CS/BS全部屋受信のアイデア

CS放送やBS放送のチューナは全部屋にあるわけではなく、特にCSチューナはあっても1家に1台ではないでしょうか。これを各部屋で見ようとするとチューナを増やすしかなく、一般的ではありませんし費用もかかります。1台しかないBS,CSチューナーを家庭内の全部屋で見る方法を解説。

受信システムの概要と注意事項

地球の絵

私は比較的安価に、1台しかないCS(BS)チューナで全部屋で見えるようにしました。つまり、CS(BS)チューナのビデオと音声信号で変調してテレビのUHFチャンネルに変換し、再び アンテナシステム楽天 に混合する方法を考えました。

UHF信号をそのままアンテナで飛ばせば良いのではないかと、思われるかも知れません。やってみると解りますが、アンテナで飛ばしたのでは満足な映像は得られません。

このシステムのミソは減衰器(アッテネータ)を入れる事です。調整のコツは変調を深くしない事です。変調をかけすぎると、音声にブ~という音(バズ音という)が入ります。

くれぐれもブースターの入力に混合しないでください。出力が大き過ぎて全く使い物になりません。

応用として、VTRのない部屋でもVTRの映像を見ることも出来ます。

CS/BS全部屋受信のシステム図

CS/BS全部屋受信のシステム図

図の黄色部分が追加した部分です。
13CHと15CHの変調器はホームセンター等で4~5千円で売っている、VTRの信号をアンテナで飛ばして、他の部屋で見る用途の物です。現在はもう売っていないので入手はできません。

このアンテナ出力は約105~110dBμVありこのままでは出力が大き過ぎるのと、不要な信号が多く他のチャンネルに妨害を与えるので、20~30dBの減衰器を入れます。

混合器は2分配器を逆に使えば安くてこの用途には十分です。

テレビ用アナログ変調器

テレビ用変調器の写真

左の装置がUHFの13CHアナログ変調器です。これは元々北米向けの14CH変調器らしく、日本では13CHになります。

この変調器の高周波発振回路は水晶発信の為周波数が安定しています。13CH信号は右横にピンジャックで出ています。

右の装置はUHFの14CHと15CHの切替になっているので、15CHで使いました。14CHで使うと13CHと隣接するので、妨害がひどく使い物になりません。(残留側波帯方式ではなく、両側波が出ている為)

元々アンテナが付いていた所にF型接栓座を取り付けました。高周波回路は自励発振となっておりCHの微調整が必要です。

デジタル放送でこれを実現するには

これらは全てアナログ放送で放送するようになっていますので、アナログ放送を受信できる機器が無いと使うことができませんので注意してください。

このシステムをデジタルで実用化するには、デジタル放送用の機器が安く手に入らないと難しいと思います。あくまでも技術的な解説記事として読んでみてください。

テレビのアナログの簡易放送は比較的安価に作れるのでこのようなことができますが、デジタル放送では難しい気がします。