使い易い会計ソフトについて

パソコン用会計ソフトは数多くの種類があり、どれを選んでよいのか迷うほどです。長年私が使ってみて良かったものを紹介してみたいと思います。会社用と個人用や業種で会計ソフトは違います。

会社と個人で違う会計ソフト

会計ソフトの画像

会社と個人企業では会計処理のやり方が少し違います。その為市販の会計ソフトも会社用と個人用の区別があります。

しかし、勘定科目の設定によって会社用のソフトでも個人用として使うこともできます。その反対も可能ですが、仕訳の知識や税務の知識が必要です。

業種で違う会計ソフト

業種によっても会計のやり方が異なる場合があります。会社用の会計ソフトは一般的な会社ならどんな業種にも使えるようになっているのが一般的です。しかし、建設関係の業種では建設専用の会計ソフトを使った方が良い場合もあります。

個人の場合でも普通はどんな業種でも使えるのが一般的です。しかし、農業用に使うには農業用として販売されているソフトを使った方がやりやすいことがあります。

複式簿記と単式簿記

現在の会計ソフトはたいてい 複式簿記楽天 に対応しています。青色申告では複式簿記で記帳する必要があります。貸借対照表と損益計算書を作成するには、複式簿記で記帳した方が簡単に作成できます。最初はわかりにくく感じますが、会計ソフトを使うことによって複式簿記をやったことのない初心者でも使えるようになるものです。

単式簿記は、現金の出入りを基準にして取引を記録していくものです。家計簿のようなものと思ったら解りやすいと思います。

複式簿記は現金の増減という場合だけでなく、どのような取引によって資産や負債が増減したのかという点にも着目して帳簿に記録していく方法です。青色申告特別控除の65万円を適用するには複式簿記が必要です。

使いやすさで会計ソフトを選ぶ

会計ソフトは使ってみて選ぶのが一番です。使ってみるといっても普通は簡単にはできませんので、使った人に聞くのが良いと思います。できることと、簡単にできるのでは違うのです。仕訳入力のやり易さは、やってみないとわかりません。

最近は無料体験版がありますので、ダウンロードして使ってみるのが良いでしょう。

私が使っていた会計ソフトとパソコン

私は1987年頃から会社として腹式簿記の会計ソフトを使ってきました。最初はPC-9801用の「ザ・パソコン会計III(企業編)」というMS-DOS BASICのソフトでした。次にこれがバージョンアップして「PCA会計」「PCA会計II」となりました。

1997年に会社から個人に変更したので、ソリマチの「飛天」に変更しました。それ以来ずっとPC-9801のMS-DOSで「飛天」を使っていました。「PCA会計(個人編)」でも良かったのですが、バージョンアップの料金が高かったのと、使いにくさを感じていたので変更しました。

ソリマチの「飛天」のウィンドウズ版が「会計王」です。これも何度も使ったことがありますし、顧客に勧めて指導もしてきました。

最近まで使っていた会計処理はウィンドウズ版ではなくMS-DOS版の「飛天」でした。理由は一番使い易いからです。まずスピードが速いこと、パソコンの起動はMS-DOSだとスイッチを入れて約10秒で使える状態になります。次に全ての操作がキーボードだけで行えることです。

キーボードに慣れるとマウスの操作が面倒になってきます。また数字キーの操作とエンターキーの操作だけでたいていの入力ができるのも魅力です。ウィンドウズパソコンでは絶対無理です。

また「飛天」は農業用にも対応しています。PC-9801(PC-9821)が使える限りこのソフトを使っていこうと思っていましたが、パソコンの調子が悪くなり、ついにウィンドウズパソコンにしました。

私が勧める会計ソフト

今はウィンドウズパソコンが主流ですから、MS-DOSのソフトは他人には勧められません。Windowsならやはりソリマチの「会計王」が法人・個人両対応でお勧めです。「飛天」のウィンドウズ版なので操作性はよく似ています。数字キーの操作だけでかなりの部分が入力できます。しかし、価格は少し高めです。

「やよいの青色申告」は使いにくい

安くて手軽なのを探していて、個人の青色申告ならソリマチの「みんなの青色申告」か、「やよいの青色申告」がお勧めだとの情報から、私は「やよいの青色申告」を買って使用してみました。

そうしたら、「やよいの青色申告」は、とても使いにくいことがわかりました。まず、日付の入力が初めは12月31日になっていて、1月の入力をするのに毎回いちいち日付を直すのが大変でした。別の帳簿の入力時にも日付がリセットされます。

次に、預金の項目に関する仕訳を1つ入力して、預金出納帳を見ると、入力が反映されていません。何度も色々な所を探して操作しましたが、原因がわかりませんでした。後でわかったことですが、預金は全て補助科目で管理されているようでした。補助科目を設定していない場合でも、補助科目の入力を忘れても入力は可能なので、仕訳が行方不明になります。

また、毎回起動する度に、ユーザー登録のチェックが入るのか、起動がとても遅く感じました。他にも不具合があるのかも知れませんが、私は以上で堪忍袋の緒が切れました。弥生からメールでバージョンアップやあんしん保守サポートの連絡が頻繁に来るのも、私は煩わしく感じていました。

「やよいの青色申告」のインターネット上の評判は、良いようですが、本当にそうでしょうか。私は長年色々な会計ソフトを使ってきて、仕訳についても小さな会社の会計処理は指導できる程になりました。しかし、「やよいの青色申告」は使いにくかったのです。

ソリマチの「みんなの青色申告」は使い勝手が抜群でした

ソリマチの「みんなの青色申告」は上記のような不具合は全くありませんでした。今度は、お試しで無料体験版をダウンロードして使ってみました。そして、現在はソリマチの「みんなの青色申告」を買って使用しています。これは操作性も良いし、わかりやすいと思いました。ソフトの起動時間は「やよいの青色申告」の半分以下の時間でした。

ソリマチの「みんなの青色申告」はマニュアルが充実しています。弥生の約2倍の分量です。「図解でわかるかんたん青色申告」の本には、このソフトに特に関係なく青色申告について詳しく解説されています。これは参考になりました。

またノートパソコンではテンキーが無いので、USBの外付けテンキーを使うことをお勧めします。キー入力の能率が全く違います。