歩道の写真

遊歩道にはこのように大きな岩が頭上より外までせり出している所が何ヶ所かありました。体をかがめて頭を下げないと通れませんでした。

当然ここでは人がすれ違うことができません。速く歩きたい人でもここでは抜くことができません。

また、直径数メートルはあろうかと思われる巨岩が落ちそうな感じになっている所もあり、地震でも来たら危険ではないかと思われました。

遊歩道をせり出して作っています

長門峡遊歩道の写真

このように切り立った崖では、コンクリートで遊歩道を造ってあります。手前には橋を架けてあります。

よく見ると怖いような所ですね。遊歩道を散策する人がすれちがえない程、細い道となっています。

長門峡駅の近くの洗心橋には詩人、中原中也の詩碑が立っていました。中原中也もこの地を絶賛したそうです。

長門峡周辺は梨やリンゴの栽培地のようで、道の駅にも沢山売っていましたが、価格は少し高めのようでした。