電子回路の温度補償
全ての部品は温度によってその値が変化するものです。抵抗のように回路を設計する上であまり温度のことを考えなくてもよい物もありますが、半導体のように特性が温度とは切り離せない物もあります。 回路設計 上、特に気を付けなくてはならない事は何でしょうか。
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ダイオードの温度特性と温度補償の例
一般的なシリコンダイオードやトランジスターのベースエミッタ間の順方向の電圧は約0.6〜0.7Vの電圧降下があります。またこの温度特性は一般に約マイナス2.6mV/度Cです。
一般的なツェナーダイオードの温度特性は5V程度の物を堺に、それより電圧が高くなる程、大きな正の温度特性を持っています。
このことから、正の温度特性を持ったツェナーダイオードの温度補償に負の温度特性を持ったダイオードを直列に接続するのはよく使う方法です。1個のダイオードで足りなければ2個3個と直列にします。この場合直列にしたダイオードにより、1個当たり約0.6〜0.7V電圧が上がるのを考慮する必要があります。
また5〜6Vのツェナーダイオードを直列にするのも温度特性を良くするのによく使う方法です。
トランジスターの温度補償の例
トランジスターの温度特性もベースエミッタ間はダイオードと同じく負の温度特性を持っています。この為ベースエミッタ間の順方向電圧は温度が上がると小さくなり、抵抗分割だけでベースにバイアスを加えていると、熱暴走を起こし易いものです。
これを防止する為、エミッタに抵抗を入れて直流負帰還を掛ける手法は一般的です。更に温度補償をする為に、ベースとアース間の抵抗に直列にダイオードを入れて、更にダイオードとトランジスターをくっつけて同じ温度にする手法も大変よく使う方法です。
回路自体を温度の影響を受けにくい差動増幅器にして、温度の問題から逃げるのは、ICの中ではよく使う方法です。
一般的なサーミスターは負の温度特性を持っており、これを使って温度補償をする方法もありますが、回路全体の温度補償ではよく使う方法です。
LC共振回路の温度補償の例
発振回路等のLC共振回路では、一般的にコイルは正の温度特性を持っています。コンデンサの温度特性が0なら、回路全体では正の温度特性になります。コンデンサの温度特性は様々な物が作られているので、コイルの温度特性を打ち消すように負の温度特性の物を使うのが一般的です。
発振回路では外付のLCの値だけで発振周波数が決まるわけではないので、回路自体を周波数が安定な回路にして、回路全体の温度特性を測定して温度補償をするのが一般的です。また回路全体を恒温槽に入れるのもよく使う方法です。
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電解コンデンサの温度特性による温度補償の例
電解コンデンサはとても温度特性が悪い部品のひとつです。アルミ電解コンデンサに使われている電解液の粘度が温度に依存するので、電気伝導度は温度により大きく変化します。特に低温の場合は電気伝導度が低下して等価直列抵抗(ESR)が増大して静電容量が大きく低下します。
この温度の低下を考慮して十分大きい容量の電解コンデンサを使用するのが一般的ですが、容量を大きくすると問題がある場合もあります。このような場合、電解コンデンサを使用しない手もあります。
どうしても電解コンデンサを使用する場合、温度の低下で問題となる症状をサーミスター等を電子回路に使用して、その症状を抑えることもあります。このへんは設計技術者のアイデアの見せ所です。
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