シーベルトとは(生体への被曝線量を表わす単位)

原子力発電所での放射線の強さを表すのに、テレビやラジオ等で、マイクロシーベルト/時間というのをよく耳にします。シーベルトは生体への被曝線量[Sv]を表わす単位で、単位時間当たりの被曝線量は放射線の強さ[Sv/h]を表わします。

シーベルトは生体への被曝線量[Sv]を表わす単位です

放射線を示すステッカーの画像

シーベルト(Sievert、Sv)とは、生体への 被曝線量楽天 (ひばくせんりょう)を表わす単位です。つまりシーベルトは被曝線量という生体が受けた放射線の総量であり、放射線の強さではありません。

被曝と被爆は違います。「被曝」は、人体が放射線にさらされることです。「被爆」は、戦争等で飛行機等で爆撃を受けることです。

単位時間当たりの被曝線量は放射線の強さ[Sv/h]を表わします

生体への放射線の強さ(強度)を表わすには、単位時間当たりのシーベルト(被曝線量)を使います。単位は[Sv/h]のように1時間当たりの被曝線量で表わします。しかし、テレビ等の報道では、1時間当たりの被曝線量を単にシーベルトと言って、放射線の強さとして使っていることがありますので注意が必要です。

また、放射線の強さ[Sv/h]を論じる場合に、比較として病院でCT検査を1回受けた時の被爆線量や胃のレントゲン撮影の被曝線量[Sv]を使っている場合がよくあります。これは比較する単位が元々違いますので単純に比較はできません。放射線の強さ[Sv/h]に時間を掛けてやり、被爆量[Sv]に直して、単位を揃えて考える必要があります。

単位時間当たりと1年間の被ばく線量の関係

よく使うのは1時間の被曝線量で、これを1年間の被曝線量に換算するには、24x365 = 8760 倍する必要があります。例えば、1[μSv/h] = 8760[μSv/年] ≒ 8.8[mSv/年] となります。

テレビ等の報道では、単位時間あたりの被曝線量と1年間の被曝線量を混同している場合がありますので、注意して見る必要があります。

マイクロシーベルトとミリシーベルトの関係

マイクロシーベルト [μSv] と言ったり、ミリシーベルト [mSv] と言ったりする場合があります。μというのは 1/1,000,000 のことで、ミリというのは 1/1,000 のことです。従ってミリシーベルトと言えば、マイクロシーベルトの1,000倍になります。

1 [Sv] = 1,000 [mSv] となり、1 [mSv] = 1,000 [μSv]  となります。

自然放射線の量

日本でラドン等の吸入分を除いた、自然放射線の量はその土地の岩石の組成や地域によって違った値になります。日本では約 0.8〜1.2 [mSv/年] の値になります。西日本は東日本より放射線の量が多い傾向があります。これは西日本は花こう岩が直接地表に出ているところが多い為です。

自然放射線のような、ごく微量の放射線は人体にほとんど影響を与えることはありませんが、大量の放射線は人体に有害になります。人体がどの程度の放射線量を受けたのかを知る時に使われる単位がシーベルトなのです。

空気中のラドンからの被曝線量は、1年間で1.26ミリシーベルトと言われています。このラドンは地球内部から漏れ出てくるもので、自然界に存在しています。これと、前記の自然放射線の量を加えると、私達の生体が受ける自然放射線の量は、全世界平均の1年間で2.4ミリシーベルトと言われています。これは0.27 [μSv/h] の放射線強度に相当します。

短時間に受けた放射線被曝量と人体の症状

150ミリシーベルト = 男性は一時的に不妊になります

250ミリシーベルト = 白血球が減少するのが確認できます

500ミリシーベルト = リンパ球が減少するのが確認できます

1シーベルト = 急性放射線障害が起こります。悪心や嘔吐、水晶体の混濁等

放射線を短期間に全身被曝した場合の致死被曝線量

2シーベルト = 5%の人が死に至ります

4シーベルト = 50%の人が死に至ります

7シーベルト = 100%の人が死に至ります

医療機関での被曝

病院でCT検査を1回受けた時の被爆線量は約7ミリシーベルトです。胃のレントゲン撮影では0.5〜3ミリシーベルトの被曝があります。胸のX線集団検診では約50マイクロシーベルト[μSv]の被曝です。自然放射線より医療検査での被曝を気にする必要がありそうです。

法律により許容される被曝線量(自然放射線や治療による被曝を除く)

放射線や放射能を扱う医師、レントゲン技師、看護師は20[mSv/年]を超えないこと。

一般の人は1[mSv/年]を超えないこと。この上に自然放射線量が2.4[mSv/年]ありますので、これを加えると3.4[mSv/年]ということになります。(これは約0.4 [μSv/h] に相当します。)

法律による許容量というのは、それ以上だと、何らかの健康被害が起こる可能性があるから決められていると思います。少し超えたからすぐ問題があるというものではありませんが、許容量を超えないようにしたいものです。

原子力発電所の事故による放射線の強さ(強度)

2011年3月15日の福島第一原子力発電所の一号機〜四号機の原子炉事故での敷地内の放射線の強さは400[ミリシーベルト/時]と放送されていました。この放射線の強さはとても危険なものです。ここに無防備で18時間居ると100%の人が死ぬ強さです。