エアコンの取付方法(取付位置と穴開けのコツ)
エアコンの室内機と室外機の取り付け位置や取付け方法はとても重要です。エアコンの取付け方が悪いと、効率が悪いばかりか、見栄えが悪かったり、使い勝手が悪かったり、メンテナンスに支障を来たすことがあります。取り付け位置を間違った場合、配管穴を開け直す必要があることもあり特に注意が必要です。
私は電器店を約30年経営してきました。エアコンも累計で数百台は取付けした経験があります。長年の経験を元にエアコン取付けのノウハウとコツを書いてみました。 DIY楽天 で取り付けたい方は参考にしてください。
エアコンの室内機の取付位置の決め方(取付方法)
エアコンを取り付けるには、エアコンが効率的に動作する事や取付後のメンテナンスを考えておく必要があります。取り付け位置が悪いと、エアコンの効きが悪かったり、電気を無駄に消費したり、保守や修理が簡単にできないことがあります。
この図は壁掛けエアコンの取付方法を示した図です。エアコンの取付板(背板)をまず壁に取付けてから指定位置に配管用の穴を開けます。
エアコンの左右にはメンテナンスの時、やりやすいようにスペースをあける必要があります。最低でも数cmの余裕を取りましょう。できれば、10cm以上の余裕があった方が良いと思います。エアコンの右側にはよく柱が来ることがあります。見えない柱や筋交いが、配管の穴に掛からないように注意しましょう。
エアコンの上側には取り付ける時、取付板に室内機を引っ掛ける為の余裕が必要です。最低でも3cmの余裕が必要となります。できれば、5cm以上の余裕があった方が良いでしょう。
室内機の下側もとても重要です。特に暖房では、温風が下に吹き出すので、下側にカーテンやタンスなどがあると効率が悪くなる原因になります。
また、下側には穴開けをするので、窓の上の木材や鉄骨に掛からないように注意して場所を選定してください。室内側だけでなく、室外側からも場所を確認してください。室内側からでは良いように見えても、室外側に障害物があることがあります。特に窓の庇(ひさし)などには注意してください。
エアコンの取付板(背板)の取付け方法
エアコンの取付板(背板)は水平に取付けます。もし、左側配管にする場合でも、エアコンの取付板は水平に取付けます。水準器を使って水平になるようにします。排水側を低くする人もありますが、水平の方が見栄えが良いと思います。
壁の下地が石膏ボードなどではビスが効かないので、石膏ボード用のアンカーなどを使用します。また、壁の下地にある木製の板などに止められる場合はこれを探して取付けます。上側や下側に木製部分がある場合などには金属製などの取付け桟を使って取付けます。
エアコンの配管用の穴開け方法
配管用の穴開けには 振動ドリル楽天 やハンマードリルが必要です。エアコンの室内機の取付板(背板)に付いている配管穴位置に合わせて、約φ65mmのエアコン用のコアビットで穴を開けます。
壁がコンクリートやコンクリートブロックで出来ている場合は、コンクリート用のドリルビットが必要になります。ALC壁ではALC用のビットがあった方が良いでしょう。
木造の家屋の場合、振動ドリルとエアコン一般用のコアビットを使って振動を掛けて内側から穴開けを行ないます。穴は水平ではなく、室外に向かって下がり勾配にします。
土壁の場合は、最後の穴開けは室内側からではなく、室外側から振動を掛けないで回転だけで行ないます。室内側からだけで穴開けをすると、外側の壁が落ちることがあります。
また、壁の中に鉄骨や配線などがあると、これを傷つけないように室内と室外の両方から穴開けが必要な場合があります。つまり、臨機応変に対応してください。
エアコンの穴に配管スリーブを取り付ける
配管用の穴開けが終わると、配管穴に配管スリーブを取付けます。これはとても重要なことです。配管スリーブが無いと、配線やドレンホースをネズミがかじったり、中空になっている壁の中の空気が室内に流れ込んだりすることがあります。
つまり、将来、エアコンが故障したり、効率が低下したり、希望の温度が得られない原因になることがあるのです。
配管スリーブはネジ式でガッチリと取付けられる構造のものが最良です。内側からだけ挿入したスリーブはスリーブが浮き上がったり外側にはみ出過ぎたりすることがあります。でも、これが無いよりはずっとましです。
室内機を壁に掛ける
室内機に内外接続ケーブルを接続してから、室内機を壁に掛けます。その前に、室外機側の銅パイプの先端にテープを巻いて、穴に配管を通す時、配管内にゴミなどが入らないようにしてください。
その後、接続する銅管のフレア加工をしてから、室内機と室外機とを接続します。ドレンホースも接続します。
エアコンの室外機の取付位置の決め方(取付方法)
エアコンの室外機の位置は、効率とメンテナンス性をよく考えて設置する必要があります。つまり通風の良い所を選ぶと共に、メンテナンス時に容易に室外機を分解できる所に設置すべきです。これをしないと、修理ができないことがあります。
室外機の設置場所は後々の為によく考えてください。通風が悪い位置に取り付けると最悪です。効率が悪いばかりか、温度上昇で故障する可能性があります。直射日光の影響よりも通風の良い所に取付けてください。
また、室外機の振動で騒音の原因にならないような場所に取り付けることも重要です。一旦取付けてから室外機の場所を変更するのは配管を変えたりする必要があり大変です。