バイパスコンデンサの役割とその考え方、使い方

バイパスコンデンサの役割とその考え方を解説。バイパスコンデンサの役割(働き)は、バイパスコンデンサから電源を供給していると考えたり、バイパスコンデンサで電源とアース間をショートすると考えると解りやすい。場合によっては同じ電源ラインに何個も必要な事があります。

バイパスコンデンサが使われている場所

セラミックコンデンサーの写真

トランジスタやFETやICやLSIを使った電子機器の回路図を見ていると、同じ電源回路のあちこちで電源とアース間にコンデンサが多数接続されていることがあります。

同じような値のコンデンサや別の種類の容量の違うコンデンサが同一の回路に、こんなにも多く必要なのかと思ったことはありませんか。

実はこれらのコンデンサは、回路の動作の安定に重要な役目を果たしているのです。正式にはバイパスコンデンサと言い、通称パスコンと言っています。

バイパスコンデンサの役割(働き)

電子回路の電源というものは電源のラインとアース間の インピーダンス楽天 (交流に対する抵抗値)が零(ゼロ)だという暗黙の了解のもとに設計され、多くの電子部品や電気部品が使用されています。

しかし、実際はプリント基板の電源ラインやアースラインの箔が長かったり、細かったり、曲がっていたりしていて、そのインピーダンス(交流的に見た抵抗分)が大きくなってしまうことがあります。

電線が長かったり曲がっていたりすると、電気的にはコイルのような動作をしますし、電線が細いと抵抗値が増えます。

そうすると電子回路は期待した動作をしないで、発振したり、信号にノイズが混入したり、動作が不安定になったりすることがあります。

このようにバイパスコンデンサは電源ラインに乗っている不要な信号やノイズをバイパスして取り除いたり、電子回路の動作を安定にしたりする重要な役目をしているのです。

バイパスコンデンサから必要な電源を供給していると考える

低周波回路では電源回路からの配線が長い場合、高周波回路では電源ラインがあまり長くなくても、配線のインピーダンスが高くなることがあります。配線には直流抵抗が必ずありますし、交流では配線がコイルのような動作をして、交流抵抗(インピーダンス)を持つと考えてください。

各回路にバイパスコンデンサがあると、回路に必要な電流はこのコンデンサから供給していると考えるのが妥当であり、実際もこのコンデンサから供給されています。

バイパスコンデンサは回路毎に1個以上を使います。回路で使う大電流は電解コンデンサ等の大容量のコンデンサから供給して、高周波成分は高周波特性の良いセラミックコンデンサから供給していると考えたらよいと思います。

高周波回路ではひとつの回路に何個ものセラミックコンデンサや貫通型のバイパスコンデンサを使うのが一般的です。そして電源ラインとアースラインは可能な限りプリント箔の幅と面積を大きくするのがミソです。

バイパスコンデンサで電源とアース間をショートすると考える

もうひとつの考え方は、電源に乗った不要な信号成分や他の回路の不要なノイズをアース間に入れたコンデンサで除去するというものです。結局は前記と同じ基準でバイパスコンデンサを使うと、このノイズ除去も自然にできるのが普通です。

低周波成分は大容量のコンデンサで、高周波成分はセラミックコンデンサや貫通コンデンサで、電源とアース間のインピーダンスを下げてノイズ成分を除去することができます。電源とアース間をコンデンサで交流的にショートすると考えたら良いと思います。