給電線(ケーブル)の波長短縮率について

給電線などの波長短縮率がわからないと、Qマッチなどでケーブルの長さを決められないことがあります。電線メーカーからもケーブルの特性表が公表されていますが、ケーブルのおよその波長短縮率を知っておくことはアンテナシステムを製作する上で重要なことです。

給電線などのマッチングが完全にとれていないと、伝送線路上に定在波ができます。つまり、ここにできる定在波は波長短縮率によってその位置が違ってきます。マッチングをとる為には、波長短縮率がわからないとケーブルの長さを決められません。

波長短縮率とは

波長の短縮率(Fractional shortening)は次の式で表わせます。

波長短縮率 = 伝送線路上の電磁波の波長 / 真空中の電磁波の波長

つまり、一般的な伝送線路では電磁波の伝わる速度が真空中より遅い為に波長が真空中のものに比べて短くなるのです。この比率を波長短縮率と呼んでいます。

同軸ケーブルの種類と波長短縮率

同軸ケーブルの画像

同軸ケーブルは不平衡型の給電線で、芯線と外部導体の絶縁に、ポリエチレンや発泡ポリエチレンやテフロンなどが使われています。この絶縁体の種類によってケーブルの波長短縮率も違ってきます。

また、絶縁体の種類が違うと同じ特性インピーダンスでも、芯線と外部導体との距離や芯線の太さが違ってきます。

下記のようにおよその波長短縮率は分かりますが、正確にはディップメーターなどで測定するか、メーカーの特性表を見る必要があります。

充実ポリエチレン絶縁の同軸ケーブルと波長短縮率

3D-2Vや5D-2Vや8D-2Vという名称などで呼ばれている同軸ケーブルがあります。これは、絶縁体にポリエチレンを使っていて古くから アマチュア無線楽天 などでよく使われてきました。主にHFやVHFでよく使われています。外部導体は編組線だけです。

この充実ポリエチレンを使った同軸ケーブルの波長短縮率は一般的に約67%です。

発泡ポリエチレン絶縁の同軸ケーブルと波長短縮率

3C-FVや5C-FVという名称などで呼ばれている同軸ケーブルがあります。これは、絶縁体に発泡ポリエチレンを使っています。外部導体は編組線だけです。比較的低損失で安価なのでテレビ関係の給電線としてよく使われています。

この他に、3C-FBやS-4C-FBや5C-FBという名称などで呼ばれている同軸ケーブルもあります。これは、絶縁体に発泡ポリエチレンが使われ、外部導体はアルミ箔と編組線の両方が使われていて低損失でシールド性能も良いものです。VHF/UHF帯でよく使われていて、広くテレビの給電線などに使われています。

これらの発泡ポリエチレンを使った同軸ケーブルの波長短縮率は一般的に約80〜90%です。

テフロン絶縁の同軸ケーブルと波長短縮率

RG178やRG179やRG188やRG196などの名称で呼ばれている同軸ケーブルもあります。絶縁体にテフロンが使われています。半透明で、充実ポリエチレンより少し柔らかくて熱に強い特徴があります。

テフロン絶縁の同軸ケーブルの波長短縮率は一般的に約70%です。

平衡型フィーダーの種類と波長短縮率

平衡型フィーダーには、主に、「リボンフィーダー」や「めがねフィーダー」や「はしごフィーダー」などの種類があります。

平衡型フィーダーの特徴として、フィーダーの外部にも電界が発生するのでフィーダーの周辺にある物体やフィーダーの表面の水分などの影響により特性が変化しやすい欠点があります。

しかし、ハシゴフィーダーのように、うまく使えば一般的には低損失な伝送が可能なケーブルなのです。

リボンフィーダーと波長短縮率

リボンフィーダーの画像

リボンフィーダーは、2本の導線を軟質ポリエチレンで平行になるように保持したものです。古くからVHF帯のテレビ受信用によく 使われました。現在は、ほとんど使われいてないようです。

特性インピーダンスは300Ωが主です。リボンフィーダーの波長短縮率は約85%です。

めがねフィーダー(メガネフィーダー)と波長短縮率

メガネフィーダーの画像

めがねフィーダーは、2本の導線の周囲を発泡ポリエチレンなどで覆って、更に軟質ポリエチレンで平行になるように保持したものです。

リボンフィーダーより特性が安定しているので、UHF帯のテレビ受信用によく使われていました。特性インピーダンスは200Ωでした。これも、現在はほとんど使われいてないようです。

めがねフィーダーの波長短縮率は約75%です。

はしごフィーダー(梯子フィーダー)と波長短縮率

はしごフィーダーは2本の導線をプラスチックや割り箸などの絶縁物によって一定間隔に保持したもので、アマチュア無線などでよく使われていましたが、現在はあまり使われていないようです。

特性インピーダンスは600Ωのものが一般的で、定在波の乗った同調型のフィーダーとしてよく使われていました。見た目がちょうど梯子のように見えることからこの名前がつきました。

はしごフィーダーの波長短縮率は約95〜98%と言われています。この場合の絶縁物は空気やプラスチックや割り箸なので、妥当な値と思われます。