エアコンのエアパージ方法(取り付け時)
エアコンを取り付ける時、配管パイプや室内機内のパイプの中の不要な空気を抜く必要があります。そうしないと空気や空気中の水分が冷媒の中に残り、エアコンの動作に悪い影響を与えます。長時間の使用でエアコンの寿命にも悪影響を及ぼします。
エアコンのエアパージ方法
セパレート型エアコンの新規取付け時や移設での取り付け時、配管内と室内機のパイプ内の空気と水分を追い出す方法です。エアパージとは配管内と室内機の空気などを追い出すことです。
真空ポンプを使う方法
エアパージには環境破壊を防ぐ為、 真空ポンプ楽天 方式を推奨します。
- エアコンの配管が済んだら、サービスポートにマニホールドの低圧側ホースを接続して、そのバルブを開けておきます。
- マニホールドの真ん中の黄色いホースを真空ポンプに接続します。
- 真空ポンプアダプタ一体型の真空ポンプ以外は、真空ポンプアダプターを真空ポンプに取り付けます。
- 真空ポンプを約15~20分間運転して配管内と室内機の中の空気と水分を抜きます。
- 圧力ゲージで-0.1MPaを確認します。
- マニホールドのバルブを閉めて、真空ポンプを停止します。その状態で約10分間放置して、真空状態をチェックします。(ゲージ圧力が変化しない事を確認します)
空気と水分を抜くだけなので、特に高真空にする必要はありません。電気式の真空ポンプでなくても、手動式の真空ポンプを使っても良いでしょう。この場合、真空乾燥の効果はあまり期待できません。
エアパージが終ったら真空ポンプとマニホールドを取り外してエアコンのバルブを開けます。
外部ガスで追い出す方法
外部のボンベガスで配管内の空気を追い出す方式です。昔はこの方式もよく使っていました。私の知り合いの業者は、R22の冷媒ガスの機種にR12の冷媒ガスでエアパージをしているのを見たことがあります。
やはり、R22の冷媒ガスの機種にはR22の冷媒ガスでエアパージをするのが正式なやり方でしょう。このやり方だと冷媒ガスが混ざってしまいます。
サービスポート(三方弁で通常太い方のパイプ側)にボンベを接続してガスを注入しながら、反対側のパイプ(二方弁で通常細い方)のフレアナットを緩めて空気を追い出します。
取付けの時、あらかじめこのパイプの フレアナット楽天 は締めずにおくと、締めたり緩めたりしなくて良い。何度もするとガス漏れの原因になります。
内部ガスで追い出す方法
エアコン内部に封入されている冷媒ガスで配管内の空気を追い出す方式です。現在、メーカーはこの方式を推奨していません。量販店で買った場合はたいていこの方式です。とにかく簡単ですからね。(移設のたびにこれをやるとガスが減ります)
エアコンを取り付けてから、サービスポートのついていない方(二方弁で細い配管側)のバルブに六角レンチを差し込み、90度バルブを開けて約6秒でバルブを閉めます。
サービスポート(三方弁で太い配管側)のムシを六角レンチ等で押して、配管内の空気を全部放出します。その後両方のバルブを開けます。
かつてはメーカーの推奨する方式でした。メーカーと機種によってはこの方法と少し違うかも知れませんが、大きな違いはないと思います。
エアパージする時の注意事項
- ゲージマニホールドバルブはその冷媒専用の物を使います。冷媒によって接続口の口径が違います。
- 真空ポンプは電動のものもありますが、エアパージに限っては手動のものも使えます。それ程高い真空度は必要ないということです。
- 真空ポンプアダプターは真空ポンプのオイルがチャージホースを通ってエアコン側に逆流しないようにするものです。必ず取り付けてください。
- サービスポートのキャップとバルブのキャップの増し締めを忘れないようにします。これを忘れると長い間にガスが漏れます。
エアパージをしないとどうなる
エアコンを取り付ける時、エアパージをしないエアコン取り付け業者が居るのを見たことが何回かあります。元々、電気工事業者がエアコンを取り付けている時それらを目撃しました。
聞いてみると、エアパージそのものを知らないようでした。今まで何回も取り付けしているが、不具合になったことがないとまで言いました。
確かにエアパージをしなくても、すぐに不具合は無いかも知れません。しかし、配管内に空気や湿気が残ってしまうのはあまり良い事ではありません。最初はわずかな性能の低下があるかも知れません。でも、ちょっと使ったり、見たところではわからないでしょう。
空気中の湿気や配管内の水分が、将来、キャピラリーチューブの詰まりや冷凍機オイルの劣化を招くことが考えられます。将来のエアコンの重大な故障や寿命に影響することがあるので、必ずエアパージをしてください。