双ループアンテナの特徴と製作

双ループアンテナ(双クワッドアンテナ)はアマチュア無線で使うだけでなく、テレビの地デジ放送の送信用としてもよく使われています。地上デジタル放送の受信用として自作することも可能です。給電点インピーダンスが約50Ωなので高利得で使いやすいアンテナです。

双ループアンテナの特徴

430MHz帯用双ループアンテナの写真 双ループアンテナの構造は、2組の1λループアンテナを2個 スタック楽天 にしたものと考えても良いでしょう。

ループの形は円形でも良いが、四角形でもかまいません。ループの給電点がエレメントの水平部分の中央になると水平偏波の電波を放射します。

1λループアンテナを2個スタックに使っているので、簡単な構造で高利得となります。ヘンテナというアンテナの元になったアンテナです。

この写真は、アマチュア無線の430MHz帯用の移動用のアンテナとして私が製作したものです。(この写真はエレメントだけです)

この中央部分に50Ωの同軸ケーブル(5D-FBなど)を接続するだけでうまく動作します。

双ループアンテナの製作(双クワッドアンテナ)

上の写真のように縦がλ/2、横がλ/4の寸法になっています。実際に作るには1λ(1波長)のクワッドアンテナを2個作って、それを上下に配置したものです。

材料はΦ1.6mmのステンレス線を使っています。もちろん、銅線でもかまいません。2個のクワッドアンテナを接続するには、電気工事用のリングスリーブを使っています。給電部にもリングスリーブを使ってハンダ付けが簡単にできるようにしています。

給電部とケーブルの接続方法

給電部には、50Ω系の5D-2Vや5D-FBなどの同軸ケーブルがそのまま使えます。バランを使いたい時は、Uバランなどを使ってください。

アンテナの支持は、このアンテナの中央部の上から下までは電気的に電界が零なので、真ん中で支持する構造の物なら何でも使えます。

金属製のパイプでも絶縁物のビニルパイプでもかまいませんが、ビニルパイプの方が簡単でしょう。給電点以外は電気的に絶縁しなくてもかまいません。

双ループアンテナのインピーダンス

1波長ループアンテナの給電点インピーダンスは約110Ωと言われています。水平偏波の1波長ループアンテナを更に上下に2段にスタックにしたものが双ループアンテナです。

これは1波長ループアンテナを2つ並列にしたものと考えられるので約55Ωと思われます。従って、50Ω系の同軸ケーブルでそのまま給電できます。

平衡・不平衡の問題はありますが、1波長ループアンテナにそのまま同軸ケーブルを接続するより整合がしっかりとしていますし、性能も良いので言う事無しです。

双ループアンテナの利得と指向性

1波長のクワッドアンテナやループアンテナの利得はダイポール比で2〜3dBなので、4〜5dB程度になるはずです。

また、指向性は上下にスタックになっているので、垂直方向の指向性が鋭くなるはずです。水平方向の指向性は半波長のダイポールとほぼ同じで8の字特性です。

双ループアンテナの応用例

テレビ用双ループアンテナの写真

双ループアンテナはアマチュア無線の人々が使うだけでなく、プロの世界でも、テレビ放送の電波の送信用アンテナとしてもよく使われています。

双ループの各エレメントを太くすれば広帯域で動作しますし、上記の構造のままで水平偏波のアンテナとなります。実際は、双ループアンテナを更に並列にスタックして高利得アンテナとして使っているようです。

水平偏波の地上デジタル放送の受信用としても問題なく使えます。自作することも可能で簡単に作れて高性能です。

この写真は矢掛の市街地の東に位置する茶臼山(海抜138.5m)の頂上にあるテレビの電波中継所のアンテナ群(矢掛東のテレビ中継放送用)です。

この送信アンテナはUHF48、50、56、58チャンネルの3Wの地上アナログ放送の電波を送信していました。

3面合成双ループアンテナの2段スタックです。現在は地上デジタル放送の中継所となっています。

撮影 2004.04.05、場所 小田郡矢掛町矢掛