打ち抜き井戸の掘り方

私は慢性関節リウマチの治療と健康増進の為に、冷水摩擦(冷水シャワー)をほぼ毎朝行なっています。水道水は夏には水が生ぬるいし、冬には冷た過ぎるので、年中水温がほぼ一定の井戸水でやりたいと思ったのでDIYで打ち抜き井戸を掘りました。

愛媛県の曽我部さんが考案した方法をインターネットで見つけて、自分で打ち抜き井戸を掘ってみました。うまく掘れましたので紹介します。粘土質の土壌ではこの方法は最適のようです。

打ち抜き井戸の掘り方

打ち抜き井戸掘りの模式図

打ち抜き井戸(打抜井戸、打込井戸)(打ち込み井戸とも言うらしい)は広い範囲を掘ることもなく、掘った土の量も少なく、比較的に簡単な道具で掘ることが出来ます。私のやった方法が良いとは言えませんが、井戸掘りに試行錯誤した結果が参考になりましたら幸いです。

まずスコップ等で掘れるだけ直径30〜50cmの範囲を掘ります。深さ1m程度は掘れるのではないでしょうか。

次に、この図のように、穴に水を注入して手製の井戸掘り器で掘っていきます。掘り方は井戸掘り器を上下にトントンと動かして、井戸掘り器の弁の内側に掘った土を取り込んで、上に引き抜いて土を排出します。これの繰り返しで掘っていきます。

私の場合は地層が主に粘土層でしたので、井戸掘り器だけで掘れましたが、普通の土の場合は鉄パイプの先を潰した物で底の土を突いて土を柔らかくした方が掘り易いと思います。

私はVU50のビニルパイプで井戸掘り器を作りました。作り方は写真の説明を参考にして下さい。

ある程度掘れたらVP75のパイプを井戸枠(井戸側とも言う)として入れていきます。私はVU75しか入手できなかったのでVU75を使いました。パイプの先端付近にはφ4mm程度の水を取り入れる穴をたくさん開けておきます。パイプの挿入方法は木槌で叩いたり、ブロックの重りをぶら下げたりするのが良いようです。またテコの原理でパイプを上下させながら入れるとスムーズに入るという情報もあります。

私はパイプの挿入に失敗して、入れる事も抜く事も出来ない状態になり。3mまでしかパイプを挿入出来ませんでした。全て粘土質の地層では難しいと思います。仕方なくその内側にVU50のパイプを井戸枠として入れました。この井戸枠パイプは全部掘った後で入れました。2週間程度井戸掘りを休むと、掘った井戸の穴が少し狭くなり、再度穴を広げる作業が必要になりました。井戸枠パイプを後で入れる場合は一気に掘ってしまうのが得策でしょう。

井戸掘り器の作り方

手製の井戸掘り器 この井戸掘り器は愛媛県の曽我部さんが考案されて、実用新案出願中だそうですが、個人的に製作して使うのには何の問題もありません。これを製作して売る場合には曽我部さんの許可が必要です。

主な道具は井戸掘り器だけです。写真のようにVU50のパイプを約50cmに切って下に VP50楽天 のパイプ継ぎ手を4mmのタップビスだけで取り付けます。(取り替え可能にする為)

パイプ継ぎ手の真ん中に土を取り込む為の弁を取り付けておきます。私はトタン板で縁と弁を作りました。弁の取り付けはφ1.4mmのステンレスの針金で縛りました。

一番下には掘る為の刃を付けました。これは硬い粘土層を掘るのに役立ちました。この時は井戸掘り器を回転させながら掘るとうまくいきました。

井戸掘り器の使い方

井戸掘り器と井戸に挿入した井戸枠 井戸掘り器は右に回転しながら掘りますが、VP20の繋ぎ部分のネジが締まって外しにくくなるので、VP20の繋ぎ部分にφ10mm程度の穴を開けてその穴にドライバーの先を差し込んで回して外すとうまく外れます。

VU50の上の方に土を排出する為の穴を開けます。この排出する穴から下には、水抜きの為にφ4mm程度の穴を20個程度全体に開けておきます。

VU50の上部は異形の継ぎ手を取り付けて、最終的にVP20のメスネジを取り付けます。あとはVP20の4mのパイプをネジで継ぎ足していきます。接合部が万一外れると井戸の底から取り出すのは困難ですから、塩化ビニルの糊だけでなく念の為に接合部にタップビスをねじ込んでいます。

この写真が掘れた井戸にVU50の井戸枠を入れたところです。井戸掘り器と内側の井戸枠は同じ太さです。写真ではずいぶん違って見えます。井戸枠の下部の側面には穴を開けていません。井戸枠の水の取り入れ口は下側だけです。井戸の深さは8m80cmです。

実際の井戸掘り(私の体験)

井戸掘り中の写真 初めは井戸の深さが浅いので地上から掘っていましたが、井戸の深さが5メートル以上になると井戸掘り器の取り回しが難しくなり脚立の上に上がって掘りました。

その後井戸掘りML(メーリングリスト)で、井戸掘り器のパイプを4メートル毎に付けたり外したりしながら掘る方法を教えて頂きました。外した4メートルのパイプはすぐ傍の総二階の建物に立て掛けて置く方法で掘りました。

地質は1mまでは真砂土で、1mから8mまでは軟らかい粘土層でした。8mから8m70cmまでは硬い粘土層でした。最後の10cmが砂礫層で全く掘り進めなくなりました。

1日目で6mまで、2日目で8mまで掘り進めました。その後の80cmは1週間以上かかりました。

遂に井戸水が出た

エンジンポンプで水をくみ上げてみました

井戸が掘れたと言うより、もう掘り進めなくなったので、諦めかけていました。しかし砂礫層なら水が出るのではないかと思って、井戸枠パイプを入れてからエンジンポンプで井戸水を抜いてみました。

井戸枠とポンプの吸い込みホースの間のすき間は空気が入らないように自転車のチューブを詰めてありますが、これは長時間排水する場合は何の効果もありません。少しずつ空気が入ってしまうからです。

なかなかうまく水が出なかったのですが、何回もポンプで抜いていたら連続して水が出るようになりました。ヤッター!通常の地下水位は地上より約1.5mです。

井戸水の取り入れ口には先を閉じたVP20のパイプの先から20cmの範囲にφ3.5mmの穴を約500個開けたものを小石が入らないように取り付けました。購入したポンプに付いている物ではすぐに砂で目詰まりしてしまいました。(2003.08.22)

井戸の断面図、地層の状態

井戸の断面図 視覚的に解りやすくする為、井戸の断面図を作成しました。

ストレーナを一番下まで入れたのは鉄パイプを打ち込んで掘る打ち込み井戸と同じ考えからです。もしストレーナを井戸の底から30cm〜50cm程度上にしても、いずれ砂が下から上がってきてストレーナは砂に埋もれてしまう事が解っていたからです。

VU75とVU50の間には掘り出した粘土を詰めました。ここに砂や小石を詰める人もありますが、上や途中からの水が入る原因になりますので、粘土の方が良いと思います。

VU50とVP20の間の上の隙間には今は空気が入っていますが、いずれこの空気は水に溶けて、この空間はなくなるはずだと思ったのですが、現在は硫化水素ガスが入っているようです。井戸水と一緒に硫化水素ガスが時々出てきます。温泉のような臭いがします。

VU75の挿入に失敗しただけであとはうまく掘れたと思います。今反省してみると、VP75〜VP100で井戸掘り器を作って、井戸枠も大きくすれば、深井戸ポンプを使えたので、水量がもっと増えたと思います。井戸枠内の水も増えて、この点でも水量がアップしたと思われます。

手押しポンプの写真

この写真のような手押しポンプも併設しておくと、地震や台風等の災害時や停電の時でも使えて便利です。これはガチャポンと呼んで古くからデザインが全く変わっていません。

この辺りの地層の形成

岡山市のこの辺りでは、約2万年前の洪積世の終わりの最後の氷河期には地下8.7メートルの砂礫層の所が地表だったようです。

その後氷河が融けて海面が上昇し、沖積世に粘土層が堆積してこの地層が形成されたようです。海面は縄文前期頃がピークでその後徐々に海面が低下して現在の岡山平野となったようです。