逆浸透膜浄水器で水道水の放射性ヨウ素を除去

東日本大震災の影響により、福島第一原子力発電所も津波の被害を受けて、結果として、水道局の浄水場から乳児の飲用に適さない濃度の放射性ヨウ素131が検出されました。そこで水道水に含まれている放射性ヨウ素を逆浸透膜浄水器で除去することができるかどうか考えてみました。

2011年3月23日に東京都葛飾区の水道局の金町浄水場から乳児の飲用に適さない濃度の放射性ヨウ素131が濃度210[Bq/kg]で検出されました。これと前後して各地でも同様に高濃度の放射性ヨウ素が検出されました。もし、水道水に含まれている放射性物質を浄水器で除去することができれば便利です。

逆浸透膜(RO膜)とは

逆浸透膜浄水器の画像

逆浸透RO(Reverse Osmosis)の技術とは、ほぼ水だけを通す半透膜というものを使って浸透圧とは逆に大きな圧力をかけて「逆浸透」を起こさせて汚れた水を濾過(ろ過)して綺麗にするものです。

逆浸透膜(RO膜)とは、水は通しても、固形物やイオンや塩類等の水以外の不純物は通過させない性質を持つ膜のことです。その微細孔径は約0.0005[μm、ミクロン]と言われています。(0.0005[μm] = 0.5[nm、ナノメートル] = 0.5X10-9[m])

簡単に言うと、半透膜というのは生体の皮膚や植物の細胞膜のようなものです。例えば白菜の漬物を作る時、白菜に塩をふりかけると、白菜の中の水分だけが細胞膜を通り抜けて外に出てきます。この自然の力(圧力)を浸透圧といいます。浸透圧では塩分の薄い方から濃い方へ水が移動しますが、逆浸透は圧力をかけてこの逆に水を移動させるのです。

逆浸透膜浄水器で水道水のヨウ素131は除去できると思います

逆浸透膜ろ過方式の 浄水器楽天 は海水でも真水にできる性能がありますが、この浄水器で、放射性物質を取り除くことができるかどうかを考えてみました。

逆浸透膜浄水器のフィルターの微細孔径は約0.0005[μm、ミクロン](約0.5[nm])で、水の分子の大きさは約0.0003[μm、ミクロン](約0.3[nm])です。この為、逆浸透膜浄水器を使うと水の分子よりも大きい物はほぼ全部取り除くことができるのです。

放射性ヨウ素131やセシウム137の微細粒の直径は約0.01〜10[μm、ミクロン]の大きさです。一般的には約0.1[μm]のサブミクロン単位の粒子です。煙の粒の大きさもほぼこれと同じです。

ヨウ素は水には溶けにくい性質があります。しかし、セシウムは水溶性であり水によく溶けます。この為、セシウムの除去はできないかも知れませんが、ヨウ素131は逆浸透膜浄水器を使って濾過(ろ過)して取り除くことは可能だと思います。

情報の判断は自分でしてください

逆浸透膜浄水器を使って水中の放射性物質を除去できるかどうかの実験をした訳ではありません。あくまでも私の推測の域を出ません。ご判断は自己責任でお願いします。

逆浸透膜の微細孔径の大きさは約0.0001[μm、ミクロン](約0.1[nm])だと称しているものがあります。これだと水の分子は通過できないはずです。

物質の分子や原子は常に振動していて、この程度の大きさのものは、そのサイズを正確に測ることは無理です。元々逆浸透膜の孔の大きさというものは推定して決めたものです。

中空糸膜方式の浄水器を使った場合

中空糸膜は元々人工腎臓等に使う血液を透析する為に開発されたものです。中空糸膜はマカロニに形が似ていて真ん中が中空になっている糸状の繊維です。

その表面には約0.1[μm、ミクロン]の直径の微細な孔が数多く開いています。細菌の大きさは一般に約1〜数[μm、ミクロン]なので細菌も除去できるのです。

しかし、ヨウ素やセシウムのような放射性物質は、その大きさから考えて完全に除去することはできませんがある程度以上の大きさのものは除去できると思います。

普通の活性炭式の浄水器を使った場合

普通の活性炭式の浄水器には粒状の活性炭が使われています。活性炭の表面には約0.5〜5[μm、ミクロン]の細かい孔が無数に開いていて、その中に匂いや汚れの分子を取り込んで除去しています。

1gの活性炭の表面積は約1000平方mにもなり、とても表面積が大きいのです。放射性ヨウ素やセシウムはある程度は活性炭に吸着して除去できるでしょうが、あまり除去することはできないと思います。

水を汲み置きして使うだけでも効果があります

放射性ヨウ素131の半減期は約8日なので、水を汲み置きするだけでも放射能を減らす効果があります。例えば16日汲み置きすれば、放射能は約1/4になります。セシウム137は半減期が約30年ですので効果はありません。

もし、水道水を汲み置きする場合は、必要に応じて、ハイクロン等の次亜塩素酸を途中で添加して殺菌してください。水を使う前には煮沸して塩素を飛ばして使ってください。

水道水を煮沸しても放射能は減りません

水道水を煮沸したら放射能が減ると考える人があるようですが、そのようなことはありません。煮沸してもヨウ素やセシウムは蒸発することはありません。

逆に注意したいのは、煮詰めると放射性物質の濃度が増すことです。煮詰める料理では放射能の無い水を使いましょう。

体内に取り込まれた放射性物質の行き先とその影響

体内に取り込まれた放射能を出す物質、放射線ヨウ素131は主に甲状腺に集まり、セシウム137等は筋肉や骨に集結します。

この放射性物質は時間の経過で崩壊して放射能は次第に少なくなっていきます。それらの半減期は、放射性ヨウ素131では約8日、セシウム137では約30年です。

また、このような放射性物質は糞尿等となって体内から次第に排出されていきます。セシウム137の場合は、約100〜200日で体内から排出されます。

甲状腺に集まった放射線ヨウ素131による甲状腺ガンの発生確率は取り込まれた時の年齢で異なっています。乳幼児ではガンが増加する確率が上がりますが、40歳以上ではあまり増加しないことがわかっています。