電子申告(e-Tax)の方法
私は2007年の所得税の申告から、国税庁の電子申告(e-Tax)を使って申告をしています。電子証明書付住民基本台帳カードの取得とパソコンの操作等で参考になることがありましたら幸いです。
電子申告(e-Tax)とは
e-Tax(国税電子申告・納税システム)とは、自宅やオフィス、税理士事務所からインターネットを利用して税務署への申告、申請・届出等ができるシステムです。
私は2007年分の申告から所得税の確定申告を電子申告(e-Tax)にするつもりで、公的個人認証付住基カードを取得しました。そして電子申告を実際やってみました。
左の写真は電子証明書付住民基本台帳カードを読み取る接触型 ICカードリーダー楽天 (日立のM-520UJ)です。最近はICカードリーダーが安くなっています。
電子申告(e-Tax)を行なった感想
「オンラインでラクラク」と表示していますが、やってみると予期しないところで何回もつまずきます。一度つまずくと、もう次には進めません。パソコンの初心者には少し難しいと思いました。
しかし、電子申告(e-Tax)は手書きで申告書を作成するよりずっと簡単です。また、2年目以降の電子申告はとても簡単にできます。次に電子申告をした私の感想とつまずいた所を列記しておきますので参考にしてください。
テンキーの無いノートパソコンで入力する場合は、数字の入力が多いので、USBのテンキーボードを利用すると便利です。
電子申告の良い点
- 書類を手書きする必要がありません。
- 訂正が自由自在にできます。
- 入力間違いは計算結果が合わないのですぐわかります。また、電子署名のときに内容のチェックがあります。
- 電卓で計算する必要がほとんどありません。
- 控えを手書きする必要がありません。
- 源泉徴収票や社会保険料控除の証明書の原本等を提出する必要がありません。但し、5年間の原本保存義務があります。
- 税務署が遠くても、直接税務署へ行く必要がありません。
- 平成19年分から平成24年分のいずれか1回に限り最高4,000円の税額控除が受けられます。平成24年分は最高3,000円です。
- 所得税の確定申告だけでなく、税務署への各種の届出書類もe-Taxで作成して提出できます。これは便利です。
電子申告で私がつまずいた点や感想
- 1月中に申告をした方がつまずいた時の問い合わせがスムーズでした。できるだけ早くから準備をした方が良いでしょう。
- ICカードリーダーのドライバーのインストールの後でカードリーダーのユーティリティでICカードリーダライタの種類の設定(PC/SC対応かNMDA対応かを選ぶ)をしないと、カードリーダーは使えませんでした。
- プロキシの設定がしてあるとe-Taxの開始届出の前の操作ができませんでした。
- 申告書を選ぶところで、所得税申告書Bの第三表が必要なのに、第三表が無いところを選んで作成してしまいました。後で第三表を追加できないのがわかり再度全て作成し直す失敗をしました。必要と思われる申告書や添付書類を全て選んでから始めた方が良いと思います。削除は後からでもできますが、追加ができないことがあります。
- オンラインでe-Taxの開始届出をするのに休日や時間外ではできなかったのにできない理由がわかりませんでした。
- うまくいかない時、その理由が表示されないことが多く、何をしてよいのか困ってしまうことが多かった。
- 電子証明書は他のものでもできますが、公的個人認証付住民基本台帳カードが安く入手できて便利です。(住民基本台帳カードが1000円、公的個人認証が500円)
- 電子署名をする時に、書類のチェックがあります。この時エラーになると次には進めません。エラーがあまり具体的ではないので、どこがエラーになったのか特定できないことがあります。私は株の申告書の中で日付のエラーがあり、なかなか場所を特定できませんでした。
- 電子署名の時に、電子署名カードのパスワードを入力する必要があります。また、送信する時にも申告用のパスワードが必要です。あらかじめパスワードの準備をしておきましょう。
電子申告(e-Tax)利用の手順
イータックス(e-Tax)での申告受付は通常の確定申告より早くて、1月4日から受付けていましたが、最近は1月16日から3月15日の受付になっています。この期間はメンテナンス時間を除いて24時間の受付です。
上記以外の期間のイータックスでの申告受付は、月曜日~金曜日の午前8時30分から午後9時となっています。(祝日等及び12月29日~1月3日を除きます。)
e-Taxの利用手順は次の通りです。順番は多少前後することもあります。少なくとも2~3週間はかかりますので、確定申告の1ヶ月以上前から準備を始めることをお勧めします。いちばん時間がかかるのは電子証明書の準備です。
e-Taxソフトのダウンロードは国税庁のホームページでは見つけにくいので、グーグル検索で「e-Taxソフト ダウンロード」と入力して探してください。
また、下記の方法のe-Taxソフトを使わず、確定申告書等作成コーナーを利用して電子申告を行なう方法もあります。普通に国税庁のホームページに行くと、確定申告書等作成コーナーに行ってしまいます。いくら探してもe-Taxソフトのダウンロードにたどり着けません。どうなっているのでしょうか。
- 電子証明書の準備(住民基本台帳カードの申請・取得、個人認証付に変更)
- ICカードリーダー、ライターの購入
- ICカードリーダー、ライターのドライバーのインストール
- 利用者クライアントソフトのダウンロード、インストール
- 信頼済みサイトの登録
- ルート証明書のダウンロード、インストール
- JREのダウンロード、インストール
- e-Taxの開始届出書作成・提出(オンラインで可能)
- 利用者識別番号等の受領(オンラインで可能)
- e-Taxソフトのダウンロード、インストール
- 初期登録
- 申告書の作成
- 作成した申告書等を電子申告用データとして保存
- 電子署名をする
- e-Taxへ送信
2年目以降に電子申告(e-Tax)をする時の手順
2年目以降もイータックス(e-Tax)での申告をする場合は、まずe-Taxソフトの起動をします。すると自然にソフトのバージョンアップをする画面になりますので、バージョンアップをしてから、ウィンドウズの再起動をします。バージョンアップには、何度も同じ操作が求められるのでうまくいっているのか不安になります。
後は画面の指示に従って操作すれば、簡単に申告を行なうことができます。2年目は簡単でした。電子署名のカードのパスワードと申告用のパスワードが必要でした。これはどこかにちゃんと記録しておきましょう。