切妻屋根の傾斜と方向と日照についての考察

私は田舎のスレート倉庫とセメント瓦の母屋をDIYで塗装してみました。その時、北側に流れた瓦屋根の苔が南側に比べてとても多いのが気になりました。苔の生え具合から切妻屋根の傾斜と方向と日照について考えてみました

結論としては、日本の一般的な切妻屋根では、家の形が東西に長く、棟も東西で、屋根が南と北に向いた傾斜の緩いものに自然に落ち着いてしまうようです。

切妻屋根とは

切妻屋根は住宅の屋根形状としては一般的な形で、棟を頂部とした2つの傾斜屋根が合わさっていて横から見ると三角形をした屋根の形です。屋根の形状は住宅全体の印象を大きく左右します。重厚感がある入母屋造りやしゃれた形の寄棟造り等に比べると、切妻屋根はとてもシンプルです。多くの種類がある屋根形状の中でも、比較的安くて作りやすくて雨漏りが少ないという特長があります。

屋根への日照から考えた切妻屋根の傾斜について

今回、セメント瓦やスレート屋根の塗装をしてみて屋根への 日照楽天 も大切なことのひとつだと思いました。山陽地方で屋根の傾斜が約32度以上の北側流れの屋根では冬至の時には日照が全く無いことになります。 (参考、この辺の緯度は約34.5度、地軸の傾きは約23.5度 冬至で南中時の太陽の高さは 90-(34.5+23.5)=32度)

北側流れの屋根の日照を確保するには、屋根の傾斜を約32度以下にしなくてはなりません。一般的な瓦屋根の勾配は約15〜30度なので、この場合は冬至頃の北側の屋根にはかろうじて日光が当たることになります。 (参考、3寸勾配(3/10)は16.7度、5寸勾配(5/10)は26.6度)

寄棟の屋根では屋根の傾斜を緩くするのが良いと思います。実際にもそのようになっている場合が多いと思います。

屋根への日照から考えた切妻屋根の向き

棟が東西になった、切妻屋根の北側の屋根の日照だけを考えると家の向きは南向きより少し東か西にずらした方が良いのかもしれません。山の谷間の家では北側の屋根の日照を確保する観点では、朝方の日照が良い場合は家を少し西向きにして、夕方の日照が良い場合は家を少し東向きにした方が良いと思います。(厳密に言うと田舎の我が家は偶然にもこの後者と同じように南南東向きになっています)

切妻屋根への日照をちょうど均等にするには棟を南北にして屋根を東と西に向くようにするのが良いと思います。そうすれば午前中は東側の屋根に、午後は西側の屋根に日光が当たります。

白川郷の合掌造り屋根の向き

白川郷の合掌造の屋根 世界遺産の岐阜県白川郷の合掌造りは、棟が南北で茅葺きの屋根が東と西に流れています。屋根は約60度の急勾配です。独特な形態の屋根が同じ方向を向いている景観は壮観です。

この理由は屋根の傷み具合と関係があります。もし棟が東西で屋根が南と北に流れていると、北側に流れた屋根には日光が全く当たりません。その為、北側向きの屋根はいつも湿っていて苔が生えて屋根が長持ちしません。

家の形から考えた屋根の向き

一般的な日本の家屋は、部屋への日当たりを良くする関係から、家の形が東西に長くなっている場合が多くなっています。棟が東西になっていて、屋根が南と北に流れているのが一般的です。(我が家の母屋はほぼこの形態です)

もし家の形が東西に長くて、棟が南北で屋根が東と西に流れていると、必然的に屋根が高くなり屋根裏が大きくなります。これはデザイン的にも無理があり、建築材料が多く必要です。屋根裏部屋を作るには良いかもしれません。屋根の日照は東流れの屋根も西流れの屋根も同じですので、日照の面では全く問題ありません。

結論

結局、日本の一般的な切妻屋根の家では、我が家のように家の形が東西に長く、棟も東西で、屋根が南と北に向いた傾斜の緩いものになってしまうようです。太陽光発電には南向きの屋根を使うと良いと思います。

敷地の関係から家の形が南北に長い場合、棟も南北で、屋根が東と西に流れているのも合理的なものと言えます。つまり、一般的には、西向き又は東向きの家になります。