PICkit2用ZIFアダプターの製作(ソケット基板の製作)

PICkit2単独ではPICに書き込むことはできません。PICkit2スターターキットに付属の基板でも8/14/20ピンのPICには書き込めますが、18ピンや28/40ピンのPICには書き込めません。そこで汎用のPICkit2用ZIFアダプター基板を自作してみました。

PICマイコンとは

PICマイコン楽天 (Peripheral Interface Controller:周辺機器接続制御用IC)とは周辺機器の制御を行なう目的で開発されたICで、プログラムの書き込みができるICです。

PICはCPUと同じように演算処理機能とメモリーを持っていて、ソフトウェア(プログラム)で制御します。しかし、CPUのように処理能力やメモリの容量は大きくはありません。

PICを使わないと普通は各種のICを組み合わせたり、アナログ回路を駆使して回路を作ります。しかし、PICを使うとPICだけで制御部を構成できるので回路をとてもコンパクトに作ることができます。

製作したPICkit2用汎用ZIFアダプター

完成したPICkit2用ZIFアダプター基板の部品面

私は今までPICの書き込みに秋月のAKI-PICプログラマーVer4とPICkit2スターターキットを改造したものを使っていました。PICkit2スターターキットを改造したものは8ピンと14ピンと20ピンの一部にしか対応していませんでしたので汎用のPICkit2用ZIFアダプター基板を自作してみました。

この写真が完成したPICkit2用ZIFアダプター基板です。48mmX72mmの基板に40PのZIFソケットとL型ピンヘッダ(1×6P)を3個と2回路2接点のトグルスイッチを取り付けています。

あまりコンパクトに作りすぎて、文字を書く所が無くなってしまいました。仕方なくプラスチック板をビス止めしてラベルライターで文字を入れました。

使い方は、PICkit2をPICに応じたコネクターにピン番号を合わせて差し込みます。PICの向きは種類にかかわらず常に1番ピンを合わせせて取り付けます。28Pと40PのPICの場合は配線をスイッチで切り替えています。

汎用と言ってもPIC10FシリーズやPIC16F57等はピン配置が異なるのでこのアダプターでは書き込みはできません。

製作したPICkit2用汎用ZIFアダプター基板のパターン面

完成したPICkit2用ZIFアダプター基板のパターン面

これは完成したPICkit2用ZIFアダプター基板のパターン面の写真です。回路としてはとても簡単ですっきりしています。

うまく作るコツは回路図をよく見てPICkit2に接続する6Pコネクタ付近でコネクター同士を部品面で並列に接続しておくことです。また、0オーム抵抗をうまく使って部品面で配線することです。私は0オーム抵抗を3個使いました。

こうすることで、40PのZIF(Zero Insertion Force socket ゼロプレッシャーソケット)への配線を最小にすることができます。

2回路2接点のトグルスイッチはパネル取り付け用ですが、加工して無理やり基板に取り付けています。とても狭いです。ゴム足の代わりに3mmビスとナットを使っています。

後でこのパターン面の下にプラスチックのカバーを取り付けて埃除けと、ショート防止にしています。良い感じになりました。

PICkit2用汎用ZIFアダプターの回路図

PICkit2用ZIFアダプターの回路図

これはPICkit2用ZIFアダプターの回路図です。やはり回路図を残しておかないと後で問題になったときに、確認や手直しができません。PICkit2に接続する6Pコネクタ付近のコネクター同士をまず並列に接続しておきました。

28Pと40Pの配線は少し違うので、スイッチで切り替えるようにしました。切り替えなくても問題ないとの情報もありますが、ちゃんとしたいと思ってトグルスイッチを付けました。

PICが28Pと40Pの時、8,11,12ピンに配線をしていない場合があります。これを省略できるのなら、この切り替えスイッチは必要ありません。

PICkit2のコネクターの番号と用途

  1. VPP/MCLR
  2. VDD Target
  3. VSS(Ground)
  4. PGD(ICSPDAT)
  5. PGC(ICSPCLK)
  6. AUX