備中国分寺と五重塔

備中国分寺は、総社市の東部の岡山市との境付近の田園地帯にあり、そのあたり一帯を吉備路と呼んでいます。この寺は、741年(天平13年)聖武天皇が天災や飢饉から国や人民を守ろうとして建てたものです。

備中国分寺の歴史

備中国分寺の広さは、創建当初は東西約160m南北約180mで、周囲には1.2~1.3mの土塀が築かれておりその中には、南門、中門、金堂、講堂、塔などの伽藍が配置されていました。

日照山国分寺は備中国分寺跡に、江戸時代中期に再建された真言宗の寺院です。ここの五重塔は、1821年(文政4年)から約14年をかけて建立された岡山県内唯一の五重塔です。

高さ約34mで、木造、3間四方、瓦葺、青銅製の相輪となっています。3層まではケヤキ材、4、5層は松材が主体です。一番下の東西南北の外面には十二支を形どった彫刻があります。

1990年(平成2年)からの部分解体工事の途中で大型台風19号に遭い破損した為に全面解体工事に切り替えて約3年半を費やして修復しました。約3億5千万円をかけて現在の美しい姿に復旧しました。

備中国分寺の近くには古代の古墳や遺跡が多く、中でも岡山市側にある造山古墳は全国でも第4位の規模を誇っています。

備中国分寺へのご案内

所在地 岡山県総社市上林1046
開門時間 常時
閉門日 年中無休
拝観料 無料
交通 伯備線または吉備線のJR総社駅から山手循環バス約15分「国分寺」下車約3分
岡山方面から国道180号線の加茂交差点を左折約5km西へ直進
倉敷方面からは、高梁川堤防上の道を総社方面へ、川辺橋を約500m過ぎたら右折、そのまま東へ直進
駐車場 風土記の丘駐車場(無料)
電話 0866-92-0037
地図 備中国分寺付近の地図

上空から見た備中国分寺

セスナで空撮した備中国分寺

セスナ172で息子が空撮した備中国分寺です。朝や夕方には備中国分寺の 五重塔楽天 を撮影する人でいっぱいになる程、写真撮影のポイントがあるようです。
 春には田圃の菜の花やレンゲの花の時期に、秋にはコスモスの花が満開になると、またカメラマンでごったがえすようです。それほどこの五重塔は美しいということでしょう。 撮影 2007年

岡山市の運動公園から吉備津彦神社、吉備津神社、備中国分寺を通って総社市の総社運動公園までは、吉備路自転車道が整備されています。自転車専用の道路となっている部分も多く、自転車で快適な走行ができます。

備中国分寺の約300m東にはこうもり塚古墳があり、その東約1.5kmには全国で第4位の規模の前方後円墳の造山古墳があります。また、備中国分寺の西約1kmには少しちいさめの作山古墳があります。

瀬戸内倉敷ツーデーマーチの備中国分寺での休憩

瀬戸内倉敷ツーデーマーチの備中国分寺での昼食

第16回瀬戸内倉敷ツーデーマーチ2日目40kmコースの備中国分寺での昼食風景です。私は今回で連続10回目の参加でした。寒い日だったのですが、歩いていると常に汗が出てきてちょうど良い気温でした。

ここを過ぎると南西方向の山を越えて、倉敷市浅原の安養寺を通って倉敷市役所まで歩きます。

この五重塔は文政時代に再建された重要文化財です。皆さんが座っている所は井戸の跡です。今は何も無く広場になっています。撮影 2003.03.09

備中国分寺の五重塔の内部写真(南側から見たもの)

毎年5月の連休中に五重塔の内部の初層部分だけ特別公開があります。以前は塔に登れたこともあります。この写真は、ブログ「ゆめのさんぽみち」の作者、いたのさんから拝借しました。

初層部分の内部を南側から見たものです。大日如来を中央芯柱として、東から右回りに、阿閦如来(あしゅくにょらい)、宝生如来(ほうしょうにょらい)、阿弥陀如来(あみだにょらい)、不空成就如来(ふくうじょうじゅにょらい)の四如来を五智仏として配置し、金剛界の五智如来を構成しています。

備中国分寺の五重塔の内部写真(北側から見たもの)

初層部分の内部を北側から見たものです。左から、阿閦如来、不空成就如来、阿弥陀如来です。

驚くのは、これらの如来像がそれぞれ極彩色の動物に乗っていることです。阿閦如来は象に、宝生如来は馬に、阿弥陀如来は孔雀に、不空成就如来は鳳凰(ほうおう)に乗っているのです。

とても不思議な光景です。ぜひ一度見ておきたいものです。