電気店逸話2

業務中に起こった面白い話やエピソードなどを集めたものです。電気店でお客様と接すると千差万別の対応が求められます。つまり、個性のあるお客様がいらっしゃるからです。私も貴重な経験をさせて頂きました。読んでみてください。

近くなのに宅急便を送るお客様あり

宅急便を送るお客様が来店された。送り状を書いていただいた。よく見ると配達先はあまり遠くない県内です。時々嫁に行かれた娘さんが来られているので「来られた時に持って帰っていただいたら如何ですか」と言うと、「実は嫁に行った先の家には宅急便がめったに来ないので、近所の手前、肩身の狭い想いをしてはと送るのです」との事。そういう事情もあるんですね。

またある日には、送り先が500メートル程先の事がありました。宅急便を持って来られお客様は車で来られたので、持って行けば3分もかからないでしょう。何か事情があるのでしょう。事情は聞きませんでした。(2002年5月)

エアコンの室外機が凍りつくと電話あり

エアコンの画像

行ってみると確かに室外機に霜がいっぱい付いています。さては四方弁の動作不良かと、電気的と機械的な動作を確認すると問題なく動作して、霜取りも出来ます。

これは室内機の動作がおかしいと、室内側にまわってみました。動作ランプ等はすべて正常です。内部を開けてみようとして、ビスを外そうとすると、片側のビスの化粧カバーが見当たりません。取れてしまったのかなあと思って見回すと、なんと、その小さいカバーが応急運転のスイッチの穴に突っ込んであります。

何かの拍子に取れたビスの化粧カバーをお客さんが見て、どこに付いていた物だろうと考えて付けたらしいのです。たまたま丁度寸法が合い、うまく入ったみたいです。

こういう故障もあるんですねえ。お客さんは何をするか解りません。製品を設計する人は心してほしいものです。(2002年1月)

早朝銀杏拾いで鉢合せ

電気店には関係ない話ですが、私は銀杏が好きで、毎年銀杏の落ちる季節になると近所の神社によく拾いに行きます。

朝早く行く事が多く、夜中に風の吹いた日の朝には沢山落ちています。ある日、夜が明けてすぐに行ってみると、ほとんど落ちていません。

さてはもっと早い人が拾っているなと思い、次の日まだ暗いうちから懐中電灯を持って行ってみました。今日はいないだろうと思ったのに、行ってみるともう懐中電灯を持った人が来ていました。これには私もびっくり、上には上がいるものです。おかしくて笑ってしまいました。

思い込みとは恐ろしい

ナショナルのエアコンが動作しないと70才代のおじいさんから電話がありました。

行ってみると、「はいこれが リモコン楽天 です」とリモコンを渡されました。リモコンで操作しても確かにエアコンはうんともすんともいわない。まずリモコンの赤外線が出ているかどうかを、自作のチェッカーでチェック。どうやら問題なさそう。次に本体の電源をチェックし、本体だけで応急運転するかチェック。ここも問題ない。

この時何気なくリモコンを見ると、DAIKINと書いてあります。何の事は無い、リモコンが本体と違っています。思い込んでしまうと、意外な落とし穴にはまるものです。

全自動洗濯機の壊し方を教えてほしいと電話

電話してこられた人は、修理には詳しい人です。(電子機器修理技術試験に合格)

何の為にするのかは聞きませんでした。直し方を教えてほしいというのは何度もありますが、壊し方を教えてほしいというのは初めてでした。

壊すといっても叩き壊すのではなく、簡単な方法で自然に不具合になったように壊すという意味です。教えてあげましたけど、その後どうなったのでしょうか。

難しいテレビの修理事例です

テレビはT社の29インチ、電源は入りますが、音も映像も出ないというもの。

技術的な話になりますが、水平ドライブ回路の電源電圧が出ていません。電源は115Vラインから4〜5Kオームの抵抗でドライブトランスの1次側に繋がっています。色々調べても納得がいきません。そこの回路の部品をすべてはずしても、電圧が上がりません。何とプリント基板の箔間でリークしているようです。箔間の抵抗値は数百オームでアースに落ちていました。プリント箔の代わりにリード線で配線して修理しましたが、こんな事は長年の修理でも初めての経験でした。

回路図通りで部品の故障でなくても故障は起こるという難しい修理でした。元々プリント基板のエッチング不良があり、長年の使用で基板が変形し、抵抗値が急激に下がったものと推定されます。

引っ越して来られてエアコンの取付依頼

エアコンを取り付けて代金を頂いて帰った夜に、ご主人が帰宅され店に電話してこられた。

「エアコンが傾いてついている。スグ直せ」と、すごい剣幕で、たいそうご立腹の様子です。

「エアコンは水平に付けました。これを家に合わせて付けると、水漏れします」と言うと、

「それでも、こんな付け方があるか」と、なかなか納得して頂けません。

この貸家は、床にボールを置くと転がって行く程、家が傾いているのです。長時間説明してやっと納得して頂けました。引っ越していらっしゃったばかりで、そんなに家が傾いているとは思っていらっしゃらないご様子でした。

エアコンが冷えないとの電話あり

室外機のファンは回っていますが、コンプレッサが回っていません。室外のインバータ基板とパワートランジスターの一体物の不良と判明。後日部品交換しても冷えません。ガス圧が低く、ガス不足です。

両方の故障が重なるのは不自然なので、お客様に確かめると、他店に見てもらったら直らないと言われたそうです。たぶんその店の人は、室外ファンが回っていたので、コンプレッサは動いていると思ったのではないでしょうか。低圧側の圧力が高いので、ガスが多いと勘違いし、ガスを抜いたのではないかと推定されます。

何ともいいかげんな修理をする店もあるものです。