アキュームレーター式井戸ポンプの構造と修理
井戸のポンプは従来は圧力タンク式が主流でした。最近は小型のものではアキュームレーター式が増えてきています。この方式には水タンクがありません。また、エアータンクが無く、空気と水が直接接触しないので衛生的だといわれています。
我が家の掘り抜き井戸
この写真は田舎の我が家の掘り抜き井戸です。左の井戸枠(井筒)が直径90cmの掘り抜き井戸です。右の井戸枠は直径75cm高さ60cmで 井戸ポンプ楽天 を入れています。
この直径の小さい井戸枠はポンプの凍結防止と騒音防止と機械的保護の為に収納カバーとして使っています。これらは、家の裏の少し高台にある畑の中にあります。
掘った井戸の深さは地上から約4.2mで、水深は常に約2mはあります。井戸枠の地上部は約30cmです。
井戸水は井戸枠の中だけではなく、井戸の周辺の下部には広範囲に川から拾ってきた石や砂を大量に詰めています。この為、井戸の周辺には大量の水が溜まっています。これらの水があるので、絶対に枯れない井戸となっています。
湧水量は約50リットル/分以上あります。家の全ての水道の蛇口を全開にしても、井戸の水が減ったり、無くなったりすることはありません。大型のポンプを持って来ないと井戸の水替えと掃除はできません。
井戸に異物が入らないようにコンクリートの蓋をして更にステンレスのカバーをしています。このカバーには鍵を掛けています。簡単には中を見ることができません。
これくらいの水深と湧水量があると人力で掘るのは無理です。渇水期に大型のバックホウ(重機)で掘りました。
アキュームレータータンク式浅井戸ポンプ
これが三相電機のアキュームレータータンク式浅井戸ポンプ(PAL-2531BR)のカバーを取った内部です。
この写真の真ん中の上部にある大きいのがアキュームレーターです。
ポンプの形式は構造から見るとカスケードポンプだと思います。
私が子供の頃使っていたポンプには圧力タンクに空気が入っていてこの空気を圧縮することによって井戸ポンプの圧力を確保し、次にポンプが起動するまでの水を供給していました。
水タンクに空気がある方式(圧力タンク式)は使用中に水に空気が溶けていって、空気が段々減っていきます。その為、自動空気補給装置が必要なのです。
このタイプのポンプはアキュームレーターを使用することにより、水タンクを無くしています。また空気と水が直接接触しないので衛生的だといわれています。
一般的にアキュームレーターはウォーターハンマー(水撃作用)を防止するのにも有効な物ですので、このポンプではウォーターハンマーにもある程度有効です。
定格出力 | 電源 | 口径 | 揚水量 | 吸上揚程 | 押上揚程 | 圧力スイッチ | 停止流量 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
250W | 100V60Hz | 25mm | 32L/min. | 8m | 12m | 130から170kPa | 2.5L/min. |
ポンプのアキュームレーターの故障と修理
井戸ポンプを設置して約12年が経過した頃、井戸ポンプが頻繁に動いたり停止したりするようになりました。調べたところアキュームレーターの不具合のようでした。アキュームレーターのバルブのキャップを取って中のムシを押してみると水が出るではありませんか。
どうもゴムが破れているようです。構造や材質から考えるとアキュームレーターは10年程度しか持たないと思います。アキュームレーターを交換しました。
圧力タンク式の井戸ポンプでも上記のように井戸ポンプが頻繁に動いたり停止したりするようになることがあります。この場合は自動空気補給装置の故障が多いようです。
アキュームレーターの構造
アキュームレーターとは物を一時的に貯めておいて需要と供給のバランスをとる緩衝装置のことです。
この写真がアキュームレーター(accumulator)です。アキュームレーターが故障したので、内部が見えるようにサンダーで切ってみました。
内部にはゴムでできた丈夫な風船のようなものがありました。
左側の口から水がこのゴムの中に入ります。右側にはバルブが付いていてゴムとタンクの間に窒素ガスが入っています。この窒素ガスの封入圧力は大気圧+約0.1MPaとなっていました。(大気圧+1気圧)
この写真ではバルブはゴムに接触しているように見えますが、ゴムとバルブは分離されています。