千光寺公園(広島県尾道市)
山陽本線尾道駅付近から北北東を見ると、小高い千光寺山(標高144.2m)が眼に入ってきます。この山頂から中腹にかけて千光寺公園が広がっています。千光寺公園は、一万本とも言われるさくらの名所100選に選ばれる程有名な所です。
尾道市、千光寺公園とは
千光寺(せんこうじ)は千光寺公園内にある真言宗のお寺です。山号は大宝山(たいほうざん)で、本尊は千手観音、中国三十三観音の第十番札所にもなっています。
寺伝によると大同元年(806年)に空海(弘法大師)によって創建され、源満仲(多田満仲)によって再興されたとのことです。
千光寺公園へのご案内
所在地 | 広島県尾道市東土堂町 |
---|---|
交通 |
山陽本線尾道駅~バス5分~長江口下車・千光寺山ロープウェイ3分~千光寺山山頂 車の場合は、山陽道尾道ICから約20分、山陽道福山西ICから約15分 |
駐車場 | 有料、開花期間中は臨時駐車場あり |
ロープウェイ | 大人:片道320円 往復500円 子供は半額 15分毎 |
地図 | 千光寺公園付近の地図 |
展望台から見た市立美術館と桜
千光寺公園は、一万本とも言われるさくらの名所100選に選ばれる程有名な所です。春は桜やツツジが咲き、初夏には藤の花が紫やピンクの花を付けることでも有名です。
この写真のように園内には市立美術館や文学のこみちがあります。また、千光寺公園グリーンランドという遊園地もあります。
山頂の展望台からは、尾道市内が一望でき瀬戸内海の島々や尾道水道の景色を満喫できます。
(撮影 2010年4月6日)
林芙美子の「放浪記」の石碑
文学のこみちを歩いていると、林芙美子の「放浪記」の石碑がありました。
海が見えた。海が見える。五年振りに見る、尾道の海はなつかしい。
汽車が尾道の海へさしかかると、煤けた小さい町の屋根が提灯のように拡がって来る。
赤い千光寺の塔が見える、山は爽やかな若葉だ、緑色の海、向こうにドックの赤い船が、帆柱を空に突きさしている。
私は涙があふれていた。
と彫り込んでありました。大きな 自然石楽天 の表面を削ってそのまま彫ってありました。
文学のこみちには他にも、正岡子規、金田一京助、志賀直哉、緒方洪庵、山口誓子、頼山陽など多くの文人たちの石碑がありました。
「時の鐘」の千光寺の鐘楼(驚音楼)
大師堂前の小門を過ぎると竜宮造りで朱塗りの千光寺の鐘楼(驚音楼)が断崖の上に建っています。この鐘は環境庁の残したい「日本の音風景百選」の一つに選ばれています。
千光寺の鐘は「時の鐘」として有名で、元禄時代からずっと、この近辺に時刻を告げています。その為か「鐘をついてはいけない」と書いてありました。
この鐘の上部には、梵字百字の真言と五智如来の種子が浮彫りになっています。