漏電ブレーカーが落ちる原因とその修理方法
台風が来た時や雷が鳴って大雨が降った時などに、分電盤の漏電ブレーカーが落ちて、家中の電気の供給が止まってしまうことがあります。この時、あわてずに冷静に対処する方法を知っておくと便利です。漏電ブレーカーが落ちる原因と修理方法の解説です。
漏電ブレーカーが落ちるのは不定期でいつ落ちるかわかりません。台風が来た時や雷が近所に落ちた時など、夜中や休日に落ちることがあります。
自分では復旧させることができないと思っていませんか。下記の手順通りにやれば、素人でもとりあえず電気が使えるようにできます。知っておいても損はないでしょう。
漏電ブレーカーとは
漏電ブレーカー(漏電しゃ断器)は、電気の配線や電気製品が漏電して大地に電流が流れて行った時(地絡という)、電気の供給を自動的に遮断して、感電や火災を防止するものです。
家庭用の一般的な漏電ブレーカーは、分電盤の主幹ブレーカーと共用になっている場合が多く、一般的には分電盤の左部分や上側に付いています。
電力会社によっては、主幹ブレーカーと漏電ブレーカーが別になっている場合もあります。ご自分の家の分電盤がどのようになっているのかを一度確認しておきましょう。
どこに分電盤があるのか知らないというのは論外です。いざという時、困らないように日頃から調べておきましょう。
家庭によっては2箇所などの複数箇所に分電盤がある例もあります。また、分電盤とは別に主幹ブレーカーや漏電ブレーカーが配置されていることもあります。
漏電ブレーカーには、テスト用の赤いボタンが付いています。また、漏電表示用の黄色いボタンが付いているのが一般的です。
漏電ブレーカーが落ちる(切れる)原因
漏電ブレーカーが落ちる原因は次のように様々な原因が考えられます。これが時々しか起こらないこともあり、専門家でも修理に手間取る場合があります。
- 電気機器のどこかで漏電している
- 洗濯機やエアコンなどの電気製品そのものが故障などで漏電している場合があります。コンセントから電気製品を外すか修理します。
- 電気配線が漏電している
- 電気機器は漏電していなくても、電気の配線や屋外コンセントなどに雨などがかかって、漏電している場合があります。
- 雷などで漏電ブレーカーが誤動作
- 雷が鳴った後に、漏電ブレーカーが落ちて、その後何ともない場合は、漏電ブレーカーの誤動作が考えられます。
- 漏電ブレーカーの故障
- 漏電ブレーカー楽天 そのものが故障している場合です。古い漏電ブレーカーでは、普段は何事も無いのに時々落ちる場合があります。この場合は漏電ブレーカーを交換します。
漏電ブレーカーが落ちた時の対処方法(修理方法)
漏電ブレーカーが落ちた時は、あわてずに対処しましょう。素人でも、次のようなことを行えば、修理するまでに電気を使うことができます。
1、漏電箇所のブレーカーを特定します
まず、全てのブレーカーのスイッチを落とします。つまり、レバーを下に下げます。次に、主幹のブレーカー(メインブレーカー)がある場合はこれと、漏電ブレーカーのレバーを上げます。この場合は、まだ各コンセントに電気は来ていない状態です。
漏電した場合に作動した漏電ブレーカーは、レバーを一度下に下げてから上に上げないと、動作しないものもありますので注意してください。このような場合は、ただ、上に上げただけでは電気は入りません。
次に右側や下のたくさんあるブレーカーのレバーを順番に1個ずつ状態を確認しながら上げていきます。もし、漏電ブレーカーが落ちたら、最後に上げたブレーカーによって供給されている部分が漏電していることになります。そのブレーカーの位置を覚えておきます。
2、特定された漏電箇所を除いて電源を入れて使います
次に、今入れた右側のブレーカーのレバーを全て下に降ろしてやります。そして、今切れた漏電ブレーカーのレバーを上に上げます。この順番が重要ですので、この通りに操作してください。
次に、先程覚えておいた、ブレーカー以外のブレーカーのレバーを上に上げて電源を供給します。つまり、漏電していない機器の電源を入れてやります。
漏電している箇所は、今、電気が来ていないところです。どの部屋に電気が来ていないかを確認します。その部屋のすべての家電製品のコードをコンセントから抜きます。
最後に、漏電している箇所のブレーカーを上に上げて電源を供給してみます。何事も無ければ、今、コンセントから外れている機器のどれかが漏電していることになりますので、それらの電気製品を点検修理します。
もし、ここで、漏電ブレーカーが働けば、2に戻って、漏電箇所のブレーカーだけ電源を供給しないようにして、電気工事店に連絡します。この場合は、配線や、コンセントから外せない機器の漏電や漏電ブレーカーそのものの故障が考えられます。
分電盤のブレーカー操作の順番が重要な理由
最近、一般家庭によく使われている単相3線式200Vの配線では、家庭内で100Vと200Vの機器を簡単に使うことができるようになっています。
専門的な話になりますが、単相3線式の中性線(黒、白、赤の配線の中で、白色の配線で、電位がアースと同じ配線)は、とても重要で、中性線が一瞬でも断線状態になると、100Vの機器に100V以上の電圧が掛かることがあります。
主幹ブレーカーや漏電ブレーカーが新しいうちは、まず問題はありませんが、これらの機器が少し古くなってくると、このスイッチの入り切りを操作した時、3本の配線のON,OFFの順番がうまくいかなくなることがあります。そうなると、一瞬、中性線が断線状態になることがあるのです。
実際の漏電ブレーカーなどの操作の順番
もし、そのようになっても、問題のないように、上記のブレーカーなどの操作の順番が重要なのです。分電盤の右側の個々のブレーカーがONの状態で、主幹ブレーカーや漏電ブレーカーを操作してはいけません。漏電テストをする場合も、先に分電盤の右側の個々のブレーカーを全部OFFにしてから行なえば問題はありません。
電源を入れる時は、まず、個々のブレーカーを全てOFFにしておいてから、先に主幹ブレーカーや漏電ブレーカーをONにします。その後、個々のブレーカーをONにします。
不用意にブレーカーを操作すると、電気製品が壊れることがあります。漏電検査や電気工事の後、電気製品が壊れていた場合は、このことが起こっていた可能性があります。この事は電気工事屋さんでも知らない人が居ます。