DC電源逆接続保護回路

直流の電子機器などを使う時、間違って電源のプラスとマイナスを間違えて接続することがあります。この時、場合によっては、電子機器などが焼損したり、ダメージを与えたりして破損することがあります。このような時、これを回避する方法を覚えておくと、製作や改造などで役立ちます。

DC電源のプラスとマイナスを逆接続すると

DC電源のプラスとマイナスを間違えて逆接続することはよくある事です。特に電気にあまり知識の無い人の場合には、日常的にあるものと思ってください。

特に大型のクリップなどで、バッテリー端子に直接接続する場合には、必ず誤接続があるものと思ってください。ACアダプターなどの場合でも、複数のACアダプターが家庭には存在しているので、電圧の違う物もあれば、プラスマイナスが逆のものもあります。

一般的には、電子機器のプラスマイナスを逆に接続すると、回路が働かないばかりか、回路部品が壊れてしまうものもあります。

DC電源逆接続保護回路(防止回路)の例

DC電源逆接続保護回路

直流のプラスとマイナスを逆接続しても、負荷回路が壊れないようにする 保護回路楽天 は、この図のようにいくつかのアイデアが考えられます。

これらは比較的簡単な回路なので、機器を設計する時に、予めこのような保護回路を組み込むのが普通です。しかし、コストなどの点でこのような回路を省いているものもあります。

このような回路例は回路の設計者は常識として持っていて、的確で有効な回路を設計されるようにお願いします。

(1)ダイオード1個で逆接続防止

上の回路図(1)のように、回路に直列にダイオードを順方向に追加してやります。そうすればもし、電源のプラス、マイナスが逆のものを、間違えて接続しても、電流は流れません。

ただし、この方法では、シリコンダイオードの順方向の電圧降下が約0.6Vありますので、回路の電圧が少し下がります。回路電圧に余裕のある場合には有効な方法です。

品種は少ないですが、シリコンダイオードの代わりに ショットキーバリアダイオード楽天 を使えば、この電圧降下を約0.3から0.4Vに抑えることができます。

(2)ヒューズ1個とダイオード1個で逆接続防止

上の回路図(2)のように、回路に直列にヒューズを接続して、負荷側に並列にダイオードを通常では電流の流れない方向に接続する方法です。

もし、電源のプラス、マイナスを逆にして接続すると、ダイオードに大電流が流れて、ヒューズを切ることによって負荷回路を保護します。

ヒューズの代わりに、大電流が流れたら発熱して抵抗が大きくなり、電流が少なくなるリセッタブルヒューズ(ポジスターとも言う)などを使うこともできます。この場合、プラス、マイナスが逆になると、このシリコンダイオードが導通してリセッタブルヒューズの抵抗が大きくなり電流を阻止してくれます。負荷側には逆電圧が掛かることはありません。

リセッタブルヒューズを使うと、電源を切ってしばらくすると、リセッタブルヒューズが冷えて復帰するので、リセッタブルヒューズを取り替える必要はありません。

(3)ブリッジ整流回路で逆接続防止

上の回路図(3)のように、電源と負荷の間に、ブリッジ整流回路(ブリッジダイオード)を入れてやると、常に負荷側には正しい極性の電圧が掛かります。しかし、この場合には、シリコンダイオードが2個直列に入る事になるので、負荷側の電圧が約1.2V低下することになります。

また、この場合は、直流電源の極性には、気を付ける必要は無く、ACアダプターも電圧が同じなら極性が違っても使えることになります。

しかし、ブリッジダイオードが必要となり、コストがアップするという欠点があります。