詩吟用コンダクターの電池部の改造
チカモリの詩吟用コンダクターSW-250はとても便利なのですが、乾電池では液漏れすることがあるし、暗電流が多くて使おうと思った時は電池が減っていたということがよくあります。そこで乾電池を単3形のリチウムイオン電池にしてスイッチやシリコンダイオードを追加して改造しました。
詩吟用コンダクターの写真
この写真は私が使っている㈱チカモリの詩吟用コンダクターGB-250です。
このコンダクター(吟ボード)は 詩吟楽天 などの邦楽を練習する時に便利で正確な音程を確認することができる音響機器です。詩吟で音程が1本の時、基本の「ミ」の音が正確な周波数で言うと440Hzの音になっています。
このコンダクターの電源は単3の乾電池4本かACアダプターのDC6Vです。また、USBの5Vでも使うことができます。
このコンダクターはとても便利なのですが、乾電池の液漏れが心配なことや、電源を入れていなくても常に暗電流が2mA程度流れていることで使いにくいと感じています。
その為、電池を入れたままにしておくとイザ使おうとした時には電池が消耗していたということがよくあるものです。
電池部の改造
この写真がコンダクターの電池部を改造したものです。電池には液漏れしにくい単3と同じサイズの リチウムイオン電池楽天 (14500)を使っています。
この電池は電圧が約3.6Vから3.7Vあり、2個直列にすると7.3V程度になります。この為、空いた電池スペースにはダミー電池1個とシリコンダイオード2個または3個の直列回路を使っています。これはシリコンダイオードの順方向の電圧降下を利用して電源電圧を約1.3Vから2V下げています。
また、暗電流対策でスライドスイッチを取り付けています。これらをすべて直列に配線してプリント基板に組んでいます。
シリコンダイオードの順方向の電圧降下は1個で約0.65Vなので、2個だと約1.3V、3個だと約2Vの電圧降下となり、電源電圧は約6.0Vから約5.3Vになります。シリコンダイオードは汎用性のある1A程度のものを使いました。
何故、ここまで電圧を低めにするかというと、リチウムイオン電池は容量を全て使い切らないで早めに充電する方が長持ちするからです。1個あたり約3V以下では使わない方が良いので、2個では約6Vとなり、その時のコンダクターで使用する電圧は約4.7Vから約4Vとなります。約4V以下ではコンダクターは起動しないようです。つまり使えません。
シリコンダイオードの順方向はツェナーダイオードの逆方向と同じく、優れた定電圧特性を持っています。これを活用しない手はありません。私の書いたツェナーダイオードについてのページも確認してください。
電池部を改造したコンダクターの完成写真
この写真は電池部を改造してコンダクターを完成させたものです。
ダミーの電池とプリント基板は絶縁テープを巻いて一体型にして固定させています。
コンダクターを使う時だけ、電池カバーを開けて電源のスライドスイッチを操作します。
このようにすると、本体には何も改造をする必要はありません。保証や修理が必要な時の問題は無いと思います。
しかし、単3形のリチウムイオン電池(14500)は保護回路が無いものが多く取り扱いには注意が必要です。充電と放電の管理には特に注意してください。これができない人は保護回路の無いリチウムイオン電池を使ってはいけません。
この改造の考え方は乾電池4本を使った他の機器でも同様に使えます。乾電池をリチウムイオン電池に変更する場合に、このアイデアを使ってください。