浄化槽エアーポンプのばっ気量低減器の製作

  浄化槽のエアーポンプ の出力は一般的には一定で、ばっ気量を下げる為にはエアーの逃し弁を取り付けるかインバーター制御装置を取り付けるかトランス等で電圧を下げるかしかありません。いずれにしても簡単にはできなかったり消費電力が小さくならなかったりします。
 全ばっ気式単独浄化槽のばっ気量が適当でないと、スカムの量が過大となったり、臭いがしたりします。水温によってもばっ気の適正量は変わります。
 私は簡単な方法でかつ消費電力も下がる方法を、2000年頃から単独浄化槽に使用していますので紹介します。これにより浄化槽の管理が楽にできるようになりました。エアーポンプはナショナルのCL2329(ダイアフラム式、空気量40リットル/分、40W)ですが、他の機種でも考え方は同じです。
 浄化槽用のエアーポンプに限らず電圧を下げる事で、出力を小さくしても問題無い電気製品にはこの方法を応用する事が可能です。力率が1の抵抗負荷には何の問題も無いでしょう。但し、コンデンサの耐圧と電流容量に注意してください。
2003.12.09


スポンサード リンク


浄化槽エアーポンプのばっ気量低減器の材料と製作方法

 この写真がその装置です。4μF200V、6μF200V、8μF200Vのコンデンサ各1個と330kΩ1/4W抵抗1個とスイッチ1個とコードコネクタで作りました。
 6μFと8μFと330kΩとを並列にして14μFのコンデンサを作ります。スイッチと4μFを直列にして更に14μFのコンデンサに並列に接続します。
 次にコードコネクタを取り付けるだけです。要するに浄化槽のエアーポンプに直列にコンデンサを取り付けて動作させるだけです。コンデンサの容量を切替える為にスイッチを付けるのです。
 これで14μFと18μFに切替えられます。抵抗はこの装置を外した時のコンデンサに貯まった電荷の放電用です。

バッキ量低減(消費電力低減)の理論

R,L,C直列回路のインピーダンス
 ダイアフラム式の浄化槽のエアーポンプの電気的な回路はコイルのインダクタンスが主で小さい抵抗分が直列に入っているものとみなす事ができます。これに直列にコンデンサを接続して消費電力を低減しようと計画しました。
 左の複素インピーダンス図で抵抗Rの抵抗分は赤色のベクトルOAとします。コイルのリアクタンス分は青色の +jωL でベクトルABに相当します。従ってこのエアーポンプの交流の抵抗(インピーダンス)はベクトルOBの長さに相当します。(力率はcosΦ1)
 このエアーポンプに直列に接続したコンデンサのリアクタンスは緑色の -j(1/ωL) でベクトルBDの長さに相当して負の値を持っています。これを直列に接続すると O-A-B-D のベクトルとなり総合で ベクトルODの長さに相当するインピーダンスになります。(総合の力率はcosΦ2)
 気をつけなければならないのは、直列に接続したコンデンサのリアクタンスとコイルのリアクタンスの絶対値が近い時です。この時リアクタンス分が相殺され共振現象が起こり、抵抗分のみになり過大な電流が流れる事です。
(ω=2πf  f は周波数です)


スポンサード リンク




エアーポンプに取り付けた状態

 全体にビニルテープを巻いて絶縁します。写真のようにエアーポンプと電源の間にこの装置を取り付けます。

 ダイアフラム式のエアーポンプは交流の電磁石でダイアフラムというゴムの膜を動かして弁の働きでポンプとして動かしています。回路的にはコイルのようなもので、インダクタンス分が多く電流位相は電圧位相に比べて遅れています。
 直列にコイルを入れるのが一般的ですが、コイルを入れるのは簡単ではないので、直列に容量の小さいコンデンサを入れることで、全体の回路を容量性(キャパシティブ)にしてしまいます。電流位相は電圧に比べて進みます。またコンデンサは電力を消費しません。


変更前後の動作測定
  電源電圧 電源電流 皮相電力 力率 消費電力 エアーポンプ電圧
変更前 102V 1.37A 140W 0.29 40W 102V
直列コンデンサ18μF 102V 1.02A 104W 0.22 22W 79V
直列コンデンサ14μF 102V 0.65A 66W 0.15 10W 51V
測定器 METEX M-3860M 電力計として使用

注意事項

 コンデンサの容量はエアーポンプの機種によって変更して下さい。容量の小さ目のコンデンサで実験してから容量を決定して下さい。コンデンサを大きくし過ぎると、コンデンサとエアーポンプのコイル分(インダクタンス分)で共振を起こして、過大な電流が流れる可能性があります。
 適当なコンデンサがないからとコンデンサを直列にして作るのはやめて下さい。もし一つのコンデンサがショートした時にコンデンサの容量が大きくなって上記のようになることがあります。




振幅変調波形
as76.netはインターネットの利用者へ有益な情報を提供することで世の中に貢献するように努力しています。

スポンサード リンク