エアコンの修理方法(インバーターエアコンの修理手順)

エアコンの修理は自己診断機能を活用して効率的に修理しましょう。インバーターの機種は故障箇所を特定するのが難しい場合があります。制御基板を交換するのが早道ですが、交換には費用と手間が掛かります。故障箇所をある程度診断できれば効率的に修理ができます。

故障箇所の診断手順

エアコンの故障と言っても、電源が来ていないものや、リモコンの故障や、室内機の故障からインバーター基板の故障までと様々です。初めに、どこが不具合なのかをよく観察しましょう。修理の基本は観察することが大切です。

電源が入るかどうか

エアコンの画像

まず、 コンセント楽天 にプラグを挿していないとか、ブレーカーが落ちていたとかは論外です。リモコンで電源が入るかどうかを確認しましょう。入らなければ、室内機単体でリモコン無しで操作をして電源が入るかどうかを確認します。

コンセントに電源が来ているのにエアコンの応急運転ボタンでもエアコンの電源が入らない場合は、室内機のヒューズや電源、制御基板や電源トランスなどの点検をします。

自己診断機能の活用

エアコンに電源が入れば、室内機と室外機の動作を確認しましょう。送風や冷房で室内機から風が出て来るかどうかを確認します。

冷房や暖房で設定温度を適当にして室外機のファンは回転するかどうか、コンプレッサーは回転しているかどうかを音と振動で確認します。

ランプの異常点滅がないかどうか、エラーコードが表示されていないかどうかを確認します。異常があれば、エアコンを自己診断モードにして、自己診断機能を使って診断しましょう。

自己診断結果、室内機の故障の場合

室内、室外機の通信異常などで、室内機を点検する場合です。まず、通信異常の場合は、室内機と室外機を接続している電線や室内機の端子板の温度ヒューズなどを点検します。通信異常だと室外機の故障も考えられます。

各種センサーやサーミスターの不具合の場合は、まずそのセンサー類やサーミスターを点検したり交換してみます。

制御基板は高価なので、最後に室内機の制御基板を交換します。その他に、室内ファンモーターの故障もよくあります。

自己診断結果、室外機の故障の場合

室内、室外機の通信異常などで、室外機を点検する場合です。まず、通信異常の場合は、室内機と室外機を接続している電線や室外機の端子板の温度ヒューズやタイムラグヒューズなどを点検します。

各種センサーやサーミスターの不具合の場合は、まずそのセンサー類やサーミスターを点検したり交換してみます。

インバーターを使った室外機の場合は、室外機の制御基板を交換する前に、各種の点検を行ないます。まず電源を入れた時や電源を入れて約3分後などに、室外機にAC100Vが一瞬でも印加されるかどうかを調べます。

次にこのAC100Vを倍電圧整流した後のDC280Vが出て来るかどうかを測定します。これは一瞬しか出て来ないことがあるので、テスターを電解コンデンサーなどの測定点に接続しておいてから電源を入れてみます。

危険!!電解コンデンサーのチャージ電圧に注意

インバーター式の室外機には、大型の電解コンデンサーにDC280Vが充電されていることがあるので、これをハンダゴテの抵抗などを使って放電しておいてください。万一素手で触るととても危険です。

トランジスターモジュールの導通テスト

どれも正常な場合は、 トランジスター楽天 モジュール(TRM)の道通テストをします。トランジスターモジュールのUVWとプラスやマイナス端子との間の導通テストをします。テスターのプラスマイナスを入れ替えて抵抗値を合計12回測定します。

この時、UVWとコンプレッサーへの接続と、プラス、マイナス端子の接続は外しておきます。UVWとプラスやマイナス端子間は電気的にダイオードとみなせます。UVW共ほぼ同じ抵抗値なら正常です。

トランジスターモジュール交換時の注意

トランジスターモジュールが不良の場合、トランジスターモジュールだけを交換するのは意味がありません。トランジスターモジュールが壊れる原因の多くは、室外制御基板の不良だからです。トランジスターモジュールを交換する時は、必ず室外制御基板も交換してください。これをしないと、交換しても、またトランジスターモジュールが壊れます。

室外制御基板の半田(ハンダ)点検

以上、全て正常な場合で、室外機が動作しない時は、制御基板の不良が考えられます。制御基板は高価なので、交換する前にハンダ付けで直るかどうかをやってみます。

制御基板のICやトランジスターや抵抗やコネクターなどの背の高い部品を中心に、再半田を行ないます。ハンダゴテの温度を十分上げてから半田を盛っていきます。パワー切り替えのハンダゴテで十分温度を上げてやるのがミソです。

室外制御基板の交換

最後に室外制御基板を交換します。このように色々と点検をする手間が勿体ないと思う人は、費用が掛かっても最初から室外制御基板を交換する方法もありますが、必ず直るというものでもありません。

上記以外の故障の場合

これでも直らない場合は、コンプレッサーの故障や冷媒ガスの過不足やキャピラリーチューブの詰まりや四方弁などの故障があります。水漏れや室外ファンモーターの故障もよくあります。