ads.txtとは、その用途と作成と設置方法

ads.txtは偽造された広告枠の利用や不正な広告の販売を防止するために作られたのものです。このファイルにはそのドメインが許可している広告の詳細情報を記載しています。こうすることで正当なads.txtを参照して偽のサイトや広告を見抜くことができます。

ads.txtとは

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「ads.txt」という言葉を見聞きしたことがありますか。これは「アズテキスト」と読みますがどのようなものなのでしょうか。

ads.txtとは、偽造された広告枠の利用や不正な 広告楽天 の販売を防止するために作られたのものです。しかし、未だあまり普及していないので、ブログやホームページで広告を掲載されている皆さんは、この導入に慎重になっているのではないでしょうか。

ads.txtというのはサーバー上のドメインルートなどに置く単純なテキストファイルです。adsとはAuthorized Digital Sellersの略で、このファイルにはそのドメインのサイトが許可している広告の詳細情報を記載しています。サイトが公式に販売を許可している広告システムかどうかを明示することができます。

ads.txtの用途と機能(メリット)

偽装されたサイトや広告があると、広告を出す側からすると、偽のサイトや不正な広告に広告を出したり、広告料が無駄に支払われてしまうことも考えられます。また、偽装されたドメインに悪い評判がついて、広告市場で適切な評価が得られられなくなる可能性も考えられます。

ここで、正当なサイトのads.txtを参照することができれば、偽のサイトや広告を見抜くことができるので、このような被害を未然に防ぐことができます。

また正当なads.txtが簡単に参照できると、広告主は広告を安心して買い付けすることができるので、高単価で買い付けされる可能性もあるかもしれません。

ご自分の独自ドメインのサイトなら、ads.txtを設置するのは簡単なので、可能なら設置しておいた方が良いかも知れません。

ads.txtの作成方法

ads.txtファイルはテキスト(.txt)形式で作成し、ドメインのルートレベルに置きます。つまり、(https://example.com/ads.txt)に設置します。ここで「ルートドメイン」とは、独自のドメインだけのことであり、サブドメインはルートドメインとは見なされません。サブドメインで使用している広告もドメインルートのads.txtに記述します。

ads.txtファイルの各行が認定販売者1件に対応します。つまり、認定販売者が2件だと2行になります。各行には必須の情報フィールドが3種類、任意で記載できるフィールドが1種類あります。これらを半角のコンマ(,)で区切って記入します。

フィールド1(必須)広告配信システムのドメイン名

広告配信システムで決められているドメイン名を記述します。Googleアドセンスのサイト運営者のアカウントの場合、ドメイン名は「google.com」と決まっています。

フィールド2(必須)サイト運営者のアカウントID

サイト運営者のアカウントのIDを記述します。Googleアドセンスのサイト運営者のアカウントの場合はサイト運営者ID「pub-0000000000000000」を記述します。

フィールド3(必須)「DIRECT」や「RESELLER」

広告配信会社との契約関係のタイプを記述します。サイト運営者が広告会社と直接契約を結んでいる場合は、この値を「DIRECT」と指定します。サイト運営者がサブドメインなどで別の人に広告枠の再販を委託している場合は、この値を「RESELLER」と指定します。

フィールド4(省略可能)認証機関での識別ID

認証機関での識別IDを記述します。認証機関で広告システムを一意に識別するIDです。現在の認証機関はTrustworthy Accountability Group(TAG)であり、このフィールドにはTAG IDを指定します。Googleアドセンスのサイト運営者のアカウントの場合、TAG IDは「f08c47fec0942fa0」と決まっています。

ads.txtの例

ads.txtの作成方法などは、DFPのヘルプには「ads.txt で認定販売者を宣言する」として詳しく記載されています。また、アドセンスのヘルプページでは「自サイトの広告枠の認定販売者をads.txtで宣言する」として説明されています。グーグルアドセンスの例を示すと次のようになります。

google.com, pub-0000000000000000, DIRECT, f08c47fec0942fa0
google.com, pub-****************, RESELLER, f08c47fec0942fa0
subdomain=sub_example.example.jp
contact=https://example.jp/contact.htm

この1行目はグーグルと直接契約している場合のアドセンスIDの場合の例を記述しています。2行目はサブドメインを他人などに貸していて、他人のアドセンス広告を載せている場合などの例です。通常のアドセンス広告だけ掲載している場合は1行目だけで大丈夫です。

サブドメインがある場合は、3行目のようにサブドメインを指定して、サブドメインのルートにも別のads.txtを置いているのを知らせてください。

また、コンタクトレコードもあった方が良いかも知れません。問い合わせフォームのアドレスやメールアドレスを記述します。

設置方法

上記の方法で、エディタなどを使って作成したテキストファイル(半角英数のみのテキスト)にads.txtという名前を付けて保存します。日本語は全く使っていないので、文字コードの問題はありません。

これをFFFTPなどのファイル転送ソフトを使って、サーバーのドメインルートに転送します。ドメインルートにはrobots.txtやsitemap.xmlなどが既にあるので、間違えることはないと思います。

転送されたサブドメインに設置する場合

トップレベルドメインからサブドメインに転送設定がしてある場合は、サブドメインのルートにads.txtを設置します。転送がしていない場合は、前記のようにトップレベルドメインのルートにads.txtを設置します。つまり、

http://example.com/ads.txt

のように、ブラウザのアドレスバーに入力した時、

http://sub1.example.com/ads.txt

に転送してads.txtが表示されれば問題ありません。サブドメインがwwwであっても同様です。

無料ブログなどにアドセンス広告を表示している場合

SeesaaやA8netなどの無料ブログにアドセンス広告を付けていると、アドセンスの管理画面に

要注意 - AdSense サイト運営者 ID が含まれていない ads.txt ファイルがあります。収益に重大な影響が出ないよう、この問題を今すぐ修正してください

などと警告が表示されることがありました。(2017年10月12日頃)

SeesaaブログやA8netファンブログの場合は、SeesaaやA8netが設置したads.txtが設定されていました。そして、ads.txtに上記のようなブログ利用者のAdSense IDが含まれていなかったため、ご自分のAdSenseの管理画面で警告が表示されるようになっていました。ブログ運営者(利用者)はドメインルートにはアクセスできないので、どうすることもできませんでした。

その後、SeesaaブログとA8netファンブログについては、ads.txtが無いと広告が表示されないように変更されました。

アドセンスではads.txtに書かれていない広告を停止しています

ads.txt がサイトに存在していて、そのads.txt にアドセンスのサイト運営者IDが書かれていないと、サイトが公式に販売を許可している広告システムではないとみなして、アドセンス広告が表示されなくなりました。

つまり、グーグルAdWordsで、ads.txt にアドセンスのサイト運営者IDが書かれていないと、広告の入札が行なわれなくなりました。

ads.txtチェッカー

ads.txtファイルが問題なく設置できているかどうかをチェックしてくれる便利なサイトがあります。http://adstxt.adnxs.com/ です。ご自分のドメインを入力してチェックしてみてください。エラーが無ければOKです。これは、何日かキャッシュが表示されるようです。