太陽熱温水器(ソーラー)の凍結防止アイデア
太陽熱温水器(ソーラー)の凍結防止アイデアの記事です。自動不凍コマ付き蛇口をソーラーの湯が降りて来た地点に取付けて解決しました。うまく動作させれば給湯システム全体の凍結を防止することができます。
屋根の上に貯湯タンクのある自然循環タイプの太陽熱温水器は安くて効果が大きく、使用されている方も多いと思います。このタイプは冬の寒い日には凍結して湯が下りてこないことがよくあります。この為、冬季には使用しないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
製作の動機と凍結防止方法
私は太陽熱温水器と石油給湯器を直結して使用している為、太陽熱温水器が 凍結楽天 すると、湯が使えなくて、不便な思いをしていました。
太陽熱温水器へのポリエチレンパイプ(ホース)を保温してみましたが、凍結しているのは太陽熱温水器の湯の出口付近らしく、効果はありませんでした。
太陽熱温水器の湯の出口付近に凍結防止ヒーターを入れてみましたが、これも十分な効果はありませんでした。湯が出るのが少し早くなる程度です。
寒い冬の夜に湯の蛇口を少し開けて、少しずつ湯を出しておくと凍結しない事がわかっていたので、タイマーと電磁バルブによって夜の間だけ湯が少し出るようにしたら、うまくいくようになりました。しかし、出す湯の量が少ないと凍結してしまう事がしばしばありました。
自動不凍コマ付き蛇口を太陽熱温水器に付けて解決
自動不凍コマを付けた蛇口を使用したら、太陽熱温水器が凍結しないようになりました。取り付け場所は太陽熱温水器の湯の方のパイプの屋根から地上に下りた付近の屋外部分です。取り付け方等は写真を参照してください。
一晩で出る水の量は冬の寒い日で岡山のこのあたりでは、小さいバケツ一杯程度です。もちろん寒い地方ではもっと多くの水を捨てることになります。
この凍結防止のアイデアを田舎の家と岡山の店で2000年から採用していますが、大変調子が良く、一度も凍結していません。うまく使えば給湯システム全体の凍結を防止します。これは久しぶりのヒットアイデアだと思っています。
自動不凍コマ付き蛇口の設置の状況
これは太陽熱温水器を裏の畑に置いた例です。太陽熱温水器のシステム全体を凍結から防止することができます。
下の畑の地上から50cm付近の湯の配管に自動不凍コマ付き蛇口を取り付けました。(この写真では見えにくいと思います)
ここから先は断熱銅管の地下埋設工事をして自宅まで10m程配管してあります。
自動不凍コマ付き蛇口を太陽熱温水器の湯の配管に付けた例
太陽熱温水器からの湯の配管に、自動不凍コマ付き蛇口を取り付けた部分の拡大写真です。
湯の熱の影響を避ける為と外気温にさらす為、フレキ管で銅管から少し離しました。
ここまで離す必要はないと思います。フレキ管無しでも良いでしょう。 普通の蛇口のコマとコックを自動不凍コマに取り替えます。
断熱材が長年の日光や風雨で劣化するのでエアコン用の配管カバーで保護しています。
自動不凍コマ付き蛇口を石油給湯器の水側の入口に付けた例
自動不凍コマ付き蛇口を太陽熱温水器からの湯が下りた所の、石油給湯器の入口に付けた例です。同じくフレキ管で延長して、ホースで排水口に導きます。このホースは洗濯機の給水ホースの廃品です。
石油給湯器の廃熱の影響が無い位置に取付けてください。
この水は温泉のように湯の花ができる程、不純物が多いので、自動不凍コマが毎年動作しなくなります。この場合は、毎年冬になると、自動不凍コマを分解して掃除してやります。動く部分が湯の花で固着しています。
自動不凍コマの軸部分の奥にサーモエレメントがあるので、この部分を押して自由に動くようにします。下の小さい穴も詰まっていないかどうか点検します。
もし、私のように温泉等で使われる場合は、同様に定期的に不凍コマの掃除が必要です。
自動不凍コマとその作動原理
平常時の使用は普通の蛇口と全く同じです。
止水の状態で周囲温度が下がるとサーモエレメントが温度を感知して自動不凍コマのピストンが収縮しバネによりサーモエレメントに接続された弁が押し上げられ開弁します。サーモエレメントは自動不凍コマの軸の部分にあります。下から見ると一番上です。
水が排出され流動する水の温度が上昇するとピストンが伸びバネにより弁が押しつけられ閉弁します。
自動不凍コマの仕様
私が使用した 自動不凍コマの詳細と仕様
- 使用温度範囲 -15゜C~80゜C
- 開弁温度 1.7±0.7゜C
- 閉弁温度 4.5゜C以下
- 使用圧力範囲 0.04~1.1MPa
- 作動時流量 450mL/min.以上(雰囲気温度 0゜C、流体温度 0゜C、給水圧力 0.05MPa)