こうもり塚古墳

備中国分寺は、総社市の東部の岡山市との境付近の田園地帯にあり、そのあたり一帯を吉備路と呼んでいます。近くには古代の古墳や遺跡が多く、この古墳はこうもり塚古墳といって備中国分寺の約300m東にあります。

こうもり塚古墳の概要と歴史

この古墳は六世紀後半に自然の丘陵を利用してつくられた全長約100mの前方後円墳です。内部の石室は巨石を用いた横穴式石室で長い羨道とその奥の玄室とからなっています。

玄室には家形の大きな石棺がおさめられています。この石棺は井原市野上町産の波形岩(貝殻石灰岩)を材料としたくり抜き式の石棺です。ほかにも陶棺や木棺がおさめられており、後期古墳に一般的な複数埋葬であったことがうかがわれます。

この古墳は大きな墳丘や内部の石室、石棺などにみられるように多くの労働力を集めることができた支配者層の墳墓であることを示しています。(案内板の説明を参考にしています)

備中国分寺の歴史

備中国分寺は、741年(天平13年)聖武天皇が天災や飢饉(ききん)から国や人民を守ろうとして建てたものです。

備中国分寺の広さは、創建当初は東西約160m南北約180mで、周囲には1.2~1.3mの土塀が築かれておりその中には、南門、中門、金堂、講堂、塔などの伽藍が配置されていました。

日照山国分寺は備中国分寺跡に、江戸時代中期に再建された真言宗の寺院です。ここの五重塔は、1821年(文政4年)から約14年をかけて建立された岡山県内唯一の五重塔です。

備中国分寺とこうもり塚古墳へのご案内

所在地 岡山県総社市上林1046
開門時間 常時
閉門日 年中無休
拝観料 無料
交通 伯備線または吉備線のJR総社駅から山手循環バス約15分「国分寺」下車約3分
岡山方面から国道180号線の加茂交差点を左折約5km西へ直進
倉敷方面からは、高梁川堤防上の道を総社方面へ、川辺橋を約500m過ぎたら右折、そのまま東へ直進
駐車場 風土記の丘駐車場(無料)
電話 0866-92-0037
地図 備中国分寺付近の地図

備中国分寺の300m東のこうもり塚古墳

こうもり塚古墳石室への入り口

備中国分寺の約300m東にはこうもり塚古墳があり、その東約1.5kmには全国で第4位の規模の 前方後円墳楽天 の造山古墳があります。また、備中国分寺の西約1kmには少しちいさめの作山古墳があります。

この写真はこうもり塚古墳の後円部の石室への入り口と案内板です。

こうもり塚古墳と石室の構造図

こうもり塚古墳石室の構造図

この古墳は六世紀後半に自然の丘陵を利用してつくられた全長約100mの前方後円墳です。

石室は花崗岩を用いた横穴式石室で全長約20m、玄室の長さは約8m、高さ約3.5m、幅約3.5mです。

羨道の長さは約11m、高さは約3m、幅は約2mあります。

こうもり塚古墳石室内部

こうもり塚古墳石室内部

こうもり塚古墳石室内部の棺は井原市野上町産の波形岩(貝殻石灰岩)を用いた家形石棺です。石棺の長手方向は約2.5m、高さ約1.2m、幅約1.5mあります。

石室の内部は夏でも涼しく、私が行ったのは5月の暑い日でしたが、とても涼しく感じました。

こうもり塚古墳の上部(後円部より前方部を見た写真)

こうもり塚古墳の上部(後円部より前方部を見た写真)

こうもり塚古墳の上部の写真です。古墳の全長は約100m、後円部径は約60m、高さ約8mあります。古墳としては小さいものですが、上から見るとかなり大きなお墓と言えると思います。

円墳部の上には祠が2箇所にありました。散策にはちょうど良いでしょう。