修理技術情報掲示板過去ログ150

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(2598)霧ヶ峰MSHZ-2230(23年前のインバータエアコン)

投稿者:むっちゃん

初めまして、「むっちゃん」と申します。パワエレ関連の設計を本業としています。

先日、23年前の霧ヶ峰インバータエアコンが故障しました。昨年夏までは元気に動いていたのですが・・

点検した所、故障原因は室外基板内コンデンサの液漏れにより、ベースドライブ不足が発生した様で、トランジスタモジュール(GTR型式 QM15TD-9B)のU相下アームが短絡していました。GTR手前にあるN相電流検出(セメント抵抗)によりベースドライブをした瞬間に過電流検出をしていました。

幸い(仕事上)手元に置換可能なGTR(QM20TD-H)があったので、基板内コンデンサを全数交換した後に、GTRと倍電圧整流用の主回路の電解コンデンサ(2個+1個)も交換しました。GTRのP相を一旦外し、各相のベースドライブ電圧・電流を確認した後に正規の配線にて動作テストを行いました。

hfeが低いGTRだったので心配していましたが、オシロで観測した所、Vce(sat)も充分に低い様で問題無くPWM制御をしている事を確認しました。コンプレッサーは正常に回転して冷媒を圧縮するのですが、どうやら温度検出用のサーミスタ回路に入っている可変抵抗が悪い様で、温度制御が正しく行われません。

可変抵抗は室外機に2個、室内機に2個、リモコンに1個入っています。(試運転モードでも同じ結果なので、リモコンは除外して良いと考えてます)これらの可変抵抗の【機能・設定値】についてご存じでしたら、御教示願います。

(Res:2598)追加情報です

投稿者:むっちゃん


室外機基板の写真です。(2764のROMが時代を感じさせますね)

上の橙色の(VR20)は過電流検出点設定用だと思っています。下の白色の(VR50)は低圧配管温度調整用だと思っています。

この基板には、全て再半田をしたので、VRが逝ってしまったのかも?と考えています。VRの機能としては上記の考えで合っているでしょうか?

設定値が全く解りません。何方か、お知恵を貸して下さい。よろしくお願いいたします。

(Res:2598)拡大写真

投稿者:むっちゃん

ボリューム周りの拡大写真です。

(Res:2598)Re:霧ヶ峰 MSHZ-2230 (23年前のインバータエアコン)

投稿者:dai

(試運転モードでも同じ結果なので、リモコンは除外して良いと考えてます)

試運転モードでは温度調節が効かないのが普通ですので、温度調節の問題ではないかもしれません。温度調節が効かないとは冷房で温度が下がり過ぎでしょうか。それとも温度が設定温度まで下がらないのでしょうか。

(Res:2598)Re:霧ヶ峰 MSHZ-2230 (23年前のインバータエアコン)

投稿者:むっちゃん

dai様、アドバイスありがとうございます。「温度調節が効かない」と言うのは設定温度まで下がらない事です。加えて、最低温度の16℃にすると、リモコンでは130Hzと表示されているのに、実際のコンプレッサー指令回転数(UVW相電流波形)は80Hzまでしか上がりません。その後、自分なりに色々と調べてみた所、どうやらガス不足の様です。

判断材料としては、
1.室外機の低圧パイプ外側に白く霜が付く。
2.室内機(エバボレータ)全体が冷えず、低圧パイプの1段目しか冷たく無い。からです。

R-22の500gガスを入手しましたので、天候の良い日に追加ガスチャージを行うつもりです。(真空引きはしません)以前、自動車整備士を本業としていた頃に100台程のカーエアコン(R-12ですが)を取り付けた経験がありますので、ガスチャージの手順は心得ています。

但し、カーエアコンの様にサイドグラスは無いので、充填量は勘に頼るしかありませんが・・この時代の霧ヶ峰は配管がフレア接続では無く、ワンタッチバルブ付き継手でした。メーカでは1回の移設まで保証していた様ですが、このエアコンは過去に(自分で)3回の移設を行っておりますので、その際に若干漏れていると思います。

保温されている箇所を全て見た訳ではありませんが、見たところコンプレッサーオイル痕は見つかりませんでした。昨年まではそれなりに冷えていたので、保温材に覆われた場所で漏れているのかも知れませんが・・ガス充填後に(VR50)低圧配管温度調整用の機能を確かめてみます。作業後に結果を報告させて頂きます。

(Res:2598)Re:霧ヶ峰 MSHZ-2230 (23年前のインバータエアコン)

投稿者:dai

三菱のセルフシールバルブはエアコンの移設の時、数時間以上取り外したままだとガスがかなり漏れる場合があります。確実にするにはちょっとの間でもキャップが必要です。

R22ガスの追加チャージは冷房運転しながら、室内機の冷却器全体に均一に露が付くようになるようにガスを入れれば良いと思います。しかし、外気温度やインバーターの周波数や運転時間で状態が変わるので、夏の暑い時に上記の状態になるようにしてください。今の時期ならガスがまだ少し足りないかなと思うところで止めておいた方が良いと思います。

この方法で春先にガスチャージをしてガスのオーバーチャージになったことがあります。

後半の記事へ続く