スマホ用USB充電アダプターの製作
スマートフォンやタブレットの充電には純正の充電器以外だと急速充電ができないものがあります。これはUSBの電源電圧だけではなく充電器に仕掛けがしてあります。純正の充電器以外でも急速充電ができるUSB充電ドングルを製作してみました。充電器とスマホやタブレット間に接続します。
純正の充電器以外では急速充電ができない問題
スマホやタブレットを使っていると毎日のように充電が必要です。急速充電ができないと時間が長く掛かって不便です。しかも、純正の充電器以外では急速充電ができないものがあります。
そこで、大抵の充電器でも急速充電ができるように、AndroidスマホやタブレットのUSB充電器の端子に追加して使えるUSB充電ドングル(アダプタ)をDIYで自作してみました。
急速充電する方法と実際の製作(自作)
スマホ側に純正の充電器が接続されていると勘違いさせて、急速充電を行なう方法には、Androidスマホでは USB楽天 のD+とD-間に200Ω以下の抵抗を挿入すれば良いということを実験で確認しました。
また、AndroidタブレットのSC-01Dで実験した結果、D+とD-の電圧を1.25V程度にすれば急速充電することがわかりました。
これらの結果から、少しの部品さえあれば簡単に自作できるので、部品を揃えてDIYで作ってみました。充電器のUSB出力とUSB充電ケーブルの間に挿入するアダプターのようなものです。
このUSBメス端子(ソケット)の写真で、左から+5V、D-、D+、GNDとなっています。+5VとD+間に82kΩの抵抗を、D-とD+間に180Ωの抵抗を、D+とGND間に27kΩの抵抗を接続しました。
82kΩの抵抗を変えないで、27kΩの抵抗を変化させてみました。その結果18k~39kΩで急速充電ができました。18k~39kΩの比率でのセンターは27kΩです。
この後、グルーガンでこの部分を固めて、熱収縮チューブで固定しました。下のでき上がり写真をごらんください。
USB端子の配列(参考)
USB端子の番号と端子の用途はこの写真のようになっています。これは標準Aのソケットですが、プラグ側も全く同じ配列です。
端子が見える方向の上から見て、右から1:+5V、2:D-、3:D+、4:GND(-) となっています。
使用方法(接続方法)
下記の写真のように出来上がったUSBアダプターのオス側を充電器のUSB端子に接続して、メス側にUSB充電ケーブルを接続します。つまり、USB充電ケーブルの前にこのUSBドングルを挿入する形になります。
DCクランプメーターで充電電流を測定する
ちゃんと急速充電しているのかどうかを調べるには、充電電流を測定してみるのが一番簡単です。
この用途にはUSB用の 電流計楽天 も市販されていますが、どうしてもわずかに(0.2~0.3V)電圧降下がありますので、DCも測定できるクランプメーターで測定しました。
これなら電圧降下はありませんので電圧の低下で回路に与える影響は全くありません。
充電電流の測定は、この写真のようにクランプ部で電線の片方をクランプする(挟む)だけです。直流の電流測定ではクランプメーターの零点調整が必要です。
結果
このUSB充電ドングルを使えば、私の手持ちのアンドロイド端末では全て急速充電ができました。特に、10インチのタブレット端末(SC-01D)では、純正以外の充電器では全く急速充電ができなかったので便利になりました。
他の端末、特にiPoneなどでは試していないので、うまく充電できるかどうかはわかりません。たぶん、駄目でしょう。
注意事項
この自作のUSB充電ドングルを使っても、もし、充電器の出力電流容量が小さい場合は急速充電はできません。無理に急速充電をすると過大な電流が流れて充電器が壊れることがあります。十分な容量がある充電器を使ってください。
この記事の情報によってスマホやタブレットや充電器が壊れても私は責任を負いません。自己責任でお願いします。