CS衛星切換器の製作

スカイパーフェクTV用の2衛星対応のアンテナ調整用衛星切替器の製作記事です。CS放送のスカイパーフェクTVはJCSAT-3とJCSAT-4Aの2個の衛星を使って放送しています。この為両衛星対応のCSアンテナの方向調整には、2個の衛星を切換えてやらなければなりません。

製作の動機と結果

地球の画像

CSレベルチェッカーの付属品として 切換器楽天 (切替器)が市販されているらしいのですが、私は比較的簡単に作れると思い自作しました。作っただけでうまく動作し、CSアンテナの調整に大変重宝しています。市販品がどのような回路になっているのか私は知りません。

この切替器があれば、ケーブルの工事をする前にCSアンテナだけを設置した段階での調整が可能です。

両衛星用CSコンバータ電源に要求される信号

2つの衛星に対応したCSコンバーターに要求される切り替え信号は次の通りです。

両衛星用CSコンバータ電源に要求される信号
衛星切換信号(電源に重乗) 32~53kHzのパルス信号 0.6Vp-p
パルス信号あり・・・JCSAT-4A
パルス信号なし・・・JCSAT-3
CSコンバータ電源電圧 DC +11V・・・垂直偏波
DC +15V・・・水平偏波
 私の持っている電界強度測定器リーダー952は、電源電圧の切換が可能です。この為、衛星切換信号の発生回路のみ製作しました。

衛星電源挿入器と衛星切換信号発生器の回路図

CS切替回路図

この回路図の黄色部分が衛星電源挿入器の回路です。これは以前作っておいた物を手直しして使いました。今回はこれを衛星切換信号発生器の接続に使います。コイルは300μHのインダクタとフェライトビーズを銅線に通した物を使いました。

300μHの40kHzでのインピーダンスは約75Ωです。1500PFのコンデンサの40kHzでのインピーダンスは約2.7kΩです。

下の部分が衛星切換信号信号発生器の回路図です。電源はレベルチェッカーの電源を使います。40kHzの無安定マルチバイブレータです。消費電流を減らす為ON/OFF比をわざと変えています。

組み立てて、ケースに入れる

組み立てて、ケースに入れる

回路は穴あきの実験用プリント基板上に作ってフィルムケースの廃品に入れました。

プリント基板に同軸ケーブルを取付けてフィルムケースの底から出します。完全にケースに入れたらフィルムケースの蓋をします。

回路図を印刷してこのフィルムケースに一緒に入れておくと、後から点検する時などに何かと便利です。

実際の使い方(調整方法)

実際の使い方

ケーブルの先にワンタッチ型のF型プラグを付けて着脱を容易にします。

使い方は、CS切換器をはずしてJCSAT-3でパラボラアンテナの調整をしてから、CS切換器を付けてJCSAT-4A用に調整します。後はこの装置を取ったり付けたりして各衛星での最良点に調整します。

電界強度測定器はリーダーの952です。これも衛星の電波の測定には大変便利なものです。消費電力が大きいのが玉に傷です。