ストレッチで血管年齢を若返らせる

ストレッチをすると血管年齢が若返るというのは信じられますか。ストレッチをすると筋肉の線維芽細胞が活性化され、そしてコラーゲンの糖化が改善されて、血管が若返るらしい。体のストレッチを約半年間続けると血管年齢が平均で約10歳若返るそうです。



血管年齢はコラーゲンの糖化と関係があります

血管の動脈が硬化するのは、血管を作っている コラーゲン楽天 が糖化することが原因のひとつだそうです。コラーゲンとは本来は柔らかいものです。コラーゲンに糖が加わるとコラーゲンは糖化して硬くなります。これが血管の老化(動脈硬化)です。

一般的に、体の老化の犯人は、AGE(終末糖化産物)という物質です。年齢を経ると、皮膚や筋肉や血管にAGEと呼ばれる物質がたまってきます。AGEは皮膚や筋肉や血管の弾力性の低下の原因と考えられています。

AGEの発見とAGEの生成

AGEは1912年にフランスの生物学者の、ルイ・カミーユ・マイヤール博士が見つけました。AGEとは、Advanced Glycation End-productsの略語です。日本語では、「終末糖化産物」と呼びます。

老化物質のAGEは糖がコラーゲンと結びついて、時間と共にできます。コラーゲンは細胞と細胞とをつなぐ接着剤の役目をしています。コラーゲンが多くある所は、骨や内臓や血管や皮膚です。

血糖値(糖尿病)と糖化反応

糖尿病のように血糖値が高い場合は、糖化反応が加速します。糖尿病は万病の元と呼ばれるように、動脈硬化や白内障、腎臓病、心臓病等、様々な病気の元になっています。糖尿病は、全身の老化を加速させますので注意が必要です。

ストレッチで血管年齢を改善できます(若返り)

ストレッチのイラスト

体が硬い人と血管年齢が高い人は相関関係があるらしい。体の柔らかさは筋肉や血管の柔らかさと同じだそうです。体が硬い原因の一つが筋肉のコラーゲンの糖化だそうです。血管のコラーゲンが糖化して動脈硬化になります。

線維芽細胞というのはコラーゲンを作る特殊な細胞です。線維芽細胞が活性化すると、糖化されたコラーゲンを壊して、新しいコラーゲンが多く作られていきます。

線維芽細胞を活性化させるには、それに過度な刺激を与えればいいのです。それには、ストレッチをして筋肉を伸ばすことが重要になります。つまりストレッチをくり返すことで、柔軟性のあるコラーゲンを増やすことができます。また、ストレッチによって、血管内皮細胞から血管を柔らかくする一酸化窒素が出ることで血管を若返らせるのです。

血管年齢若返りのストレッチ方法

国立健康・栄養研究所 宮地元彦先生による血管年齢を若返らせるストレッチのやり方を簡単に説明します。体のストレッチを約半年続けると血管年齢が平均で約10歳若返るそうです。注意事項としては呼吸を止めないでゆっくりやることです。入浴後や就寝前やるのが良いのかも知れません。

大腿四頭筋(太ももの筋肉)のストレッチ
両足を伸ばして床に座ります。片足を曲げて、かかとをお尻の近くにもっていきます。そのまま、体を後ろに少し倒すようにします。これを約30秒間行ないます。
大臀筋(尻の筋肉)のストレッチ
両足を伸ばして床に座ります。左足を曲げて右足と交差させます。左膝を右ひじで押さえるようにして、体を左に回転させます。そのまま約30秒間静止します。右足も同じように行ないます。
腹直筋(腹筋)のストレッチ
床にうつ伏せに寝ます。両腕を立てて背中を後ろへそらせます。そのまま約30秒間静止します。

呼吸筋のストレッチ方法

昭和大学医学部教授 本間生夫先生による呼吸筋に効果があるストレッチのやり方を簡単に説明します。これをすると、呼吸筋ストレッチの効果で副交感神経が優位になり、血管が拡張して、手足が温まって、リラックス効果もあります。

まず、肩のウォーミングアップをします。両足をほぼ肩幅に広げて立ち、膝を少し曲げ気味にして、背筋を伸ばします。鼻で息を吸いながら、肩をゆっくり上げます。口からゆっくりと息を吐きながら、肩を後ろに回して降ろします。

吸う筋肉のストレッチ
胸の前で両手を組むように繋ぎます。鼻で息を吸いながら、背中を丸めて大きなボールを抱えていると想像しながら腕を前に出します。次に、口からゆっくりと息を吐きながら、両手を胸に戻します。
吐く筋肉のストレッチ
片方の手を頭の後ろに当てて、もう一方の手を腰に当てます。鼻でゆっくりと息を吸います。次に、口から息を吐きながら、ゆっくりと頭の後ろにある方の肘を上に突き上げます。手を反対にして同様に行ないます。

ストレッチの効果

上記のようにストレッチをするだけで、高血圧や動脈硬化、どうき、息切れや手足の冷えなどを改善できるようです。要するにラジオ体操や普段の適度な運動にストレッチを加えれば良いということですね。