ツバメの巣を蛇から守る電気柵の製作
ツバメが玄関や軒下や家屋の中に巣を作ることがありますが、農家等では蛇がツバメの巣を襲って、雛を丸呑みにしてしまうことがあります。私はこれを防ぐ為に、ツバメの巣の周りに蛇の侵入防止用の電気柵を張り巡らせてみました。
燕用の電気柵製作の動機、背景
私の生まれた家は、築80年以上の藁屋根(わらやね)です。家の入り口を入った土間の玄関の上に毎年ツバメ(つばめ)が巣を作っています。そのツバメの為に、玄関の入り口の戸を閉めていてもツバメが出入りできる穴を開けてあります。
ツバメが巣作りをして雛(ひな)が孵る(かえる)頃になると、決まって蛇がツバメの巣をねらうようになります。
1990年頃の朝早くに、私が玄関のすぐ隣の部屋で寝ていると、ツバメの親鳥の激しい鳴き声が聞こえてきました。玄関への戸を開けてみると、まさに、大きな蛇がツバメの巣に進入しようとしていました。私は近くにあった棒で蛇をたたき落しました。
この時はツバメの雛は無事でしたが、留守中に雛が蛇に飲まれてしまったこともありました。雛がかわいそうで、なんとかしてやりたいと思って電気柵を作ってみました。
実験したツバメの巣用電気柵の写真
この写真が製作したツバメの巣用電気柵です。天井と梁は父が作ったものです。梁は丸太そのままで作ってありますので、天井でも蛇が梁に伝って来てしまいます。
この写真の梁には父が考えた、トタンで作った蛇の進入防止のついたてのようなものがありますが、効果は無いようです。この程度のものは簡単に突破してしまいます。
ちょっと見にくいのですが、中央のツバメの巣の周りを ステンレス線楽天 で2重に囲ってあります。3重か4重にした方が確実かもしれません。この場合は、電線をひとつ置きに相互に接続します。
私の実験したツバメの巣用電気柵の製作方法
- 電気柵の回路はとても簡単です。家庭用の100Vに絶縁トランスを入れて、電流制限用のコンデンサ(0.3~0.5μF、耐圧AC250V以上)を直列に入れるだけです。コンデンサの電荷放電用に330kΩ程度の抵抗を、このコンデンサに並列に入れてください。
- 絶縁トランスを入れる理由は、人が片方の線に触れた時に感電しないようにする為です。その他の理由として、もし、漏電で電流が大地に流れた場合に、漏電ブレーカーが働かないようにする為です。
- ツバメの巣用の電気柵は、ツバメの巣の周囲の天井にΦ1.4のステンレスの裸線を2重に張り巡らせました。電線の間隔は約5~10cmにしました。
- この電線間に前記の電流制限をした100Vの電圧を掛けてやります。何重にも電線を張る場合は、一本置きに電線を互いに接続して、隣り合った電線間に電圧が掛かるようにします。
- この回路の電流はショートしても最大で10~20mAなので火災や感電の危険はないと思いますが、実験される場合は自己責任で危険のないように設置してください。
- 私は電流制限用のコンデンサの代わりに10kΩの抵抗を使ったこともありましたが、大きな蛇に突破されたことがあります。この場合は、もう少し電流を増やした方が確実かも知れません。
- もし、この電気柵がショートしても、電流は20mA程度ですし、コンデンサだけに流れる電流は電力を消費しませんので安全性に問題はないと思います。
ツバメの巣用電気柵の効果
現在は、この古い家には住んでいないのですが、先日、見に行ってみると、蛇が電気柵に絡まって死んで天井からぶら下がっていました。未然に進入を防げたようです。(2009年6月)
注意事項
この燕用の電気柵の製作方法について、更に詳しい情報を求める方がいらっしゃいます。上記の情報で十分作れるはずです。上記の記述で解らない方は、電気の事をもっと勉強されるか、詳しい方の指導を受けて製作してください。
何故、これ以上の情報を提供しないかと言うと、知識の不十分な方が製作すると、安全性に問題がある場合があるからです。安全の為に、絶縁トランスと、電流制限用のコンデンサか抵抗を必ず使用してください。
また、この電気柵は製作も販売もしておりません。この文章が理解できて、安全性に配慮して、製作やメンテナンスが可能な方のみ設置することができます。