VoIPアダプターHT812の設定方法

市販のVoIPアダプターHT812を使って050プラスやFUSION IP-Phone SMARTのIP電話を固定電話のように、家庭で使えるようにしてみました。NTTの固定電話に比べて、基本料金が安くて、通話料金も安くて、ナンバーディスプレイも無料で使えるので便利です。

VoIPアダプター(HT812)とは

VoIPアダプターHT812の表から見た写真

VoIPアダプターはVoIPゲートウェイとも呼びます。これはインターネットを使った電話サービス( IP電話楽天 )で、電話のアナログ音声信号とインターネットのデジタル信号を相互に変換する装置です。

この写真は、市販されているGRAND STREMのHT812 VoIPアダプター ATA 2-FXS Gigabit NATルータです。この装置に関する設定の説明はインターネット上に少ないので参考になるはずです。

VoIPアダプターを使ってIP電話を固定電話として使う方法

050プラスをスマートフォンで使っている人は多いと思います。私も使っています。また、これを固定電話で使えれば、基本料金が300円(税別)程度と安く、通話料金もIP電話なので安く、ナンバーディスプレイも無料で使えるので、NTTの固定電話が必要なくなりそうです。

もちろん、FUSION IP-Phone SMART もIP電話なので、基本料金が0円で使えます。これらを実現するのにVoIPアダプター(HT812)を9,000円程度で入手しました。

このVOIPアダプタは2回線のIP電話を収容できて、別々に回線の設定と番号表示の種別などが設定出来ます。私は050プラスとFUSION IP-Phone SMARTの両方に使いました。

機器に添付されている英文の説明書だけでは、この機器の設定はできないと思ってください。このメーカーの類似機器(HT702)などの導入事例がインターネット上に多くあるのでそれらを参考にしました。問題が起こった時、自分で解決出来る方以外にはお勧めできません。

VoIPアダプター(HT812)の設定方法

ここではHT812について解説していますが、HT701やHT702やHT704やHT802などでも同様に設定できると思います。

HT812にアクセスしてログインします

VoIPアダプターHT812の裏から見た写真

VoIPアダプターHT812を使うには、まず、パソコンでHT812にアクセスできるようにします。

HT812に12V電源とネット回線(LAN)と電話機を接続します。

電話機を DTMF楽天 信号が出るように、トーン発信に切り替えます。普通はアスタリスク(*)を押せばOKです。

しばらくして、受話器を取り、「***」(*を3回)と押すと、英語で応答があります。次に「02」を押すと、IPアドレスを英語で応答してきます。「192.168.*.**」という風に聞こえました。発音が独特なので何回も聞いて書き取ります。

このIPアドレスをLANに接続したChromeなどのブラウザで開くと、HT812にアクセスできます。初期パスワードは「admin」となっているのでそれでログインします。

BASIC SETTINGSの設定

タイムゾーンの設定を次のように変更します。その後、下のApplyをクリックします。

Time Zone: GMT+09:00

ADVANCED SETTINGSの設定

次の項目のみ下記のように変更してApplyをクリックします。これは日本の電話らしい音にする設定です。

System Ring Cadence: c=1000/2000;

Dial Tone: f1=400@-19,c=0/0;

Ringback Tone: f1=400@-19,f2=385@-20,c=1000/2000;

Busy Tone: f1=400@-19,c=500/500;

Reorder Tone: f1=480@-19,f2=620@-19,c=1500/1500;

Confirmation Tone: f1=600@-16,c=250/250;

Call Waiting Tone: f1=440@-13,c=300/10000;

Prompt Tone: f1=350@-17,f2=440@-17,c=0/0;

NTP Server: ntp.nict.jp

PROFILE1、050ブラスの設定

次のフォームを使って、NTT Communicationsの050プラスの設定に必要な情報を取得します。ここに記入しても私は何も情報を取得しませんので安心してください。ソースを見ればわかります。


電話番号
パスワード  

上記の方法で取得した情報を使って、次の項目のみ下記のように変更してApplyをクリックします。

Primary SIP Server: 050plusのサーバから取得した tranGwAd の値

SIP Transport: TLS

NAT Traversal: Keep-Alive

Preferred Vocoder: PCMU, G729 に対応しています

SLIC Setting: JAPAN CO

Caller ID Scheme: NTT Japan

Gain: TX +2dB このTXとRXのGainは音の大きさが適度になるように調整してください。

PROFILE2、FUSION IP-Phone SMARTの設定

次の項目のみ下記のように変更してApplyをクリックします。

Primary SIP Server: smart.0038.net

SIP Transport: UDP

NAT Traversal: Keep-Alive

Preferred Vocoder: PCMU, iLBC に対応しています

SLIC Setting: JAPAN CO

Caller ID Scheme: NTT Japan

Gain: TX +2dB このTXとRXのGainは音の大きさが適度になるように調整してください。

FXS PORTSの設定

次の項目のみ下記のように変更してApplyをクリックします。

PORT1、050ブラスの設定

SIP User ID: 050plusのサーバから取得した nicNm

Authenticate ID: 050plusのサーバから取得した sipID の値

Password: 050plusのサーバから取得した sipPwd の値

Profile ID: Profile1を選択

PORT2、FUSION IP-Phone SMARTの設定

SIP User ID: SIPアカウント(電話番号から050を取り除いたもの)

Authenticate ID: SIPアカウント(電話番号から050を取り除いたもの)

Password: SIPアカウントパスワード

Profile ID: Profile2を選択

Rebootをクリックして、HT812をリブートします

最後に下の右端にあるRebootをクリックして、HT812をリブートします。約30秒後にSTATUSでPort StatusのRegistrationがRegisteredになっていれば設定は終了です。この時、電話1と2のマークが点灯します。

設定がうまくいかなければ、各項目を見直してください。

その後の設定などと結果

050プラス用の電話機を1のモジュラージャックに、FUSION IP-Phone SMART用の電話機を2のモジュラージャックにそれぞれ接続します。

電話の発信や着信や通話テストをして問題がなければ終了です。ナンバーディスプレイも問題ないはずです。もし、ナンバーディスプレイが動作しない時は、電話機側の設定も見直してください。

通話品質については、接続が不安定になることがあったり、通話が途切れたりすることが時々あるような気がします。