ミツバチ用電撃装置「ショックンM」の製作
ミツバチ用の電気柵なんて聞き慣れない言葉ですが、スズメバチからミツバチを守る為に「ともさん」が考案されました。ミツバチの巣箱の巣門の前に電気柵を設置してスズメバチを撃退するものです。これは、ミツバチ電気柵用電撃装置の製作を解説した記事です。自作が可能です。
スズメバチ対策用の電撃装置とは
インターネットを通じて知り合った「ともさん」は、何年か前から、私の作ったイノシシ用の電撃装置を改造されて、西洋ミツバチの巣門に電気ゲートを作られて使用されていました。最近はその効果が認められてスズメバチの被害がほとんど無いそうです。
「ともさん」は長年西洋ミツバチを飼われた経験から、スズメバチの対策を色々工夫されてきました。詳しくはともさんのホームページをごらんください。
イノシシ用の電撃装置を ミツバチ楽天 用に使うには、費用も多くかかるし、イノシシとミツバチでは動作させる時間が夜と昼で逆になるので、新たにミツバチ専用の電撃装置を作ることにしました。
この電撃装置は、イノシシ用と区別する為に「ショックンM」と名付けることにしました。このMはミツバチの意味です。
ミツバチ用電撃装置「ショックンM」の回路図と製作の注意点
- 回路図を公開しますので、ご自分で製作されたい方は利用して下さい。
- 電気ゲートは高電圧を扱う為、設置場所の選定には十分注意してください。設置者はこの管理を自己の責任で行なってください。
- 300V,0.047μFに充電されたエネルギーは約2mJですので、危険はありませんが、触ると軽い電気ショックがあります。
- C3のコンデンサはフィルムコンデンサの0.047μFで耐圧600V程度なら何でも使えます。
- C2は2200PF、500V程度のセラミックコンデンサでラジオやテレビ等への雑音防止です。
- Q2のトランジスターはNPNタイプの耐圧400~500V程度で電流1~3A程度のものなら何でも使えると思います。
- D3の整流ダイオードは耐圧1,000V, 0.5~1A程度の物を使ってください。
- 高電圧出力の抵抗R4は出力がショートした時の保護用と高電圧電流調整用です。これを削除しないで下さい。
- 全ての抵抗は1/4Wカーボン抵抗です。
- 発振は間欠動作ではなく常時動作です。フライバックコンバーターという方式です。トランジスターQ2がOFFする時に発生する高電圧パルスを整流平滑して直流にしています。
ミツバチ用電撃装置「ショックンM」の詳細
タッパウェアに入れた電撃装置の写真です。プラス12V端子、アース端子(12Vのマイナス側と共用)、高圧端子、昼だけ/常時動作切り替えスイッチ、電源スイッチを取り付けました。
アース端子は大地アースしないで、高圧と共に巣門ゲートの針金に交互に接続します。ともさんは巣門ゲートの間隔を約30mmにしているそうですが、もう少し狭く約25mmでも良いそうです。詳しくはともさんにお尋ねください。
リセッタブルヒューズとダイオードで電源逆接続完全保護します。逆接続してもヒューズは切れず逆接続が解消すれば元の状態に戻ります。
基板のLEDランプの点灯具合は電気ゲートに掛かっている電圧の高さを表示しています。
故障無く末永くご使用頂く為には電撃装置には雨が掛からないように設置して下さい。しかしビニール袋等で密閉しないで下さい。湿気がこもるし、温度が上がります。直射日光と雨を避けて、通風を良くする工夫をして下さい。タッパウエアの蓋は閉めて使います。
タッパウェアは紫外線に弱いので屋外で使用する場合は、上に薄い色のプラスチック製のバケツ(100円ショップにあります)等を被せてください。
ミツバチ用電撃装置の仕様
ショックンMの主な仕様 (予告なく変更することがあります) | |
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電源電圧 | DC12V(10V~14Vで使用してください) 12Vバッテリーのプラス、マイナス逆接続でも完全に保護します。 (DC12VとAC100V共用に改造もします) |
電源電流 | 動作時約50mA 待機時約1mA |
高圧出力電圧 | 直流約300V(無負荷時) |
高圧出力電流 | 最大約3mA |
発振周波数 | 約1kHz |
明るさセンサ | CdSを使用して自動で昼だけの動作が可能 |
重量 | 約400g |
ケース寸法 | D=約130 W=約130 H=約60 [mm] |
電撃装置にはリセッタブルヒューズが付いていますが、安全の為にバッテリーの端子に近い所に更に1A程度のタイムラグヒューズか、3A程度の普通の即断ヒューズを入れる事をお勧めします。
新品の自動車用のバッテリーを電源に使用した場合は、昼だけの動作なら1ヶ月以上でも電源が持つと思います。バッテリーが古いと容量が少なくなっている事もあるし、自己放電もありますので、バッテリーを長持ちさせる為には、2週間に1回程度で充電する事をお勧めします。