電波の人体や電子機器などへの影響

放送や携帯電話などの電波が人体や電子機器に与える影響について研究が進んでいますが、現在は特に大きな問題は無いようです。これは大電力の電波は人の居ない所で行なわれているのと、最近の電子機器の性能向上が主な理由です。

大出力の送信電波は人体に対して大丈夫か

テレビ送信用のアンテナの例

電波には、放送局やレーダーや電子レンジで使われている電波など大電力のものがあります。もし、電波を多量に浴びれば電波による発熱作用で人体に対して何らかの影響が考えられます。

また、携帯電話は頭の近くで使用することが多いので、あまり良くないとも言われています。

でも、電子レンジは密閉された中だけで使用されるものですし、放送の送信所のアンテナやレーダーのアンテナは人の近づく所では使用されませんので、まず問題はありません。また、ラジオの送信アンテナなどに使われる低い周波数では電波による発熱の問題はあまりありません。

しかし、弱い電波でも長時間浴び続ければ体に良くないのではないかとも言われています。が、現在ではこれによる悪影響の研究報告は無いようです。

無闇に電磁波を怖れる人がありますが、微弱な電波や低い周波数の電磁波を怖れる必要はありません。これらは人体にはほとんど影響はありません。

送信アンテナからの距離と電波の強さ

電波の強さは、送信アンテナからの距離の2乗に反比例します。この為、アンテナから距離がある程度離れると、電波の影響は急激に減少します。気象観測用のレーダーや大電力のテレビの送信アンテナは高い所にあり、人が近づくことができません。

しかし、満員電車の中での携帯電話や、電話中の携帯電話などでは、送信出力が大きくて身体に密着しているので問題になることがあります。

医療機器に対する電波の影響

病院内で医療関係者が使っている PHS楽天 は医療機器に対して影響しないとされています。これは、PHSの出力が10mW程度と小さいので影響が少ないのです。

しかし、病院内では過去に携帯電話の使用が禁止されていました。しかし、現在では規制が甘くなっています。これは、医療機器の性能が向上して外部の電波の影響を受けにくく改良されたからです。でも、集中治療室などでは、万一の為に、現在でも携帯電話の電源を切るように指導されています。

ペースメーカーに対する電波の影響

電車内では、ペースメーカーを使っている人への配慮から、携帯電話の電源を切るように言われていましたが、最近はあまり言われなくなりました。これも、ペースメーカーの性能が向上して外部の電波の影響を受けにくく改良されたものと思います。

でも、満員電車の中では、携帯電話が他人と直接接触する機会が増えるので、電源を切った方が良いでしょう。実際に電源まで切る人はあまり居ないので、特に古いペースメーカーを使っている人は気をつけた方が良いかも知れません。

飛行機内での電子機器の利用

飛行機に搭乗するときは携帯電話や電子機器の電源を切るように指導があります。これは飛行機に使っている電子機器や無線通信に影響する可能性があるからです。

飛行機で使用する周波数と携帯電話で使う周波数は違いますが、携帯電話は比較的大電力で送信されていて、近接距離の場合は管制などに悪影響を与える可能性があります。

しかし、最近飛行機に乗ると、電子機器の使用は離着陸時のみに制限されているようです。これも、各種の通信機器の性能が向上した為と思われます。