LCリアクタンス(各周波数でのLCリアクタンスの計算)

コンデンサやコイルを使用する時、各周波数でそのリアクタンスを計算するのはとても面倒です。正確な値が必要であれば計算すれば良いのですが、およその値が判れば簡単に設計できることがあります。各周波数でこれらの値をあらかじめ計算しておくと便利です。

リアクタンスとは

コイル(インダクタンスL)や コンデンサ楽天 (キャパシタンスC)は交流では直流とは違った抵抗値を示します。この抵抗に相当する値を交流ではリアクタンス(単位はΩ)といいます。このリアクタンスは交流の周波数(f)によって違った値になります。

CR直列回路の動作(CRフィルタのカットオフ周波数)

CR直列回路の動作(CRフィルタのカットオフ周波数)

電気回路の中で、CRフィルタのコンデンサや結合コンデンサ等で左記のような回路が頻繁に出てくる事があります。

この時コンデンサの値をどの位にしたら良いのかすぐにはわからなくて迷う事があります。

一般的にカットオフ周波数となるのはコンデンサと抵抗のインピーダンス値が等しい場合です。この場合出力電圧は約3dB低下します。

コンデンサの値はこのカットオフ周波数を目安に選定できる場合が多く、下記のコンデンサのリアクタンス表は回路の設計時にとても参考になると思います。

しかし一般的な増幅器のエミッタのバイパスコンデンサの場合はこのようにはならないので注意します。

コンデンサのリアクタンス計算値 [Ω]

各周波数でのコンデンサCのリアクタンス(インピーダンス) Zc は次の式で計算します。

Zc = 1/(2πf C)

  50Hz 60Hz 100Hz 300Hz 1kHz 3kHz 10kHz 100kHz 1MHz 10MHz 100MHz
10pF 318M 265M 159M 53.1M 15.9M 5.31M 1.59M 159k 15.9k 1.59k 159
100pF 31.8M 26.5M 15.9M 5.31M 1.59M 531k 159k 15.9k 1.59k 159 15.9
1000pF 3.18M 2.65M 1.59M 531k 159k 53.1k 15.9k 1.59k 159 15.9 1.59
0.01μF 318k 265k 159k 53.1k 15.9k 5.31k 1.59k 159 15.9 1.59 159m
0.1μF 31.8k 26.5k 15.9k 5.31k 1.59k 531 159 15.9 1.59 159m 15.9m
1μF 3.18k 2.65k 1.59k 531 159 53.1 15.9 1.59 159m 15.9m 1.59m
10μF 318 265 159 53.1 15.9 5.31 1.59 159m 15.9m 1.59m 159μ
100μF 31.8 26.5 15.9 5.31 1.59 531m 159m 15.9m 1.59m 159μ 15.9μ

これらの値はあくまでも計算値であって実際この値になるかどうかの保証はありません。

コイルのリアクタンス計算値 [Ω]

各周波数でのコイルLのリアクタンス(インピーダンス) ZL は次の式で計算します。

ZL = 2πf L

  50Hz 60Hz 100Hz 300Hz 1kHz 3kHz 10kHz 100kHz 1MHz 10MHz 100MHz
1μH 314μ 377μ 628μ 1.88m 6.28m 18.8m 62.8m 628m 6.28 62.8 628
10μH 3.14m 3.77m 6.28m 18.8m 62.8m 188m 628m 6.28 62.8 628 6.28k
100μH 31.4m 37.7m 62.8m 188m 628m 1.88 6.28 62.8 628 6.28k 62.8k
1mH 314m 377m 628m 1.88 6.28 18.8 62.8 628 6.28k 62.8k 628k
10mH 3.14 3.77 6.28 18.8 62.8 188 628 6.28k 62.8k 628k 6.28M
100mH 31.4 37.7 62.8 188 628 1.88k 6.28k 62.8k 628k 6.28M 62.8M
1H 314 377 628 1.88k 6.28k 18.8k 62.8k 628k 6.28M 62.8M 628M

これらの値はあくまでも計算値であって実際この値になるかどうかの保証はありません。