平衡給電線(平行フィーダー)の特徴と使い方
アンテナの給電線には同軸ケーブルと平衡型フィーダーがあります。平衡型フィーダーの種類は主に、「リボンフィーダー」や「めがねフィーダー」や「はしごフィーダー」などです。一般的に平衡型フィーダーは低損失ですが周囲の影響を受ける為あまり使われていません。
平衡給電線の特徴
平衡給電線(平行フィーダー)は、2本の平行に配置された給電線のことです。2本の給電線だけでは電線を支持できないので、電線を支持したり絶縁したりする材料で覆われています。
平衡給電線は一般的に低損失ですが、外部からの電磁波の影響を受けたり、外部に電磁波を放射したりする欠点があるので、最近はあまり使われなくなりました。
平衡型フィーダーの種類
平衡型フィーダーには、主に、「リボンフィーダー」や「めがねフィーダー」や「はしごフィーダー」などの種類があります。平衡型フィーダーの特徴として、フィーダーの外部にも電界が発生するのでフィーダーの周辺にある物体やフィーダーの表面の水分などの影響により特性が変化しやすい欠点があります。しかし、うまく使えば一般的には低損失な伝送が可能なケーブルです。
リボンフィーダー
この写真のようなリボンフィーダーは、2本の導線を軟質ポリエチレンで平行になるように保持したものです。
古くからVHF帯のテレビ受信用によく 使われました。特性インピーダンスは約300Ωです。耐候性はあまりなく、短期間でボロボロになりました。
めがねフィーダー(メガネフィーダー)
この写真のようなメガネフィーダーは、2本の導線の周囲を発泡ポリエチレンなどで覆って、更に軟質ポリエチレンで平行になるように保持したものです。
リボンフィーダーより太くて硬くて特性が安定しているので、UHF帯のテレビ受信用によく使われました。特性インピーダンスは約200Ωです。
はしごフィーダー(梯子フィーダー)
はしごフィーダーは2本の導線をプラスチックや割り箸などの絶縁物によって一定間隔に保持したもので、アマチュア無線などでよく使われていました。現在はあまり使われていないと思います。
特性インピーダンスは約600Ωのものが一般的で、定在波の乗った同調型のフィーダーとしてよく使われていました。見た目がちょうど梯子のように見えることからこの名前がつきました。
平衡型フィーダーの使い方と注意事項
基本的に平衡型フィーダーは低損失なので、 アマチュア無線楽天 や業務用無線の大電力用のケーブルとして長年よく使われてきました。しかし、最近は、良質で低損失な同軸ケーブルが安価に入手できるようになったので、次第に平衡型フィーダーは使われなくなってきました。
この平衡型フィーダーは平行線の周囲の影響を受けます。フィーダーの周囲に何も無い状態で使うことを基本としているので、フィーダーを支持する物やその材質には注意が必要です。
損失を少なくするには、「リボンフィーダー」や「めがねフィーダー」の場合、壁や柱などに線を固定する時に金具などを使ってはいけません。また、壁や柱は金属製のものでは取付けられません。
テレビ用の300Ωリボンフィーダー線の用途
昔よく使われたテレビ受信用のフィーダー線の特性インピーダンスは300Ωでした。折返しダイポールアンテナのインピーダンスが300Ωであり、この給電線としてよく使われていました。
FMラジオ放送の室内受信用やアマチュア無線の簡易アンテナとして、折り返しダイポールアンテナはよく使われました。この場合、エレメントもフィーダーも300Ωのリボンフィーダーを使いました。