食道がんと飲酒の関係

食道がんは特に飲酒と関係が深いようです。同じ量の飲酒でも、人によって食道がんにかかるリスクが違います。それはアルコールとアセトアルデヒドの分解速度の違いだったのです。NHKのためしてガッテンで放送していました。



食道がんの特徴

酒用の徳利の写真

食道がんは発見しにくいガンのひとつです。造影剤を使った X線検査楽天 では、食道がんの患部の凹凸が少ないので、とても見つかりにくいのです。

食道がんの主な原因はアルコールから分解されてできたアセトアルデヒドです。肝臓で作られた発がん性のアセトアルデヒドは、血管を通って全身に回ります。健康な普通の人の臓器は、酵素の働きで細胞は常に守られています。しかし、食道はこの酵素の働きが元々弱いので、アセトアルデヒドによってガンになりやすいのです。

人によって違う食道がんのリスク

今までは、アセトアルデヒドの分解が遅い人が酒に弱くて、食道がんのリスクも高いと思われていましたが、最近、アルコールの分解が遅い人が居ることがわかってきました。(日本人の約7パーセント)

アルコールとアセトアルデヒドの両方の分解が速い人

俗に言う酒豪や酒に強い人です。酒を飲んでも顔色が変わらず、いくらでも飲めます。このような人の食道がんのリスクは14倍だそうです。日本人の約50パーセントの人が該当します。

アセトアルデヒドの分解だけが遅い人

遺伝によって肝臓でのアセトアルデヒドの分解が遅い人がいます。普通の人が1合の酒を毎日飲み続けた場合の食道がんのリスクを1とすると、このような人が3合以上の酒を毎日飲み続けたときのリスクは77倍になるそうです。

このタイプの人は、飲むとすぐに顔が赤くなって酒の飲めない人です。日本人の約40パーセントの人が該当します。私はこのタイプです。

アルコールの分解だけが遅い人

アルコールの分解が遅いけど、アセトアルデヒドの分解は速い人です。口内細菌が作りだすアセトアルデヒド影響があります。特徴は、酒を飲んでも顔色が変わらなかったり、翌日も酒の臭いがきつかったりします。このような人の食道がんのリスクは56倍だそうです。日本人の約4パーセントの人が該当します。

アルコールとアセトアルデヒドの両方の分解が遅い人

肝臓でのアルコールの分解が遅いと、アルコールが血液中を流れて唾液にも含まれるようになります。そして、口内細菌によってアセトアルデヒドが作られてこれが食道に影響するのです。

それだけではなく、肝臓では、アルコールがアセトアルデヒドに変化しています。このアセトアルデヒドの分解も遅いので、体内にアセトアルデヒドが残る時間が長くなるのです。このような人の食道がんのリスクは414倍だそうです。

このような人の特徴は、酒を飲んでも顔色が変わらなかったり、翌日も酒の臭いがきつかったりします。酒を飲み始めた頃は赤くなっていたけれども、今は酒に強いという人に多いそうです。日本人の約3パーセントの人が該当します。

食道がんの早期発見方法

最近、早期に食道がんを発見する方法が見つかりました。それは、ヨウ素液を使った検査方法です。内視鏡検査でヨウ素液を食道に付けると、早期がんの箇所がはっきりと見えるようになるのです。

食道がんは、自覚症状があまり無い病気です。胸がしみたり、飲み込む時に違和感がある人は、早めに専門医にかかることをお勧めします。特に、アルコールとアセトアルデヒドの両方の分解が遅い人は、ヨウ素液を使った検査方法で定期的に検査する事をお勧めします。

中年以降の人で飲酒も喫煙もする人は、特にガンのリスクが高いので注意が必要です。早期に専門医にかかって、最新の検査を受けてください。

食道がんを予防するには

とにかく酒を飲まないことです。食道がんに限らず、酒の飲み過ぎは身体に良いことはありません。また、タバコも吸わないことがガンの予防には最も大切な事です。特に酒に強い人が毎日酒を3合飲むだけでも食道がんのリスクは14倍以上になるのです。