CATV保安器の役割と使い方

ケーブルテレビに加入したり、ケーブルインターネットに加入すると、屋外に保安器というものを設置します。CATV保安器の役割は、誘導雷や架空電線の混触などによって異常な電圧がCATVのアンテナケーブルに加わった時などに、テレビやその周辺機器を保護するための装置です。

CATV保安器の役割

CATV保安器の役割は、誘導雷や架空電線の混触などによって異常な電圧がCATVのアンテナケーブルに加わった時や、大電流がケーブルに流れた時に、それらを接地線(アース線)に逃がしたり、ヒューズを切ったりすることによって、テレビやその周辺機器を保護するための装置です。もちろん、人も感電から保護されます。

しかし、雷の直撃を受けた場合は、とても保護しきれませんが、被害を少しでもくい止める効果はあるかも知れません。

CATV保安器の一般的な規格(電気的特性)

CATV保安器の写真

この写真は我が家に設置しているCATV保安器です。2分配型で絶縁型です。出力は2系統あり、インターネット用とテレビ用とになっています。テレビ用は、この後にCATV専用の ブースター楽天 を接続してから各部屋に分配しています。

地上デジタル放送受信用の一般的なCATV保安器の主な電気的特性は次のようなものです。

周波数帯域
地デジ用は10~770MHzのものが一般的です。BS対応のものは1350MHzまで周波数特性が延びています。一般的にはDC(直流)カットになっています。70MHz以下をカットしたものもあります。
挿入損失
約0.5~1dBのものが一般的です。分配、分岐型はその分配や分岐の損失が加算されます。
V.S.W.R.(電圧定在波比)
約1.3~1.7のものが一般的です。
入出力インピーダンス
75Ωのものが一般的です。
入出力の絶縁
一般的には入出力はアース側も含めて、絶縁されています。中には非絶縁の製品もあります。耐圧はAC1,000Vで1分間です。
保安素子
アレスター(避雷器)やヒューズやチョークコイルを単独または組合せて使用しています。

CATV保安器の使い方と注意事項

CATV保安器は基本的には避雷器ですので、屋外に設置するものです。従って防水機構が備わっています。これを屋内には設置しないようにします。

CATV保安器の種類には「流合雑音防止型」「双方向通信型」「1分岐型」「2分配型」などがありますので、用途に応じた使い方をする必要があります。

入出力の端子を間違えないように配線します。出力端子が2個あるものは、その用途を間違えないように配線します。一般的には入力側と出力側は直流的には絶縁されていますので、ケーブルも入力側と出力側は分離して配線します。ケーブルの入力側と出力側を一緒に束ねないようにします。

CATV保安器のアースは、一般的にはメッセンジャーワイヤーをアース(接地)に使っています。その為、保安器側のアース端子にはメッセンジャーワイヤーを接続します。

地デジ用アンテナにCATV保安器を付けても良い

一般的な地上デジタル受信用のアンテナ(UHFアンテナ)には避雷器も何も付けていない場合が多いのですが、アンテナの避雷器としてこのCATV保安器を使うこともできます。この場合は、保安器のところで大地に接地工事を行なう必要があります。この場合の接地抵抗値は100Ω以下です。接地抵抗が低いのはかまいません。