井戸ポンプ(圧力タンク式ポンプ)の構造と特徴

井戸のポンプの種類は大きく分けて圧力タンク式とアキュームレーター式があります。従来は圧力タンク式が主流でした。圧力タンクには空気が入っていて、水と共にこの空気を圧縮することによってポンプの吐出圧力を確保し、ポンプが停止中は次にポンプが起動するまで間の水を供給しています。

昔から井戸ポンプと言えばこの圧力タンク式のポンプでした。圧力タンク式は長い間使っていると、タンクへの空気補給装置が故障して、モーターのON/OFFが頻繁になっていることがよくあります。このような場合は、モーターの為にも良くないので修理してください。

圧力タンク式浅井戸ポンプの構造

圧力タンク式井戸ポンプの構造図

この図が圧力タンク式井戸ポンプの構造を示しています。井戸から吸入パイプ(吸上げパイプ)を通って来た井戸水は、吸入口から逆止弁を通ってポンプに入ります。

ポンプの形式は非容積ポンプで遠心ポンプの一種のカスケードポンプがよく使われています。カスケードポンプは多数の細かい溝が放射状に刻まれた円盤をケーシング中で高速回転させ、液体をほぼ1回転させる間に遠心力で高圧を得るものです。小流量で高圧のポンプに適しています。

カスケードポンプで圧縮された井戸水は圧力タンクに入ります。圧力タンクには空気が入っていて、水と共にこの空気を圧縮することによって井戸ポンプの吐出圧力を確保し、ポンプが停止中は次にポンプが起動するまで間の水を供給しています。このタンクが大きい程、ポンプの起動時間間隔が長くなります。

圧力タンク内の圧力がある一定以上になると、圧力スイッチの接点が解放になり、井戸ポンプのモーターが停止します。また、圧力タンクの圧力が下がってくると、圧力スイッチの接点が閉じてモーターが回るようになっています。

水タンクに空気がある方式(圧力タンク式)はポンプを使用していると、水に空気が少しずつ溶けていって、圧力タンク内の空気が段々減っていきます。その為、この図には書いてありませんが、自動空気補給装置が付いています。

圧力タンクに空気が必要な理由

圧力タンク楽天 式浅井戸ポンプの圧力タンクに空気が必要な理由は、圧力タンクの中に水だけがある場合を考えればわかります。

液体は一般的には圧力を加えても体積が変化しない性質があります。この為、水だけのタンクでは圧力を加えても、圧力がすぐに上がってしまいます。また、蛇口から少しでも水を出すと、すぐに圧力が低下してしまいます。

圧力タンクに空気があると、空気のような気体は、圧力によって体積が変化するので、圧力が上がるとタンク内に水をたくさん貯めることができます。ポンプが停止中でも蛇口から水を使うと、圧力は徐々に下がって水を押し出すことができます。

圧力タンク式井戸ポンプの欠点

圧力タンク式井戸ポンプには圧力タンクと空気補給装置が必要なので、ポンプが大きくなり複雑になります。また、水と空気が常に触れているので、空気中の微細なゴミや細菌によって、水が汚染されることがあります。

自動空気補給装置の故障と修理

圧力タンク式の井戸ポンプでは、井戸ポンプが頻繁に動いたり停止したりするようになることがあります。この場合はたいてい自動空気補給装置の故障です。つまり、圧力タンク内の空気が減ってきて、蛇口から少し水が出ても吐出圧力がすぐに下がってしまい、ポンプが起動します。

ポンプが起動しても、圧力タンク内の空気が少ないので、すぐに圧力タンク内の圧力が上がってポンプが停止してしまいます。つまり、ポンプが頻繁に起動と停止を繰り返すようになります。

自動空気補給装置の故障は色々考えられますが、分解してみればたいていの原因はわかります。自動空気補給装置の配管パイプの中が何かで詰まっていたり、自動空気補給装置から水が漏れたりといった故障が多いようです。自動空気補給装置のダイアフラムのゴムが破れた場合は、ここから空気が入り、ポンプは全く揚水することができません。

ポンプの水を一旦抜いて、呼び水を入れて、再びポンプを起動すれば、自動空気補給装置の故障は一時的には不具合が直ったように見えますが、自動空気補給装置の故障を直さないと何日かすると再び井戸ポンプが頻繁に動いたり停止したりします。

逆止弁の故障と修理

逆止弁が故障すると、水が全く上がらないとか、放置した後、ポンプの水が井戸の中に戻ってしまうことがあります。逆止弁の内部をよく見て掃除してください。ゴミが噛んでいたり、弁のゴムが変形していることもあります。

ゴムパッキンが変形したり劣化している場合は、逆止弁を交換します。逆止弁が固着すると井戸から水が少しも上がって来ません。長い間使っていなかったポンプでは、逆止弁が固着していることがよくあります。

圧力スイッチの故障と修理

圧力スイッチの電気接点に異物やアリ(蟻)などが進入して導通を妨げている場合があります。また、接点部分に電流が流れることによって、表面が荒れて導通不良になったり、接点が電流により固着している場合があります。

この時の症状は、モーターが回らない又はモーターが止まらない等になります。修理するには異物の除去や圧力スイッチそのものを交換したりします。応急的に修理するには、接点部分を磨いたりすると一時的に直ることもあります。

プロテクターや過熱防止装置の作動

モーターで動くポンプの回転部分に、砂などの異物を噛み込んだり、軸のメカニカルシールが固着したりして、モーターが停止した時、過大電流が流れてプロテクターや過熱防止装置が作動することがあります。

これは自動復帰するものもありますが、自動的に復帰しないものは、噛み込んだ異物を取り除く等の処置をしてから復帰ボタンを押してリセットしてやります。