ダイポールアンテナ

よく見るダイポールアンテナ(Dipole Antenna、DP、ダブレットアンテナ)は、給電線に約1/4波長の2本の導線(エレメント)を給電線に直角に付けた1/2波長のアンテナです。同調アンテナの中で最も基本的なものです。アマチュア無線家がよく自作するアンテナです。このアンテナの原理を理解すれば他のアンテナも理解できます。

ダイポールアンテナの特徴

ダイポールアンテナは共振アンテナの一種で、「ダイ、ディ、di」は「2、ふたつ」という意味で、「ポール」は「極」という意味です。

つまり、2極のアンテナということです。通常は1/2波長で使いますが、1波長のダイポールアンテナもあります。

1/2波長(λ)のダイポールアンテナの長さ(短縮率)

1/2波長(λ/2)の長さの ダイポールアンテナ楽天 はアンテナの基本形ですが、実際は1/2波長だとコイルと同じような、少し誘導性(L性)となり、実際は少し短くして(短縮して)給電点インピーダンスを純抵抗(約73Ω)にして使います。

導線(エレメント)が太い程、短縮率が大きくなります。つまり、太い程計算値よりアンテナの長さが短くなります。一般的には2〜5%程度短縮して使います。また、被覆導線を使うと短縮率が大きくなり、導体を更に短くします。

エレメントの長さが適当かどうかを正確に測定するにはディップメーター(Dip Meter)やSWR計(定在波比測定器、Standing Wave Ratio Meter)を使ってアンテナの共振周波数を調べます。

アンテナの短縮率の誤解

短縮率とは短縮する比率であって短縮された比率ではありません。短縮率2%なら、2%または0.02が短縮率となります。短縮率の大小を論じるならこれを使うべきです。

98%や0.98と表示することがありますが、これは短縮率ではなくて「短縮された比率」とでも表現するべきものです。

λ/2ダイポールとλ/4垂直接地アンテナの電圧、電流分布

半波長ダイポールアンテナと1/4波長接地アンテナの電圧電流分布 1/2波長ダイポールアンテナのエレメント上の電圧は両端では最大となり、電流はそれより先には流れていかないのでゼロとなります。

また給電点では電圧が最低で電流は最大となります。

この動作が同調型アンテナの基本となります。1波長のダイポールアンテナでは先端では同じく電圧最大、電流ゼロとなります。

1/2波長のダイポールアンテナのエレメントの端から給電すれば電圧最大、電流最低の点から給電することになり、給電には工夫が必要です。

λ/4の垂直接地アンテナの場合は、λ/2の垂直ダイポールアンテナの下半分が地中にあると考えられます。

λ/2ダイポールとλ/4垂直接地アンテナのインピーダンス

1/2波長のダイポールアンテナの給電点インピーダンスは約73Ωとなります。この為、給電線に特性インピーダンス75Ωの同軸ケーブル(5C-2V等)がよく使用されています。

同軸ケーブルは不平衡型の給電線なのでここにバラン(Balun)を使用しますが、アマチュア無線ではそんな事など気にせず私も直接同軸ケーブルでよく給電したものです。

ダイポールアンテナを直線状に張らずに120度程度の角度を付けて張ると、給電点インピーダンスは約50Ωとなります。

短波帯(HF)のアンテナで真中にポールを1本立てて、逆V型にエレメントを配置したアンテナをよく使用しました。この給電線に5D-2V(50Ω)の同軸ケーブルがよく使用されました。

λ/4の垂直接地アンテナの給電点インピーダンスはλ/2ダイポールの半分の約36Ωとなります。

λ/2ダイポールアンテナの指向性と偏波面と利得

1/2波長ダイポールアンテナを水平に張ると、水平偏波の電波となります。この時の水平面の指向性は8の字状となります。

またこれを垂直に張ると、垂直偏波の電波となります。この時の水平面の指向性は無くなり、水平の全方向に均一に電波が放射されます。

利得は垂直水平面共に均一に放射する仮想のアンテナ(アイソトロピックアンテナ Isotropc Antena と言う)を基準にすると、約2.15dBiとなります。また利得の基準を1/2波長のダイポールにする事も多く、この場合は0dBdとなります。

ダイポールアンテナの応用

1/2波長ダイポールアンテナはアンテナの基本と言われるだけあって、このアンテナの応用は多岐に亘ります。