籾摺り機用三相200Vインバータ電源の製作
小型籾摺り機のモーターは三相200Vの2kW前後のモーターを使用したものが多く、これを使用するには三相の200Vの配線が必要です。三相の配線の引き込みをすると低圧電力の契約(動力用)になり、一年に一日程度しか使わないのに毎月基本料金が発生して不経済です。(基本料金は約1,000円/kWで全く使わない月はその半額です。2kW契約で1ヶ月使用なら約13,000円/年です。)
私は低圧電力契約をせず三相200Vを使用したいと思い、市販の 産業用楽天 のインバーターを利用した電源を作ってみました。単相の200Vを三相の200Vに変換するインバーターの設定とその周辺回路を紹介します。
これは籾摺り機に限らず、コンプレッサーや精米機や穀物乾燥機等の三相200V電源を使用した電気機械器具に応用が可能です。但し、モーターのスイッチはインバーター側で行なうように改造する必要があります。そうしないとモーターの起動電流が過大となります。
使用するインバーターとその設定
インバーターは東芝の産業用インバーターVFNC1S-2022Pです。モーターは三相200V1.9kWのものです。買ったままのインバーターは三相200V2.2kW用に設定されています。また買ったままでは、パネルの操作でモーターを動かしたり止めたりしなければならないので、外付けのスイッチで操作するようにパラメーターを変更しました。
パラメーター変更の基本操作
- 運転停止中に「MON」ボタンを押して「設定モニタモード」にする
- 「アップダウン」ボタンでパラメーターを選ぶ
- 「ENT」ボタンを押して以前のパラメーター値を呼び出す
- 「アップダウン」ボタンでパラメーター値の変更をする
- 「ENT」ボタンを押して変更後の値を書き込む
- 「MON」ボタンを2回押して標準モニタモードに戻す
| パラメーター | 変更前 | 変更後 | ||
|---|---|---|---|---|
| コマンドモード | Cn0d | 1 | 0 | パネル操作を端子台に変更 |
| 最高周波数 | FH | 80 | 60 | [Hz] 周波数変更 |
| トルクブースト | F172 | 4.4 | 4.5 | [%] |
| モーター定格電流 | F415 | 8.9 | 7.6 | [A] |
| 無負荷電流 | F416 | 49 | 50 | [%] |
製作したインバーター周辺の機器
市販の産業用インバーターに2P2Eの20Aブレーカーと三相20Aアース付きコンセントと運転停止用のスイッチを取り付けました。このスイッチは端子台のCCとFに配線します。この電線は電話工事用の単線を使用しました。このスイッチはショートで「運転」開放で「停止」となります。
運転する時は、出力のコンセントに籾摺り機の電源プラグを挿入して、籾摺り機側の電源スイッチは入れておきます。ブレーカーのスイッチを入れて、最後に追加した運転スイッチを入れます。停止する時はこの追加したスイッチを切ります。
注意事項
力率改善用のコンデンサを使ってはいけません。
インバーターを運転中にモーターのスイッチを操作してはいけません。
使用した感想
本体は W=117 H=142 D=155 で非常に小さいので、大丈夫なのかと思いましたが、うまく動作しました。モーターが起動すると0Hzから60Hzまで約10秒で滑らかに変化します。つまりモーターがソフトに起動する感じです。停止も同じく約10秒で徐々に速度が下がります。
モーターに過負荷がかかると、電子サーマル保護回路で保護されます。モーターが過負荷で停止するとすぐにインバーターが停止しました。
籾摺り機ではモーターの回転を落とす必要はないのですが、本体のVRによりモーターの回転は自由に変えられます。
まだまだ他にも色々な機能があるようですが、籾摺り機にはこれ以上は必要ないようです。とにかく安くうまく作る事ができて大満足です。長持ちしてくれれば言う事はないのですが。
